第91話 一回戦 第三試合 たにし たくろー ひーちゃ
第四章
第91話 一回戦 第三試合 たにし たくろー ひーちゃ
第二試合終了。
ルノアベンチ。
のんちゃんとれんかが戻ってくる。
歓声はまだ続いていた。
「おつかれ」
たくろーが声を掛ける。
「うん」
のんちゃん。
「おつかれ」
たにしも言う。
「うん」
れんか。
数秒。
そして。
「帰っていい?」
真顔だった。
「すぐ終わるから待ってろ」
たくろー即答。
れんかは小さく俯いた。
もう何も言わなかった。
◇
場内へ鐘の音が響く。
ゴォォォォン!!
歓声。
拍手。
そして。
司会が立ち上がる。
「いよいよ!!」
歓声。
「団体戦第一回戦!!」
歓声。
「最終試合!!」
さらに歓声。
「三対三!!」
会場が沸いた。
◇
「現在一勝一敗!!」
司会が叫ぶ。
「この試合で勝者が決まります!!」
大歓声。
観客席も盛り上がっていた。
個人戦とは違う。
団体戦の醍醐味。
チームの総力戦だった。
◇
ルノアベンチ。
「じゃあ行くか」
たにしが立ち上がる。
「はいよ」
たくろーも続く。
「はーい」
ひーちゃも微笑んだ。
三人とも。
特に緊張した様子はない。
いつも通りだった。
◇
「ルノアチーム代表!!」
司会が叫ぶ。
歓声。
ざわっ。
「たにし!!」
歓声。
拍手。
口笛。
たにしが軽く手を上げる。
観客席からさらに歓声。
◇
歓声。
「たくろー!!」
さらに歓声。
たくろーは面倒そうに手を振った。
◇
「紫白の魔女!!」
歓声。
「ひーちゃ!!」
女性客からの歓声も聞こえる。
ひーちゃは、にこにこと手を振った。
「あらあらまぁまぁ」
なぜかそれだけで歓声が大きくなる。
◇
三人は中央舞台へ向かう。
大歓声。
拍手。
若頭達も当然騒いでいた。
「おやっさぁぁぁぁん!!」
「たくろーの兄貴ぃぃぃぃ!!」
「ひーちゃ姐さぁぁぁぁん!!」
うるさい。
◇
「応援がすごいねぇ」
ひーちゃが苦笑する。
「色々話題らしいしなぁ」
たにしも苦笑する。
「まぁさっさと終わらそう」
たくろー。
短いやり取り。
それだけだった。
◇
司会が再び声を張り上げる。
「対するは――!!」
傭兵混成チーム代表!!
会場が再び沸き上がった。
◇
「趣味で傭兵をやっている男!!」
歓声。
「ハゲマント!!キソタマ!!」
大歓声。
入場口から一人の男が現れる。
マント。
無表情。
そして。
ハゲ。
ツルツルだった。
「名前があぶねぇよ」
たにしがつっこむ。
◇
「続いて!!」
司会が叫ぶ。
「神仙流を極めし一人!!」
歓声。
「素数!!」
さらに歓声。
小柄。
筋肉質。
そして。
ハゲ。
ツルツルだった。
「あ、そっち出てくんの?ツンツン頭の方じゃなくて?」
「名前、クソソソとかじゃないんだな」
◇
「そして最後!!」
会場の期待が高まる。
「未来から来た万能ロボット!!」
歓声。
「ドザエモン!!」
大歓声。
丸い体型。
青い服。
丸い鼻。
そして。
ハゲ?
ツルツルだった。
「名前、もう死んでんじゃねぇか」
「ハゲ3だな。ハゲボックスか」
「青いのはハゲとはちがうんじゃぁ?」
試合開始前から疲れる。
◇
ルノアベンチ。
のんちゃん。
「……」
れんか。
「……」
反応しなかった。
もう心が死んでいた。
◇
「なんで最後だけハゲで統一したんだ?」
たにしが聞く。
「知らん」
たくろーが即答した。
「青いのもハゲなんだぁ」
ひーちゃがどうでもいいことに感心する。
◇
レフェリーが中央へ立つ。
たにし。
たくろー。
ひーちゃ。
そして。
キソタマ。
素数。
ドザエモン。
向かい合う。
「それでは!!」
歓声。
「第三試合!!」
歓声。
「始めぇぇぇぇ!!」
◇
静かになる。
数秒。
誰も動かない。
すると。
キソタマが一歩前へ出た。
「俺は趣味で傭兵をやっている」
「だろうな」
たにしが答える。
キソタマ無言。
そして。
拳を握る。
「必殺」
静かになる。
観客席も少し期待する。
「本気パンチ」
会場。
息を呑む。
「おい」
たにし。
「隠す気なくなったな」
たくろー。
キソタマ。
拳を振りかぶる。
「ふんっ」
軽く振る。
たくろー避ける。
「終わり?」
たにし。
「終わりだな」
満足そうに頷くキンタソ。
「ワンパンしか出来ないもんな」
ハゲ1のターン終了。
その横。
素数が前へ出る。
「オッス!!オラ素数!!いっちょ割ってみっか?」
構える。
「素数は割れねぇよ」
「それベンチのツンツン頭のセリフだろぉが」
「クソソソのことかああああああああ!!」
「あ?あっちがクソソソなんだ」
たくろーとたにしに疲労の色が見える。
ひーちゃはこはるに手を振ってる。興味なさすぎ。
「いくぞぉ!キィエエエエエエエエ!」
「キエェ斬!」
たにし避ける。
「くっ!やるな!」
素数は構え直す。
「じゃぁまず視界を奪ぅ!」
「たい…」
「お?太陽拳?生で見れる?」
「見るなよ、目やられるぞ」
ひーちゃはそもそも見てない。枝毛が気になってる。
「たい!」
「めい!」
「拳!」
叫ぶ。
素数は黒光りした。
「あ、そっち?茂出木の方ね?」
「これ以上、多方面をいじるなよ」
「なんか頑張ってるねぇ」
興味を持て。
「よし!ドザエモン!今だ!」
今なんだ。
ドザエモン。
前へ出る。
不敵に笑う。
「ぼーくーどーざーえーもーん!」
「水死体出てきたな」
ポケットへ手を入れる。
観客席がざわつく。
「秘密道具を出すんだな」
「たぶんな」
「何が出るかなぁ」
そこは興味あるんだ。
◇
ドザエモン。
勢いよく取り出した。
「どこまでもドアぁぁ!」
静かになる。
会場。
全体が。
静かになる。
「戦闘向きじゃないだろ?」
たにし。
「ないだろうな」
たくろー。
ひーちゃは、あいりと何か喋ってる。
◇
ドザエモン。
ドアノブを握る。
開ける。
中にはドア。
ドアノブを握る。
開ける。
ドア。
握る。
開ける。
ドア。
「開けても開けてもドア!」
「どこまでもドアー!」
静かになる。
レフェリー。
観客。
ルノア組。
全員。
思った。
「何を見せられてるんだ?」
たくろーが大きくため息を吐いた。
「そろそろ、こっちからもいっていいか?」
「よしこい!」
素数たちが構える。
「ひーちゃ」
たくろーがひーちゃに声をかける。
ひーちゃ、何やら、のんちゃんと話に夢中。
「ひーちゃ?一応試合中な?」
たにしの声にひーちゃ気づく。
「あ、ごめんなにぃ?」
「ちょっと光魔法ぶっ放してくれ」
たくろーが指示する。
「あ、はーい」
「それでねぇ…(白きものよ)…そうそう…(我が名のもとに)…だよねぇ…」
二重詠唱の要領で、のんちゃんとの談笑も続ける。
なにやらのんちゃん爆笑中。
盛り上がってる様で。
「(ホーリーブラスト)…おもしろーい!」
のんちゃんを見たまま魔法発動。
せめて前見ろ。
後、威力調整しろ。
素数達には当たらなかった。
ただ、舞台が3分の1ほど消し飛んだ。
「あらあらまぁまぁ」
「こっちのセリフだわ」
傭兵混合チーム降参。
ルノアチーム、準決勝進出。
作者がお笑い好きですいませんw
準決勝はちゃんと試合すると思います!!
多分w




