第90話 第一試合 2戦目 のんれんか母娘
第四章
第90話 第一試合 2戦目 のんれんか母娘
「それでは!」
レフェリーが声を張る。
「第二試合!」
歓声。
「二対二!!」
会場が沸く。
ルノアベンチ。
「負けられないからな」
たくろーが言う。
「はーい」
のんちゃんが立ち上がる。
その横。
れんかも立ち上がった。
二人は舞台へ向かう。
階段を上がりながら。
のんちゃんが小声で言った。
「うちらの相手、あの呪術使いそうなコンビよねぇ?」
「うん」
れんかが頷く。
「ママ、あのくたびれリーマンの声優さん好きよね」
「うん♡」
即答だった。
「生で声聴けるかなぁ♡耳元で好きにしてくれって言わせちゃおうかなぁ♡」
「楽しみぃ♡」
妙に機嫌がいい。歪んでるが。
その横。
れんかも珍しく機嫌が良かった。
「れんかもあの僕最強好きよね?」
「うん」
頷く。
「目の保養楽しみ。あの美形の苦悶の表情は中々見れない」
いつになく素直だった。歪んでるが。
珍しく、二人のやる気テンションがMAXだった。
歪んでるが。
◇
二人が舞台へ上がる。
歓声。
拍手。
若頭達も当然騒いでいた。
「のんの姐さぁぁぁぁぁん!!」
「れんかお嬢ぉぉぉぉ!!」
ご機嫌なのんちゃんが手を振る。
山賊達逆にビビる。
◇
「対するは!!」
司会が叫ぶ。
「傭兵混成チーム代表!!」
大歓声。
「沙悟浄悟!!」
歓声。
「「……」」
歓声の中、二人は数秒考える。
「苗字と名前で同じ字使う?」
れんか。
「サゴジョウサトル?急な西遊記感」
のんちゃん。
「てっぺんハゲてるかも?」
「ママやめてお願い」
二人のテンションライフ90パーセント。
◇
「そして!!」
司会が続ける。
「ピクミン!!」
歓声。
「「……」」
「引っこ抜いていいの?」
れんか。
「ハチミンくらいなら我慢出来たのに…」
のんちゃん。
二人のテンションライフ80パーセント。
まだだ!まだ希望は捨てない!
◇
そして。
二人が舞台へ上がる。
白髪。
目隠し。
長身。
ここまでは良かった。
本当に。
ここまでは。
その隣。
後ろに流した金髪
スーツのネクタイを緩める仕草。
鉈。
完璧だった。
見た目だけなら。
◇
沙悟浄悟が歩いてくる。
ガニ股だった。
やたら。
ガニ股だった。
「……」
「……」
二人のテンションライフ70パーセント。
◇
続いて。
ピクミン。
内股だった。
やたら。
内股だった。
「……」
「……」
二人のテンションライフ60パーセント。
まだだ。
まだ希望はある。
綺麗な蒼い六眼をみるまでは。
あの気だるい声を聞くまでは。
◇
レフェリーが中央へ立つ。
「それでは!」
「第二試合!」
「始め!!」
歓声。
試合開始。
◇
沙悟浄悟が指を キュンです にして言う。
「オラ最強だっぺ!!」
静かになる。
会場。
のんちゃん。
れんか。
全員。
少しだけ静かになる。
「……」
「……」
二人のテンションライフ30パーセント。
◇
「今日は絶好調だっぺ!!」
レフリーに向かって叫ぶ。
「はぁ…」
だから?な顔のレフリー。
「……」
「……」
「オメェら強そうだっぺ!!」
レフリーに向かって言う。
「見えてないんだ」
れんかが憐れんだ目で見る。
「こっちだよぉ」
のんちゃんが教える。
「あっ」
沙悟浄悟。
目隠しを少し持ち上げる。
シジミみたいな目。
「いたっぺ」
再び目隠しを下ろす。
「……」
「……」
六眼の夢やぶれる。
れんか、力尽きる。
◇
その横。
ピクミンが優雅に一礼する。
最後の希望だった。
「今日わぁ同伴の予定があるんでぇ♡」
くねっ。
「あ、ツダケンの声でそれはダメだと思う」
れんかがのんちゃんの顔を伺う。
「……」
瞳孔が開きかけてた。
「残業なしでよろしくお願いするわぁ〜♡」
くねっ。
「素敵なお嬢さん達ぃ〜♡」
くねっ。
「仲良くしましょうねぇ〜♡」
くねっ。
「もうやめてあげて。ママのライフは0よ」
バチコーンっとウインクするピクミン。
「……」
「……」
二人のテンションライフ0パーセント。
希望は死んだ。
「れんか…」
「うん」
過去最大の火力が二人から放たれた。
勝者 ルノアチーム。




