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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして迷う

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 第59話 ドラゴン

第三章


 第59話 ドラゴン

  


 翌朝。


 ルノア村門前。


「うわ眠ぃ……」


 たにしが欠伸をする。


「お前昨日普通に飲み直してただろ」


 たくろーが呆れる。


「山賊焼き美味かったから……」


「自業自得」


 今回のメンバー。


 たにし。


 たくろー。


 のんちゃん。


 スズ。


 あっくん。


 そして護衛役の元山賊達数人。


「おぉー! 討伐隊っぽい!」


 のんちゃんが笑う。


「まだ討伐と決まった訳じゃねぇ」


「でもドラゴンだよ?」


「だから怖ぇんだろうが」


 たにしが真顔で返した。


 スズは、妙にやる気だった。


「ドラゴン素材……」


「お前ちょいちょい目が職人なんだよな」


「当然です!!」


 その横で。


 あっくんが、真顔で呟く。


「ドラゴン肉……」


「お前はお前でブレねぇな」


 たにしが呆れる。


「高級食材らしい」


「知識が料理人のそれなんだよなぁ……」


 その時。


 村の入口。


「みんなぁ!」


 ひーちゃが手を振っていた。


 横には、こはる。


 あいり。


 そして、ハナ。


「きをつけてねぇー!」


「ねー!」


「きゅぅ!」


「おう」


 たにしが軽く手を振る。


 その横で。


 ハナだけは、少し不安そうに山を見ていた。


 さらにその後ろ。


 れんかが、眠そうな顔で壁にもたれていた。


「たにし、帰って来たらお豆ちゃんと結婚しなくていいの?」


「嫌な死亡フラグ建てて押し付けんな!!」


「たくろーいるし死なないでしょ」


「心配仕方が独特なんだよ」


 たくろーがため息を吐く。


「まぁ誰も死なす気はないが」


「ひゅーかっこいいー」


 のんちゃんが笑った。

 

 ◇

 

 少し進み、山道に入る一同。


「……静かだな」


 たくろーが呟く。


 鳥の声が少ない。


 風も重い。


 若頭が、少し顔を強張らせた。


「この辺、本来もっと動物多いんすけどね……」


「だねぇ…」


 のんちゃんも足を止めて周囲を警戒する。


「近いか」


「え?」


 スズが首を傾げた。


「まだ村からそんな離れてねぇぞ」


 普通なら。


 大型魔獣。


 ましてドラゴン級なら、もっと深山に居る。


 なのに。


 既に空気が変だった。


 その時。


 焦げ臭い匂い。


「あっち!」


 のんちゃんがヤブを懸け入り、一同も続く。


 そして。


「うわぁ……」


 のんちゃんが呟いた。


 木々。


 焼け跡。


 巨大な爪痕。


 岩すら抉れている。


「デカすぎだろ……」


 そこに落ちてるものを見てたにしが引く。


 スズが、しゃがみ込んだ。


「鱗……」


 黒赤い鱗。


 かなり大きい。たくろーの大盾くらいはある。


「持って帰っていいです?」


「今それ言う?」


「貴重なんですよ!!」


「まぁ分かるけど」


 その横で。


 あっくんも、真顔で鱗を見ていた。


「硬そう」


「これも食うのか!?」


「いや包丁作れそう」


「そっちかよ」


 その時。


 たくろーが、ふと地面を見る。


「……これ」


「ん?」


「足跡、多いな」


 よく見ると。


 巨大な足跡が、何度も同じ方向を往復している。


「縄張り巡回って感じじゃないねぇ」


 のんちゃんが言う。


「ルノア村の方を警戒してる感じかな」


「……」


 たにしも、少し眉をひそめた。


「しかも村側に近づいて来てるなこれ」


 空気が少し変わる。


「……おいおい」


 山賊の一人が青ざめる。


「こんなのが村まで来たら……」


 その時。


 遠く。


 山奥から。


 グォオオオオオオッ──!!


 重低音の咆哮。


 空気が震える。


「うおぉっ!?」


 山賊達が肩を跳ねさせた。


「近っ……!」


 スズが顔を引き攣らせる。


 直後。


 ばさぁっ!!


 巨大な影が、木々の上を横切った。


「居た!!」


 空。


 赤黒い翼。


 巨大な体躯。


 黄金の瞳。


 ドラゴン。


「デッッッッッッッッカ……」


 たにしが真顔で呟く。


「いやこれ無理じゃね?」


「早くない?諦めるの」


 のんちゃんが笑う。


「諦めるというか現実見てる」


 ドラゴンが、空中からこちらを睨む。


 その瞬間。


 ぞわっ。


 全員の背筋に悪寒が走った。


「……来るぞ」


 たくろーが盾を持つ手に力を入れ、低く言う。


 次の瞬間。


 轟炎。


「散れぇ!!」


 たにしが叫ぶ。


 爆炎が、

山道を飲み込んだ。

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