閑話 こはるとあいりの大冒険
閑話
こはるとあいりの大冒険
「冒険しよう」
昼。
突然、
あいりが言った。
「ぼうけん」
こはるが復唱する。
場所。
村長宅前。
ハナは寝ていた。
「ルノア村の外には、
未知がいっぱいあるんだよ」
「みち」
「そしてお宝もある」
「おたから」
二人の目が輝いた。
なお。
完全に、
たにしの影響だった。
◇
「しゅっぱーつ!」
「おー!」
ぽてぽて。
てくてく。
二人は村を歩く。
なお。
数分後。
「どこいくの?」
「わかんない!」
「だいじょうぶ?」
「だいじょうぶ!」
勢いだけだった。
◇
「こんにちはー!」
畑。
山賊F
「おぅおぅ!どうした?」
「ぼうけんちゅう!」
「ほう!かっこいいな!」
「うん!」
すると。
イカツイ顔が笑って、
小さな袋をくれた。
【干し果物】
「わーい!」
「おたからだ!」
「食料補給成功」
あいりが真顔で言う。
「せいこー」
こはるも真顔で頷いた。
◇
「次どこ行く?」
「もり!」
「危ないからダメ」
一線は引いてあるらしい。
外の世界とは?というツッコミは我慢してあげて欲しい。
そこに、後ろから声。
「何してるんすかチビ達」
「わかがしら!」
若頭だった。
今日も半裸だった。
「ぼうけん!」
「おー、いいっすねぇ」
「おたから探してる」
「夢あるっすねぇ」
若頭は少し考え。
ポケットを漁った。
「ほれ」
チャリン。
【10G】
「おぉー!」
「おたから!」
「お宝っす」
と若頭が笑う。
「おかしなんこ?」
「現実的!」
◇
「つぎ!」
「どこ!」
「ひみつきち!」
「ひみちゅちち!」
「いこう!」
「おー!」
あいりは自信満々だった。
そして。
連れて行かれた場所。
村外れ。
山賊宿舎裏。
「……」
「……」
「ひみちゅちち?」
「うん!」
木箱。
樽。
干し肉。
あと半裸。
山賊詰所である。
「お?」
モヒカンが気づく。
「チビ達じゃねぇっすか」
「ぼうけん!」
「いいっすねぇ!」
なぜか歓迎された。
「これかっこいい」
あいりが、
壁の斧を見る。
「それは武器っす」
「おたから!」
「危ねぇから触っちゃダメっすよ」
珍しく真面目だった。
その時。
こはるが、
隅を指差した。
「ねこ」
「ん?」
小さい、灰色のイタチのような生き物がいた。
「ピュー」
警戒心なさそうに鳴く。
「ぴゅー」
こはるが真似する。
「ルンバイタチっすね。ゴミを食べるっす」
テテテ…とこはるに駆け寄る。
「かわいい」
「お宝!」
「おたから!」
◇
「ただいまー!」
夕方。
村長宅。
「おかえ――」
たにしが止まる。
「なにそのネズミ?」
「おたから!」
「よーわからんけど、何処から連れてきた」
「山賊のひみつきち!」
「きみちゅちち!」
あいりとこはるが自慢気に言う。
「そのワードだけで不安しかない」
さらに。
「お金もある!」
【所持金:10G】
「稼いでる」
「冒険者だ」
のんちゃんが笑う。
ひーちゃが、
ルンバイタチを抱き上げる。
「かわいいねぇ」
「ピュー」
すると。
ハナが近づいてきた。
ピョイ!
ハナの上へ、乗った。
「うわ」
「なかよし」
「移動動物園が拡張された」
れんかが真顔で呟く。
「こはる!名前は?」
あいりが聞く。
こはるは少し考え。
「さかな!」
「なんで?」
「ししゃもみたい!」
「感性独特だな」
ルノア村に、
また一匹住人が増えた。
【冒険者の休息】




