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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして迷う

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 第52話 俺が守るもの

三章


 第52話 俺が守るもの

  


朝食後。


 村長宅。


 大テーブル。


 珍しく、全員真面目な空気だった。


 たにし。

 たくろー。

 のんちゃん。

 ひーちゃ。

 れんか。

 ソニア。


 向かい側。


 お豆ちゃん。

 カエデ。

 ドラちゃん。


 湯気の立つお茶。


 だが。


 空気は、少しだけ重い。


「んじゃ、改めて話すね」


 お豆ちゃんが口を開いた。


「中央、落としたい」


「帰れ」


 即答。


「まだ何も言ってないじゃん!!」


「もう聞いた」


「たにしちゃん冷たぁい……」


「朝から国家転覆の話持ってくる奴にはこんなもんだ」


 たくろーも深く頷く。


「まぁでも、話くらいは聞くっすよ」


 ドラちゃんが苦笑する。


「実際、今のお豆ちゃん、かなり本気なんで」


「昔から本気だろこいつは」


「確かに……」


 のんちゃんが呟く。


 カエデが静かに頷いた。


「現在の勢力図なら、不可能ではありません」


 れんか。


「めんど」


「れんかちゃんは通常運転ですね」


 ひーちゃがお茶を飲みながら笑う。


 カエデが、机へ地図を広げた。


「少し、戦況を説明させていただきます」


 少し強引に、カエデが話を始める。


 物言いたげだったたにしも、一旦は黙った。


 それを横目で確認したカエデが続ける。


「まず中央大都市。これが絶対的国都。1stシーズンから未だ落ちず、この国の中心都市です」


「当然、所有者はまだあの連中だと思われます」


 地図の中央を指さす。


「あの連中?」


 ひーちゃが小首を傾げる。


「はい。ゲーム時代の設定……というより仕様ですね」


「王と、その側近の四天王」


「計五名による統治です」


「厨二くさ……」


 れんかが呆れたように呟く。


「まぁでも、バケモノの集まりなのは事実っすよ」


 ドラちゃんが苦笑する。


「そもそも、このゲームの謳い文句が」


「“世界が欲しければ、我々から奪ってみろ”っすからねぇ」


「だな」


 たくろーがコーヒーを飲みながら続ける。


「その五人、ゲーム開発側の連中らしいしな」


「は? そんなの無理ゲーじゃん」


「どうとでも弄れるでしょ」


 れんかが眉をひそめる。


「いや、それがそうでもないんっすよ」


 ドラちゃんの顔から、笑みが消える。


「実際、1stで俺ら三同盟が攻めた時は、かなり際まで行ったんで」


 れんかが少しだけ黙る。


 空気も、少しだけ重くなった。


「そしてその中央を囲うのが――」


 会話の切れ目で、カエデが続ける。


「東の青龍」


「西の白虎」


「南の朱雀」


「北の玄武」


「四つの中都市です」


「その中で、現在姉様が管理しているのがここですね」


 白虎を指さす。


「まず、三同盟を復活させたい」


 お豆ちゃんの言葉。


 その瞬間。


 空気が少しだけ変わった。


 一同、静かに聞いている。


「白虎は、たにしちゃんへ譲渡」


「いらん」


 即答。


「はやぁい!!」


「聞く価値がねぇ」


「あるよぉ!!」


 お豆ちゃんが机を叩く。


「今の白虎、実質たにしちゃん派閥だし!」


「知らねぇよ」


「ドラちゃんも言って!」


「まぁ……」


 ドラちゃんが頭を掻く。


「1st時代の白虎所属の古参プレイヤー勢、未だにたにしさん信仰強いんすよ」


「“ピンロクの不落村長”が中央戦で最後まで立ってたの、見てた連中多いんで」


「やめろその呼び方」


 たにしが顔をしかめる。


「そもそも2ndは領主別だっただろうが」


「ですよねぇ……」


「だからね!!」


 お豆ちゃんは続ける。


「たにしちゃんが白虎!」


「私が玄武落とす!」


「ドラちゃんが朱雀!」


「そこから青龍!」


「くにまる取り込んで!」


「四中都市連合で中央攻略!!」


 勢いだけは凄かった。


 数秒沈黙。


「……まぁ」


 ドラちゃんが頭を掻く。


「理屈自体は分かるんすよ」


「中都市四同盟が成立すれば、ワンチャンある」


「青龍も、くにまる単独じゃ中央無理って理解してるはずなんで」


 カエデも頷く。


「少なくとも、以前より勝率は高いです」


「中央側も、地方への干渉が以前より鈍っていますし」


「問題は」


 たくろーが横を見る。


「たにしくんが絶対首縦に振らねぇ事だろうな」


 全員。


 たにしを見る。


 たにしは、しばらく黙っていた。


 窓の外。


 村。


 煙。


 子供の声。


 畑。


 朝の日差し。


「……もうさぁ」


 静かな声だった。


「戦争も」


「中央も」


「領地取りも」


「疲れた」


 お豆ちゃんが黙る。


「畑見て」


「飯食って」


「風呂入って」


「たまに山行って」


「今くらいが丁度いいんだよ」


 ルノア村。


 その空気そのものみたいな声だった。


「俺が守りたいものはな、これくらいで精一杯だ」


「白虎もいらねぇ」


「中央も知らん」


「俺はここから動かねぇよ」


 静かだった。


 だが。


 誰より頑固な声だった。


 ドラちゃん、小さく息を吐く。


「……まぁ、そう言うと思ってたっす」


 のんちゃんは少し困ったように笑う。


 ひーちゃは静かにお茶を飲む。


 れんか。


「たにし、引きこもりだしね」


「お前だけは言うな!?」


 少しだけ空気が緩む。


 その中で。


 お豆ちゃんだけが。


 黙ったまま、

たにしを見ていた。


 昔と同じ。


 絶対に折れない目で。

読んで頂きありがとうございます!

遊びで、軽いノリで、身内で読むために書き出したんですが、意外と楽しくなっちゃってw

もうすでに実在の人物とキャラが別モンになってますw


ノリはこのままですが、メインのお話と、ほのぼの系閑話は続けて行こうと思ってます。

ゆーるーく、もうしばらくお付き合い頂ければ!


誤字脱字報告、感想などあればぜひ!

モチベにもなりますので、合せてよろしくお願いします。

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