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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして暮らす

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 第24話 東へ!(ちょっとだけよ)

二章


 第24話 東へ!(ちょっとだけよ)


「……思ったより森深いな」


 東の森。


 たにしは周囲を見回した。


 西側と違う。


 木が高い。


 湿気が強い。


 あと妙に静かだった。


「東はレベル高いからねぇ」


 のんちゃんが先頭を歩く。


 弓は既に手に持っていた。


「たにしくん、今何レベ?」


「5」


「低っ」


「うるせぇ!」


 れんかが淡々と続ける。


「私16。ママ19」


たにしがたくろーを見る。


「たくろーは?」


「17」


「私はえっと…13だね」


「……俺いる?」


「釣り竿係」


「役割あったわ」


 たにしは少し嬉しそうだった。


「あと借金」


「現実を追撃するな」


 ◇


 森を進む。


 途中。


 ウルフ型魔獣。


 巨大カエル。


 牙イノシシ。


 色々出た。


 だが。


「ファイア」


 ボッ。


「ギャウッ!?」


「はい次」


 れんか。


「そこ」


 ヒュン。


 ドスッ。


「ギュエッ」


 のんちゃん。


「……強くね?」


 たにしが真顔になる。


「最近だいぶ慣れたし」


「東ソロしてたからねママ」


「怖ぇ」


 その時。


 ガサァッ!!


「っ!」


 茂みから巨大な影。


 熊。


 いや。


 熊っぽい何か。


 頭上表示。


【牙砕きグリズ】


「うおデカっ!?」


 たにしが後退る。


 だが。


 グリズは一直線に、

たにしへ突っ込んだ。


「なんで俺!?」


「レベル低いのから狙う系?」


「そんなゲームみたいな仕様ある!?あ、これ半分ゲームだわ!」


 ドゴォッ!!


「うおぁっ!!」


 吹っ飛ぶ。


「たにしくん!」


 たくろーが前へ出た。


 ガギィン!!


 盾と爪がぶつかる。


「重っ……!」


「おぉ、ちゃんとタンクしてる」


「感心してる場合!?」


 その横。


 のんちゃんが木へ飛び乗った。


「れんか!」


「ん」


 ボッ!!


 火球。


 だが。


 グリズは避けた。


「速っ」


「中型は普通に賢い!」


 のんちゃんが叫ぶ。


 次の瞬間。


 グリズが木を蹴った。


「え」


 バキィ!!


「うわっ!?」


 のんちゃんが落ちる。


「ママ!」


 れんかが焦る。


 そこへ。


 グリズが突進。


「っ!」


 間に入ったのは、

ひーちゃだった。


「プロテクト!」


 淡い光。


 直後。


 ドゴォッ!!


「きゃっ……!」


「ひーちゃ!?」


 吹き飛ぶ。


 HPが一気に削れる。


「うわ減った!」


「大丈夫……まだ平気……!」


 でも顔は青い。


「回復!回復!」


 たにしが叫ぶ。


「お前もなんかしろ!」


「俺前出たら死ぬ!」


「否定できねぇ!」


 ◇


「っ……!」


 たくろーが歯を食いしばる。


 重い。


 このグリズ、

今までの敵と違った。


 HPが高い。


 動きも速い。


 しかも。


「硬ぇ!」


 剣が通りづらい。


「東危険区域なだけあるな……!」


 その時。


 グリズが、

再びたにしへ向く。


「なんで俺狙うんだよぉ!?」


「弱そうだからじゃ?」


「やめろ現実的分析!」


 逃げる。


 追われる。


 完全にヘイト役だった。


「たにしくん走れ!」


「走ってるわ!」


 ドゴォ!!


 木が砕ける。


「うわ怖ぇぇぇ!!」


 だが。


 その瞬間。


 たにしの背中の釣り竿が、

淡く光った。


「……ん?」


【水棲・大型種 特攻補正 起動】


「は?」


 たにしが止まる。


 グリズも止まる。


「……水棲?」


 次の瞬間。


 グリズの身体から、

水色のエフェクト。


「あ」


 のんちゃんが察した。


「こいつ川ボス系だ」


「こいつ、この見た目と名前で川ボスなん!?詐欺じゃん!?」


「知らんけど多分そう!」


 その時。


 たにしの脳内に、

ベルクの営業スマイルが浮かぶ。


『良い品ですよ』


「……あの商人、

絶対分かって売ったな?」


 だが。


 今はそれどころじゃない。


 グリズが再び突っ込む。


「うおおおっ!?」


 咄嗟に、

たにしは釣り竿を振った。


 ビシィッ!!


「ギャアアッ!?」


 空気が止まる。


「……え?」


 グリズのHPが、

目に見えて減った。


「強っ!?」


「釣り竿で!?」


「武器なのそれ!?」


 たにしも混乱していた。


「え、なにこれ」


【大型水棲系へ追加ダメージ】


「釣り人つよ」


 れんかが真顔になる。


 その瞬間。


 たにしの顔が変わった。


「……なるほど?」


「うわ嫌な顔した」


「たにしくんそれダメな時の顔」


 だがもう遅い。


「行くぞぉぉぉ!!」


 ビシィッ!!


「ギャオッ!?」


「戦い方が完全に漁師!」


「釣る気か!?」


 たにしが暴れ回る。


 その隙に。


「撃つ!」


 ヒュン!!


 のんちゃんの矢。


「ファイア!」


 ボッ!!


 れんかの火球。


「ブースト!」


ひーちゃがたくろーにバフをかける。


「今!」


 たくろーの剣が、

グリズの脚を切り裂く。


 そして。


 最後。


「うおぉぉぉぉ!!」


 バチィィン!!


 釣り竿が、

グリズの頭へ直撃した。


 沈黙。


 次の瞬間。


 グリズの身体が、

光へ変わる。


【牙砕きグリズを討伐しました】


【東ルート脅威レベル低下】


【中央街道側 川エリア解放】


「……」


「……」


「……勝った?」


 ひーちゃが呟く。


 たにしは、

肩で息をしながら。


 釣り竿を見た。


「……これ」


「うん」


「思ったより夢あるな」


「借金正当化し始めた」


 れんかが真顔で言った。


 その奥。


 木々の隙間から。


 陽の光を反射する、

大きな川が見えていた。

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