第30話 スズ来村
二章
第30話 スズ来村
「たくろーさぁぁぁぁん!!!」
村へ、
爆音が響いた。
朝。
ルノア村。
「来た」
たくろーが頭を抱える。
次の瞬間。
バァン!!
村長宅の扉が勢いよく開いた。
「お届け物です!!!」
「初対面だが想像通りすぎて違和感ないな」
たにしが関心して言う。
赤髪。
ゴーグル。
元気。
スズだった。
背中には、
やたらデカい包み。
「おぉー!」
あいりが目を輝かせる。
「新キャラだ!」
「あいりもここに馴染みすぎな?」
たにしが苦笑する。
その横。
ハナが、
ぽてぽてスズへ近寄った。
「わぁぁぁ!!」
スズがしゃがむ。
「ふわふわです!!」
「早速落ちた」
れんかが真顔で言う。
◇
「で?」
たにしが聞く。
「なにしに来たん?」
「包丁とか鍬とか完成したので届けに来ました!!」
スズは、
ドンッと包みを机へ置いた。
「おぉ」
あっくんが目を細める。
包みを開く。
中。
銀色の包丁。
綺麗だった。
「うわ」
「カッコいい」
のんちゃんが感心する。
柄の部分には、
小さな装飾。
炎っぽい模様。
「絶対スズちゃん趣味入ってる」
「はい!!」
「即答」
あっくんは、
静かに包丁を持つ。
「……軽い」
「切れ味もいいですよ!!」
「鈴ついてない」
「料理中うるさいと危ないので!!」
「学習してる。戦闘方面じゃない方にだが」
たくろーが少し感心した。
その瞬間。
「たくろーさん褒めました!?」
「いや別に」
「嬉しいです!!」
「声デカいって」
朝から騒がしかった。
◇
「へぇ〜」
スズはキョロキョロしていた。
「ほんとに村なんですね!!」
「そうだが?」
「もっとこう……
木しかないと思ってました!!」
「失礼だな」
「ラグある!!」
「そこ?」
「あとカーテン!!」
その瞬間。
ルークが反応した。
「……分かりますか」
「はい!!」
「光が柔らかいです!!」
空気が変わる。
「え」
たにしが引いた。
「まさか分かり合うの?」
「この花柄も素晴らしいです!!」
「君、センスありますね」
「やめろ意気投合するな」
数秒前まで、
最悪の組み合わせだと思われていた。
◇
「スズちゃん何歳?」
のんちゃんが聞く。
「18です!!」
「若っ」
「若いねぇ」
ひーちゃが微笑む。
「たくろーさんは?」
「聞くな」
「え、なんでですか?」
「今この村、
年齢ネタ危険だから」
「???」
スズは分かってなかった。
その横。
れんかが真顔で言う。
「たくろー、年下好き」
「違うわ!たにしくんを見るような目で見るな!」
「すごい角度からのとばっちりなんだが!?」
「れんかお前最近キレ増してない!?」
のんちゃんは、
もう笑いすぎて机へ突っ伏していた。
◇
「そうだ!!」
スズが立ち上がる。
「村の中見たいです!!」
「観光かよ」
「ダメですか!?」
「いや別にいいけど」
「やったぁ!!」
勢いがすごい。
その時。
ズルッ。
「うおっ」
スズが滑った。
そして。
そのまま、
たくろーへ突撃。
「わっ!!」
「うお!?」
ドサッ。
沈黙。
「……」
「……」
スズが、
たくろーへ抱きつく形になっていた。
「……おぉ」
一同感心。
「ラブコメだ」
「テンプレだ」
「食パンくわえてて欲しかった」
「黙れ!」
たくろーが即叫ぶ。
スズは真っ赤だった。
「す、すみません!!」
「かわゆ」
のんちゃんがニヤニヤする。
その横で。
「堕ちたかも」
れんかが真顔で呟いた。
「堕ちてねぇわ!!」
ルノア村は、
今日も平和だった。




