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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
とりま生きる

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 第3話 ダチョウ倶楽部ノリくらいやれよ

一章 

 第3話 ダチョウ倶楽部ノリくらいやれよ


【チュートリアルを開始します】


 青白い文字が、

石碑の上に浮かび続けている。


 全員、無言。


「……なぁ」


 たにしが顔をしかめる。


「これ、無視したらどうなる?」


「スキップ出来ない系のチュートリアル強制タイプだった気がする」


 のんちゃんが即答した。


「最悪じゃねぇか」


「このゲームそういうとこある」


 たくろー面倒そうに言う。


 すると石碑が再び光る。


【村長へ会いに行ってください】


「うわ出た」


「あったなこういう導線」


「“まずは村長に挨拶しよう!”みたいなやつ」


「懐かしいー」


「いや懐かしんでる場合か」


 たにしはため息をつきながら立ち上がった。


 ◇


 村の中央。


 小さな木造の家。


 入口には、

《村長の家》と書かれた看板。


「そのまんまだな」


「ゲームだからね」


 のんちゃんが扉を開ける。


「すみませーん」


「お邪魔しまー……す?」


 中にいた全員が固まった。


 椅子に座った老人が、

口を開けたまま寝ていた。


「…………」


「…………」


「…………」


 静寂。


 そして。


「ぐごぉぉぉぉ……」


 盛大ないびき。


「よし、帰ろう」


 たにしが踵を返す


 その瞬間。


「おじいちゃん!!」


 奥から少女が飛び出してきた。


 金色の髪。


 エプロン姿。


 慌てた勢いで床のバケツに足を引っかける。


「きゃっ!?」


 ガシャーン!!


「うおっ!?」


 水がぶちまけられた。


「いっっっったぁ……」


 少女は床に倒れたまま涙目になる。


「おードジっ子ソニアちゃんだ。転けっぷり含め、生で初めて生で見た」


 のんちゃんが苦笑い


「す、すみません……!」


 少女――ソニアは真っ赤になりながら頭を下げた。


「おじいちゃんがまた寝てて……!ここしか仕事ないのに!」


「NPCがそういう事言うな」


 たにしが呆れる。


 すると。


「ふぉ?」


 老人が目を覚ました。


「おぉ、客か」


「おはようさん」


「起きとったぞぃ」


「NPCが…まぁいいわ」


 老人はのそのそ立ち上がる。


「ワシはルノア村村長、ジージじゃ」


「ここでも名前ジージなんだな」


「親しみやすいじゃろ?」


「いいから話進めてくれ」


 たくろーが吹き出した。


 ジージはそんなこと気にもせず、

全員を見回す。


「ほっほっほ。旅人か」


「雑な仕事モードの入り方だな」


「ふむ」


 ジージは頷くと、

急に真顔になった。


「では村長やってくれんか?」


「軽っ!?」


 全員の声が揃った。


「いやまぁそういうイベなんだけどさ、端折りすぎだろ」


 たにしが頭を抱える。


「一応、初対面だぞ!?」


「ワシもう腰痛くてのぉ」


「テンプレな設定で押し切るか」


「あと畑も見んといかんし」


「今までやってたかがまず疑問なやる気のなさだけどな」


 すると、

石碑の文字が全員の視界に浮かんだ。


【イベント:次期村長を決定してください】


「うわぁ……」


 たにしは嫌そうな顔をする。


「強制にも程がある」


「誰するー?たにしさんでいいか」


 のんちゃんが軽く言った。


「早ぇよ!?」


「ゲームでもやってたじゃん」


「押し付けられてただけだわ!」


「たにしくん向いてるやん」


 たくろーが興味なさそうに言う


「絶対お前のが向いてるわ!」


「あっくんもなんか言え!」


「……たにぃでいいと思う」


「裏切ったな若者!」



 ひーちゃが寝てるこはるを抱っこしながら小声で言う。


「まぁたにしさんが一番歳上だし……」


「ひーちゃまで!?」


 れんかは興味なさそうに呟いた。


「もうたにしでいいじゃん」


「お前はまず、さんをつけろ!歳上を敬え!のんちゃん!躾に問題あるぞ!」


「しらんし」


 その時だった。


 ソニアが、

おずおずと前に出る。


「あの……」


 全員が見る。


 ソニアは胸の前で手を握りながら、

小さく頭を下げた。


「ルノア、最近ずっと人がいなくて……」


 声が震えていた。


「だから、その……なくなっちゃうの、嫌なんです」


 空気が静まる。


 たにしは頭を掻いた。


「……あーもう」


 深いため息。


「めんどくせぇなぁ…つか、せめて俺が!俺が!どーぞ!どーぞ!なノリやろうや」


 瞬間。


【村長権限を取得しました】


 青白い文字が浮かぶ。


「うわ、ほんとになった」


「おめでとう村長」


「昇進だねぇ」


「まぁやるしかないわな…」


 たにしがうなだれる


 その横で。


 ジージは満足そうに笑っていた。


「よかったのぉ。これでワシ昼寝できるわい」


「やっぱそれ目的じゃねぇか!!」


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