第47話 癒しを求めて
二章
第47話 癒しを求めて
「……もう無理」
夕食後。
村長宅リビング。
れんかが、机へ突っ伏した。
「急にどうした」
たにしが聞く。
「魔力切れ」
「また?」
最近。
れんかの
フルーツ牛乳シャーベット。
通称。
『ルノアフラペチーノ』
が、異常に売れていた。
市場。
橋完成後。
人の流れが増えた結果。
「冷たくて甘いの最高〜」
「なのに冷え性にも効くらしいわよー」
「なんかオシャレ」
などと大人気。
結果。
「今日何杯作った?」
「……覚えてない」
「ハッチャンの時思い出すわ」
たにしが苦笑する。
◇
「氷魔法って疲れるんだねぇ」
さすがにのんちゃんも労うように言う。
「ずっと冷やしてると頭痛い」
れんかは死んだ目だった。
「氷魔法スキルだけ異常に熟練度上がった」
「あと…」
れんかが体を起こして
「あとお風呂混んでる」
たにしを射殺すような目で見ながら言う。
「あ、はい…」
何かを察したたにしだった。
◇
「最近、また人増えたからねぇ」
のんちゃんが、れんかに“減るから買うな”と言われながらも買ってきた、レノアフラペチーノを飲みながら言う。
東の橋完成後。
村との街道も整備され、魔物の危険性もほぼない。
市場へ来る人は、さらに増えていた。
行商人。
旅人。
職人。
なんか住み始めた人。
ルノア村は、もう辺境の小村ではなかった。
◇
「家風呂」
れんかが真顔で言う。
「わかったわかった」
ソニアに言ってみるわ。とたにしが応える。
「早急に」
「でもまぁ確かに混んでるよな。多少増築はしたが」
コーヒーを煎れてきたたくろーが言う。
「もう田舎町の銭湯なんよ」
たにしが笑う。
「あと湯ぬるい」
「人増えたからなぁ」
「足伸ばせない」
「そこ大事なんだ」
「大事」
さらに。
「山賊どもが変なポージングして長風呂してるな」
「あれなんなん?」
「知るわけない」
ですよね。
◇
「温泉でも行ってだらぁっとしたいなぁ」
たにしが何気に言う。
「行かなくても、作ればいいじゃないですか!」
洗い物の手伝いを終わらせてきたスズが言う。
「え?作れんの?」
たにしが言う。
「もちろんです!多少、村ポイントは使いますけどね!」
「いいね!温泉!」
ね!と、のんちゃん言葉にひーちゃも賛同する。
「ここんとこ、みんな何かしら頑張ってるしなぁ。癒しは必要だよな」
たにしは少し考え
「よし!作るか温泉!」
「おんせん!」
一同テンション上がる中、たくろーだけが工事を思って苦笑していた。
◇
「やるとなるなら、温泉旅館にしてしまうか。ベルクから宿作って欲しいって要望でてたしな」
たくろーが言う。
「なんなら、露天風呂とかも欲しくね?」
たにしが言った。
「露天風呂!!」
スズが食いついた。
「いいですね!!」
「やっぱいるよな!」
「岩置きましょう!!」
「おぉ」
「木も植えましょう!!」
「おぉ」
「灯りもおしゃれな感じで!!」
「おぉ」
「景観も完璧にします!!」
「やっぱそこ来るんだ」
今回はあながち間違ってないが。
「でも露天いいねぇ」
のんちゃんが笑う。
「夜とか気持ちよさそう」
「れんかの作ったやつ飲みながらね」
テンションが上がってたれんかが、我に帰る。
「絶対無理」
また生産量が増える事を考えたら、お風呂が嫌いになりそうだった。




