表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして暮らす

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/105

 閑話 24時間愛せますか

閑話

 

 24時間愛せますか



 カリカリカリ……。


 夜。


 村長宅。


 事務所。


「……」


 たくろーは死んでいた。


 机。


 書類。


 帳簿。


 請求書。


 温泉旅館完成後。


 何故か仕事が増えた。


「なんでだよ……」


 本人にも分からない。


 ◇


「たくろーさん〜」


 ひーちゃが、

部屋へ入ってくる。


「ん?」


「はいこれぇ」


 小瓶だった。


 淡く光る液体。


「疲労回復薬?」


「試作中のやつぅ」


 ひーちゃが、

ふわっと笑う。


「疲れ取れると思うからぁ」


「助かる……」


 たくろーは本気で感謝した。


「無理しすぎだめだよぉ?」


「善処する」


「それ絶対しないやつぅ」


 ◇


「じゃぁ、おやすみぃ」


 ひーちゃは、

そのまま退室する。


 静かな部屋。


「……」


 たくろーは、

小瓶を見る。


「俺で臨床実験するなって話だが。まぁ、ひーちゃのだし大丈夫だろ」


 ぐいっと飲んだ。


 ◇


「……うま。ピーチフレイバーか。」


 そして。


「……お?」


 身体が軽い。


 頭も冴える。


「めちゃくちゃ効くじゃん」


 仕事が進む。


 神薬だった。


 ◇


 ガチャ。


「たっだいま〜」


 たにしだった。


 酔っていた。


 酒臭い。


「お前まだ仕事してんの?」


「村長らしきやつが仕事しなくてな」


「いやぁ村長忙しいらしいぜぇ?」


「お前今日温泉で飲んでただろ」


「付き合い付き合い」


 へらへらしていた。


 ◇


 その時。


「……」


 たくろーが止まる。


「ん?」


 たにしが首を傾げる。


「どうした?」


「……いや」


 なんか。


 こいつ、こんないい男だったっけか。


(えっ待て、俺は今何を考えた。)


 たくろーの脳内が混乱する。


(なんで今ちょっとドキッとした?)


 おかしい。


 疲れてる?


 でも。


 たにしが笑う。


「なんだよ気持ち悪ぃな」


「……っ」


 心臓がうるさい。


(待て待て待て待て)


「お前顔赤くね?」


 たにしが近づいてくる。


「熱あんの?」


 額へ手が伸びる。


「触んな!!」


「うおっ!?」


 たにしがびっくりした。


「なんだよ急に!?」


「近い!!」


「お前今日どうした!?」


 たくろー本人が一番どうしただった。


 ◇


(なんだこれなんだこれなんだこれ)


 たにしを見ると、なんか胸がざわつく。


 顔が良い。


 距離近い。


 笑うな。


 やめろ。


(無理だろこれ!!)


 ◇


「なぁ」


 たにしが真剣に心配する。


「たくろー。マジで体調大丈夫か?無理ばっかさせて悪い…」


「邪魔してすまん。無理すんなよ。お先」


 たにしは、事務所を出ようとする。

 

 たくろーの体が反射的に動く。


「ちょっ!待てよ!」


 その瞬間。


 ガンッ!!


「うぉっ!?」


 たにしの背後の壁へ、たくろーが手を叩きつけた。


 いわゆる壁ドンである。


「……」


「……」


 近い。


 たにしの顔が近い。


(何してんだ俺ぇぇぇぇ!?)


「た、たくろー?き、きむたくろー!?」


 珍しく。


 たにしが焦っていた。


「お前ちょっと待て、近い近い」


「うるさい」


「いやおかしいだろ!?」


 さらに。


 くいっ。


「……は?」


 顎を持ち上げた。


 完全に無意識だった。


 たにし停止。


「お前ほんとどうした!?」

挿絵(By みてみん)

 ◇


「……顔いいな」


「やめろ怖ぇよ!!」


 たにしが焦っていた。


 いつもの余裕がない。


 たくろー本人も死にそうだった。


(誰か殺してくれ!!)


 ◇


 ガチャ。


「たくろーさん〜」


 ひーちゃだった。


「そう言えば副作用がねぇ――」


 止まる。


 壁ドン。


 顎クイ。


 真っ赤なたくろー。


 焦るたにし。


「……」


「……」


「……あっ」


 察した。


 ◇


「ひーちゃ」


 たくろーが真顔で聞く。


「何飲ませた?」


「えとえと…」


「ただの疲労回復薬じゃないだろ!あれ!」


「惚れ薬的な何か?と…媚薬的な何か?…を少々?」


「?多いな!」


 壁際のたにしもつっこむ。


「ちなみに効果と対象教えてもらえたり!?」


 たにしが聞く。


「疲労はすごく回復するはず!!ただ…副作用が…飲んで最初に見た人?を好きに?なっちゃう?なのかな?見たところ?」


「「?多いわ!!」」


 二人の声が揃う。


 そして見つめ合う二人。


 空気が死んだ。


 ◇


「ということらしいな」


 平静を取り戻そうとするたにしが、たくろーの手を払い、部屋を出ようとする。


 その瞬間。


 「行かないでくれ…」


 たくろーがたにしを背後から抱き止める。そうですいわゆるバックハグです。


 「ひゃっ」


 変な声を出して固まるたにし。


 「あらあらまぁまぁ」


 と、ほんのり頬を赤らめるひーちゃ。


 「ちょっとのんちゃん呼んでくるね!」


 と、部屋掛け出ていく。


 「ひぃちゃああああ!それだけはやめろおおおおお!」


 絶叫するたにしにたくろーが耳元で囁く。


 「なぁ…たにしくん…俺を…殺してくれ…」

 

 虚ろな目のたくろーがそこに居た。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ