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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして迷う

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 第70話 異文化交流

第三章


 第70話 異文化交流



ルノア組へ戻ってきた三人は。


違和感に気付いた。


「……あれ?」


のんちゃんが首を傾げる。


表に誰も居ない。


いつもなら。


木材運び。


筋トレ。


昼寝。


なにかしら山賊が転がっている。


なのに。


今日は妙に静かだった。



その代わり。


建物の中がやたら騒がしい。


「嫌な予感しかしない」


カエデが真顔になる。


「まぁ……ウチの連中っすからねぇ」


若頭は対して気にする様子もなく言った。



のんちゃんが扉を開ける。


瞬間。


熱気。


酒臭さ。


肉の匂い。


そして。


長机。


大量の酒。


大量の肉。


腕相撲。


ポージング。


なぜか肩を組んでいる山賊とアマゾネス。


完全に宴会だった。


「盛り上がってんねぇ」


のんちゃんが笑う。



「マツコちゃん!!押せぇぇぇ!!」


「スキンヘッド負けんなぁぁぁ!!」


盛り上がる室内。


しかし。


アマゾネス達が、入口の三人に気付いた瞬間。


「……!!」


ハッと我に返る。


ババッ!!


酒を置く。


背筋が伸びる。


一瞬で整列。


完全に親衛隊モードだった。



「…………」


カエデが無言になる。


対して。


山賊側。


「お、姐さん達おかえりっすー!!」


「若ぁー!マツコちゃん達バカ強ぇっす!!」


「見てくださいよこの机!!」


「壊れたっす!!」


まるで悪びれていなかった。



「ち、違うんですカエデ様!!」


ウメコが真っ赤になりながら前に出た。


「これはその……交流というか……!」


クネクネ。


モジモジ。


視線が泳ぐ。



「ウメコちゃん顔真っ赤っすよ?」


アフロがニヤニヤしながら言う。


「ひゃい!?」


ウメコが飛び上がった。


さらに赤くなる。



「いやぁー、でも最初マジで気まずかったんすよ?」


ドレッドが笑いながら言う。



少し前。


ルノア組。


残された山賊達とアマゾネス達。


気まずい。


とにかく気まずい。


「……」


「……」


誰も喋らない。



若頭も。


のんちゃんも。


カエデも居ない。


現場に残されたのは。


コンパ初めましてな男女だった。


なお、幹事不在。



耐えきれなくなったアフロが立ち上がる。


「あ、姐さんら肉食うっすか!?」


「プ、プロテインもあるっす!!」


「座布団使うっすか!?」


必死だった。



「……頂こう」


タケコが頷く。


そこからだった。



「マツコちゃん酒いけるっすか?」


スキンヘッドが酒瓶を持ち上げる。


「無論だ」


マツコが答える。


「おっ」


「ほう」


火が点いた。



「マツコちゃんいけるなああああ!!」


「そっちこそだ!!」


「勝負だぁぁぁ!!」


気付けば酒盛りが始まり。


腕相撲が始まり。


筋トレが始まり。


ポージングが始まり。


恋愛相談まで始まった。



「す、好きな男のタイプとかあるんすか!?」


アフロが勢いで聞く。


「つ、強い人だ……」


ウメコがクネクネしながら答える。


「おおー!!」


山賊達が盛り上がる。


「あと、その……優しくて……」


モジモジ。


「うわ純情だ!!」



「やっぱ姐さんらって強い男が好きなんすか?」


ドレッドが聞く。


「当然だ」


タケコが即答した。


「背中を預けられる男でなければ困る」


「うわ本物だ……」


ドレッドが感動していた。



一方。


アマゾネス側も山賊達を観察していた。


「……意外と悪くないな」


マツコが酒を飲みながら言う。


「もっと野蛮な連中かと思っていた」


「分かる……」


「なんか……思ったより優しい……」


ウメコがモジモジしながら言う。


ひそひそ話。


聞こえている。


山賊側が照れる。



「ルノア組は強いな……」


マツコがアフロを見る。


「ん?」


「こんな男、白虎にもそう居ない」


「へへ、照れるねぇ」


アフロが頭を掻いた。


「そっちこそ、こんなにみんな可愛いのに強いわぁ」


「ばっ!かっ…かわいいとかいうな!」


とマツコ慌てて酒を飲み干す。


みたいなことがあって、今っす!っとドレッドが言う。


のんちゃんはずっと腹を抱えて笑ってた。



その時。


「若頭ぁ!!」


スキンヘッドが叫ぶ。


「マツコちゃんバカ強ぇっす!!」


「お?」


若頭がマツコへと近づく。


背筋を伸ばし直立不動のマツコ。


若頭は徴発するように腕を組みながら笑う。


そこで。


マツコは、一度カエデを見る。


「……カエデ様」


「なんでしょう」


「この男と、勝負しても?」


カエデは。


机。


酒。


酔っ払い。


壊れた椅子。


現場を見渡して。


静かに目を閉じる。


「……好きにしてください」


完全に諦めた声だった。



「許可出たっすね」


若頭が笑う。


「うむ!」


マツコも笑った。



腕相撲開始。


「うおおおおおお!!」


周囲が盛り上がる。


若頭とマツコの腕がぶつかり合う。


ギリギリギリギリ……!!


「おお……」


初めて。


アマゾネス側が驚いた。


互角だった。



数秒後。


ドゴン!!


机ごと吹き飛んだ。


「あーーー!!」


「また机がぁぁぁ!!」


山賊達が盛り上がる。



「はっはっは!!」


マツコが豪快に笑う。


若頭も笑った。


「姉ちゃん強ぇっすねぇ!!」


「貴様もな!!」


完全に体育会系だった。



カエデは。


盛り上がるアマゾネス達と山賊達を見ながら。


静かに目を閉じた。


「……頭が痛いです」


「だろうねぇ」


のんちゃんだけが、腹を抱えて笑っていた。

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