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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
とりま生きる

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 第13話 家具がない

一章

 第13話 家具がない


「……で」


 たにしが新しい村長宅を見回した。


「家具がない」


 広いリビング。


 綺麗な床。


 大きな窓。


 立派な階段。


 だが。


「虚無だな」


 たくろーが真顔で言った。


「めちゃくちゃ空間あるのに何もない」


「逆に落ち着かん」


 のんちゃんが床へ座る。


「ソファほしいー」


「ベッドー」


 あいりも転がる。


 その横で、

こはるが声を上げた。


「ひろーい!」


 テンションだけは高かった。


「いやまぁ、器だけだからな」


 たにしは腕を組む。


「家具は各自で揃えるしかない」


「村ポイントで出せないの?」


 れんかが聞く。


 たにしはUIを確認する。


【家具セット:未解放】


「ないな」


「不便」


「そこまで万能じゃないって事だろ」


 その時。


 あっくんが壁を見て呟いた。


「……棚ほしい」


「分かる」


「食材置き場いる」


「キッチン占領勢だ」


 たくろーも頷く。


「作業机も欲しいな」


「あと書類棚」


「お前もう完全に事務所作る気じゃん」


「快適な仕事環境大事」


「社畜がよぉ」


 その時だった。


「描いていい?」


 あいりだった。


「ん?」


「壁」


「待て」


 たにしが即反応する。


「新築だぞ?」


「えー」


「落書き禁止!」


「芸術なのに」


「芸術家気取り始まった」


 だが。


 その横で、

のんちゃんが笑った。


「まぁ子ども部屋くらいならよくない?」


「甘っ」


「どうせそのうち傷つくって」


「現実的な母親だな……」


 その時。


 コンコン。


「んー?」


 ベルクだった。


「おや、増築終わったんですね」


「早くね?」


「村の噂は広まりますので」


「情報網どうなってんのこの辺」


 ベルクは家を見上げ、

感心したように頷く。


「これは立派だ」


「まぁな」


 ちょっと誇らしげなたにし。


 だが次の瞬間。


「ただ」


「ん?」


「家具ないですね」


「言うな」


 ベルクは苦笑した。


「でしたら今度、家具職人を紹介しましょうか?」


 空気が止まる。


「家具職人?」


「えぇ。この辺を回ってる職人NPCがいます」


「NPCかぁ。サブ職が家具職人なやつ居なかったよな?」


たにしは、周りに尋ねる。


「機能性さえちゃんとしてればデザインなぞなんでもいい」


「戦闘に関係ないもの作るとか無理。並べるとかめんどくさい」


「なんなら戦闘もめんどくさい」


うん、お前らはそんなやつらだ


「私は好きだし拘りあるけど、薬学優先しちゃったねー。こはるすぐ熱出すし」


「僕も好きだけど、料理には勝てない。家具は食べられない」


ですよね。


「むしろ、たにしさんが一番こういうの好きじゃん。サブ職変更しなよ」


「だが断る!」


「色んな意味でクズ職なのに…」


呆れ顔ののんちゃん。


「しばくぞ!こんなロマン職ないだろうが!」


「たにしさんのサブ職って“ギャンブラー”よね。そもそもあれって職業なの?」


ひーちゃが、天然に刺す。


「それは!なんともいい難い!ただ、ドロップ爆増とかあるんだ!利益と、何よりも夢がある!」


「ドロップ無し。も多いじゃん…ダメな大人思考すぎる」


「れんかぁぁぁ!くそぉぉ!なんもいえねぇ!お前はこうなるよぉ!」


「なるわけない」


「まぁギャンブラーな村長の村に住もうって俺等もだいぶギャンブラーだけどな。明日には村ないかも知れん。」


「ありそうな怖い事言うなよ!」


「たにぃの村は突発イベント多い。楽しい」


「ギリだが庇ってくれてる感!あっくんだけが俺の味方!」


「それはちょっと」


「おいー!」


「まぁ家具は一旦、最低限のものはNPCの空き家から持ってこよう。NPC職人含め、徐々に揃えて行こう」


たくろーが冷静に話を締める。


「それだな!たくろーいい事言った!俺には異世界に魔獣競争場を作ってヒャッハー!な

夢がある!そのためにもギャンブラーで居なくちゃならんのだ!」


「人として終わってるな」


「ブレなすぎておもろ」


「うんこ」


「うんこ!」


「うんこ!うんこー!」


「れんか、幼女に悪影響及ぼすな。何より俺が死にそうに苦しい」


 その時。


 こはるが窓の外を指差した。


「あ!」


「ん?」


 全員が外を見る。


 そこには。


 白い小さな生き物がいた。


 丸っこい。


 ふわふわ。


 犬っぽいが、

耳が妙に長い。


「……なんだあれ」


「魔獣?」


 たくろーが警戒する。


 こはるとあいりがドアを開けて飛び出す。


「ちょ!待ちなさい!ダメ!」


 慌てて追いかける大人たち。


モコモコがこはるへと一直線に。


「危ないっ!」


 ぴょーん。


 こはるへ飛びつく。


「うおっ!?」


 だが、

攻撃ではなかった。


 顔をぺろぺろ舐め始める。


「なついてる……?」


 ひーちゃが目を丸くする。


 こはるは嬉しそうに笑った。


「いぬー!」


「いや多分犬ではない」


 れんかが冷静に言う。


 すると。


【友好可能な魔獣を発見しました】


 青白い文字が浮かぶ。


「うわ出た」


「なんか始まった」


「こいつら走らせて、競争場を…」


「ゴミ」


「クズ」


「うんこ」

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