表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして迷う

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/105

 第54話 七敗一嫁

第三章


 第54話 七敗一嫁

  


「なんでそんなに、たにしさんに拘るんですかぁ?」


 ひーちゃが、お茶を飲みながら不思議そうに聞いた。


 その言葉に。


「あー……」


 たくろーが、少し考えるようにコーヒーへ口を付ける。


「ひーちゃと、れんかは1stやってないしな」


「2ndでも、こいつらとほぼ関わってないか」


 れんかが、こてんと首を傾げた。


「そんな有名だったの?」


「有名というか……」


 ドラちゃんが苦笑する。


「めんどくさかったっす」


「それ、今もじゃん」


 れんかが普通に不思議な顔で言う。


「いやまぁそうなんですけど、もっとっこう尖ってた感じっすね!」


「おまいらマジで…」


 たにしが言葉に詰まる。


 お豆ちゃんが吹き出した。


「特に私ねー」


「1st時代、たにしちゃんに七回攻め込んで」


「七回負けたし」


「多くない?」


 れんかが真顔で言う。


「飽きなかったんですかぁ?」


 ひーちゃも普通に聞いた。


「え? なんで?」


「なんで?じゃねぇんだよ」


 たにしが呆れる。


「普通三回負けたら諦めるだろ」


「やだ」


「ガキか」


「だって毎回あとちょっとだったし!」


「毎回言ってたな」


 たくろーが、疲れたように呟く。


「“次は行ける気がする!”って」


「なお全敗」


「ぐぬぬ……」


 お豆ちゃんが唸る。


 ドラちゃんが笑いながら続けた。


「しかも八回目、どうしたと思います?」


「?」


 ひーちゃとれんかが見る。


「花嫁衣装で来たんすよ」


 数秒沈黙。


「は?」


 れんか。


「意味分かんないですぅ」


 ひーちゃ。


 お豆ちゃん、胸を張る。


「勝てないなら嫁げばいいかなって!」


「ならねぇよ!!」


 たにしが即答する。


「しかも普通にアマゾネス白無垢軍団連れて城門前まで来たからな」


「怖っ」


 れんかが真顔で引く。


「いやでも、白虎掲示板めちゃくちゃ盛り上がったんすよ」


 ドラちゃんが笑う。


「“和平ルート来た?”とか」


「“結婚イベント始まった”とか」


「“お豆ちゃん遂に壊れた”とか」


「うるせぇなぁ……」


 たにしが顔を覆う。


「ちなみに結果は?」


 ひーちゃが聞く。


「普通に追い返された」


「だって怖ぇもん」


「酷くない!?」


「城壁の上から過去イチの形相で“帰れー!!”って言ってたよね」


 のんちゃんが爆笑する。


「覚えてんなよそんなの……」


「だって面白かったし」



挿絵(By みてみん)

 


空気が少し和む。


 その中で。


 カエデが静かに口を開いた。


「ですが、冗談抜きで」


「現在この場にいるメンバーは、かなり異常です」


 空気が少し締まる。


「2ndシーズンにおける、二つ名持ち、バトルアリーナ上位者が複数存在しています」


「“ピンロクの不落村長”」


 カエデがたにしを見る。


「唯一、最後まで一度も村の石碑を割られなかった村長です」


「なお本人は釣りとカジノばかりしていました」


「余計な情報足すな」


「カジノ累計負け額ランキング1位でしたよね?」


「一撃獲得金額も1位だわ!」


 少し笑いが起きる。


「“笑う戦姫”」


 のんちゃん。


「1on1最終2位」


「山賊討伐数1位」


「弓部門1位」


「要するに姉様と同じ人種です」


「お豆ちゃんと最後まで1位争いしてたよねぇ」


 のんちゃんが笑う。


「いやー、あれ楽しかった!」


「最後、真正面から殴り勝たれた!」


 お豆ちゃんも笑う。


「脳筋対決だったよねー!」


「怖……」


 我が母にれんかが引く。


「まぁこの二人、観戦人気めちゃくちゃ高かったっす」


 ドラちゃんが苦笑する。


「実況掲示板、“また始まった”って毎回盛り上がってたんで」



「“不死身コレクター”」


 カエデが続ける。


「死亡回数ゼロ」


「総被ダメージランキング1位」


「装備・ライド収集率1位」


「あと廃課金」


「最後いらねぇだろ」


 たくろーが嫌そうな顔をする。


「3on3最終1位でもあります」


「回復無し超火力編成。ママに呼ばれて私もやらされた」


 れんかがぼそっと言う。


「相手が溶けるの早かった」


「怖ぇよ」


 ドラちゃんが引く。


「“氷炎の黒猫”」


 カエデがれんかを見る。


「白虎魔法学校、前期実技試験総合1位」


「学内魔導大会個人優勝」


「ただ、だいぶ序盤で、全てを収めたと言い残し不登校になり卒業せず」


「飽きた」


「過去最悪の首席って言われてたもんね」


 のんちゃんが笑う。




「“紫白の魔女”」


 ひーちゃ。


「死亡回数ゼロ」


「総合回復量1位」


「薬品生産、販売数1位」


「なお、1on1勝率100%です」


「一戦しか出てないけどな」


 たにしが言う。


「しかも相手たにしさんだったんですよねぇ?」


 ドラちゃんが笑う。


「瞬殺だった」


「やめろ」


 即答。


 その時。


「……誰それ」


 ちょうど奥の台所から、

あっくんが顔を出した。


「“鉄槌フルコース”」


「お前」


「あー……」


 少し嫌そうな顔。


 そのまま皿を置いていく。


「もうすぐお昼、できる」


「早くないっすか?」


 ドラちゃんが引く。


「朝から仕込んでたし」


「なんで朝から肉煮込んでんだよ」


「僕が食べたかった」


「相変わらずマイペースだな」


 たくろーが呆れたように言う。


「料理大会優勝」


 カエデが続ける。


「料理レシピ開発世界3位」


「鈍器部門3位」


「バトルアリーナはほぼ参加してませんが、勝率は異常です」


「料理人だよね?」


 ひーちゃが困惑する。


「料理人だよ?」


 あっくんが静かに返した。


「鈍器で殴るの?」


「肉叩いて柔らかくする感覚」


「怖っ」


 れんかが真顔で言った。



 カエデは静かに地図を見る。


「そういうわけで、単純に戦力として見ても協力を請いたいというわけです」


「恐らく、1st三同盟時代より質は上です」


 静かな声だった。


「だからこそ」


「姉様は、もう一度中央へ届く可能性を見ています」


 全員。


 少しだけ黙る。


 その中で。


「……でもやらん」


 たにしだけが、

いつも通りだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ