第48話 温泉を作ろう
二章
第48話 温泉を作ろう
「ここ」
南区。
生活水路沿い。
れんかが真顔で地面を指した。
「温泉」
「いいかもな」
たにしが笑う。
「確かに、この辺なら広げやすいですね!!」
スズが図面を広げる。
「水路も近いですし!!」
「あと居住区から近い」
たくろーも頷く。
◇
「ていうか」
たにしが周囲を見る。
「温泉ってそんな簡単に作れんの?」
「掘れば出るわけじゃないですよぉ?」
ソニアが苦笑する。
「そこは村ポイントですね!!」
スズが胸を張る。
「温泉源自体は解放できます!!」
「便利だなぁ」
「ただし!!」
スズが指を立てる。
「建物は自前です!!」
「そこは労働なんだ」
「景観大事ですから!!」
「結局工事かぁ……」
たくろーが遠い目をした。
◇
「露天風呂は絶対いる」
たにしが言った。
「いいねぇ」
のんちゃんが笑う。
「たにしさんはお酒すすむよね」
「間違いない」
「夜風気持ちよさそう」
その横で。
「ぬる湯」
れんかが真顔で言う。
「あと寝湯」
「そっち?」
「長時間入れる構造が必要」
「ガチ勢だ」
◇
「あと冷たい飲み物」
れんかが続ける。
「そこ重要なんだ」
「重要」
真顔だった。
「ルノアフラペチーノ?」
「お前また働く気か?」
「それは嫌」
即答だった。
◇
「宴会場も欲しくない?」
のんちゃんが言う。
「風呂上がりにご飯食べたいじゃん?」
「あーいいなぁ」
たにしも頷く。
「畳とか置いてごろごろしたい」
「分かる」
「完全にダメになる施設作ろうとしてるな?」
たくろーが呆れる。
「だったら」
あっくんが静かに手を挙げた。
「食事処、僕がやる」
「おお!いいね!」
「蕎麦とか挑戦したい。甘味も」
あっくんは何処へ向かってるんだ。
「なんか旅館っぽくなってきたな」
「ルノアフラペチーノも置く」
「だから、それは絶対嫌」
れんか即答。
◇
「あと混浴」
たにしが言った。
「却下」
「却下です!!」
「却下だねぇ」
「きもい」
「全員ひどくない?」
れんかだけ語彙が強かった。
◇
「じゃあこうしましょう!!」
スズが図面へ描き込む。
「こっち男性!!」
「こっち女性!!」
「露天風呂を広めにして!!」
「おぉ」
「休憩所も!!」
「牛乳」
「畳」
「景観も完璧にします!!」
「うむ、今回は同意だ」
◇
「姐さーん!」
若頭だった。
「また工事ってマジっすかぁ?」
「働け働け」
「橋終わったばっかっすよぉ!!」
「今度は温泉だよ」
「うおっ」
若頭の目が少し輝く。
「混浴あるっすか!?」
「ない」
「たにしくらい、きもい」
◇
「じゃぁ決まりですね!!」
スズが笑う。
「ルノア温泉計画、開始です!!」
「おんせん!」
こはるがぴょこぴょこ跳ねる。
「おふろー!」
あいりもテンションが高い。
その横で。
「寝湯……」
れんかは幸せそうだった。




