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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして進む

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 第89話 第一試合 一戦目 あっくん

第四章



 第89話 第一試合 一戦目 あっくん


午後。


白虎闘技場。


団体戦第一回戦。


ルノアチーム。


対。


傭兵混成チーム。


観客席は既に満席だった。


歓声。


拍手。


屋台の呼び込み。


祭りの熱気。


その全てが闘技場へ集まっている。



ルールは単純。


各チーム八名。


東西に分かれたベンチへ座る。


試合を行う者だけが中央の舞台へ上がる。


勝敗条件も明快だった。


相手の戦闘続行不能。


レフリーストップ。


リングアウト。


降参。


時間制限は無し。


一本勝負。


純粋な実力勝負だった。



東側ベンチ。


ルノアチーム。


あいりとこはるは足をぶらぶらさせていた。


「おぉー」


「ひろーい」


完全に観光気分だった。


その横。


たにし達は向かいのベンチを見る。


西側。


傭兵混成チーム。


改めて見る。


濃い。


とても濃い。


白髪目隠し。


麦わら帽子。


オレンジ色の道着トゲトゲの髪。


ツルツル頭マント。


他も表現しにくい面々。


「大丈夫かあいつら」


たにしが呟く。


「たぶん大丈夫じゃない」


たくろーが即答した。



鐘の音が響く。


ゴォォォォン!!


司会が立ち上がる。


「それでは!」


歓声。


「団体戦第一回戦!」


歓声。


「第一試合!」


さらに歓声。


「一対一!!」


会場が沸く。


「ルノアチーム代表!!」


司会が叫ぶ。


「あっくん!!」


歓声。


あっくんが立ち上がる。


そして。


舞台へ向かう。


「頑張れー!」


あいり。


「がんばれー!」


こはる。


あっくんは手を振った。


挿絵(By みてみん)



「対するは!」


司会が続ける。


「傭兵混成チーム代表!!」


巨大な男が立ち上がる。


観客席から歓声。


人気者らしい。


大きい。


とても大きい。


二メートルは超えてる。


龍のたてがみのような長い青髪。


筋肉。


筋肉。


さらに筋肉。


巨大な肉の塊みたいな男だった。


太い眉に頬に傷。


「トルコ料理をこよなく愛する美食傭兵!」


「トルコ!!」


歓声。


歓声。


歓声。


「トルコってお前…ギリギリアウトだろ」


たにしがつぶやく。


「描写の時点でだいぶアウトだろ。諦めろ」


たくろーが答える。



レフェリーが中央へ立つ。


あっくん。


トルコ。


向かい合う。


観客席が静まる。


「それでは!」


レフェリーが手を上げた。


「始め!!」


団体戦。


最初の戦いが。


幕を開けた。



静かになる会場。


トルコは目を閉じた。


そして。


両手を合わせる。


「この世の全てのトルコ料理に感謝をこめて」


静かに言う。


観客席も静かになる。


妙に厳かな空気だった。


「いただきます」



挿絵(By みてみん)



会場がざわつく。


「何が始まった?」


たにしが呟く。


「知らん」


たくろーが即答した。


舞台の上。


あっくんも首を傾げていた。


「?」


トルコはゆっくり目を開く。


そして。


あっくんを見る。


「皿に出たトルコ料理は絶対に残さねぇ」


力強く言った。


「あっくん」


名指しだった。


「お前がこしらえた料理なら尚更な」


静かになる。


「あっくん?」


あいりが聞く。


「知り合い?」


「知らない」


あっくんは即答した。


知らなかった。


本当に。


あっくんは少し考える。


そして。


聞いた。


「お腹空いてるの?」


「……ああ」


トルコが頷く。


「腹は減ってる」


「そっか」


あっくんも頷く。


そして。


何かを思い出した。


「あー」


突然だった。


くるりと振り返る。


そのまま。


舞台を降りる。


スタスタ歩く。


レフェリー。


固まる。


観客。


固まる。


ルノア組。


慣れていた。


「何してんの?」


たにしが聞く。


聞こえてない様子で、あっくんは自分の荷物を漁る。


ごそごそ。


ごそごそ。


そして。


何かを取り出した。


再び舞台へ上がる。


手には包み。


「あげる」


トルコへ差し出した。


トルコが受け取る。


開く。


肉。


野菜。


香辛料。


香ばしい匂い。


「ケバブ」


あっくんが言う。


「屋台で買ったやつ」


頷く。


「ちょっとアレンジした」


さらに頷く。


「食べてみて」


静かになる。


会場全体が。


レフェリーも。


司会も。


観客も。


誰一人状況についていけない。


トルコだけが。


真剣だった。


一口。


食べる。


もぐ。


もぐもぐ。


そして。


目を見開いた。


「う、うまい!!」


大声だった。


歓声より大きかった。


「だよね」


あっくんも頷く。


満足そうだった。


トルコがケバブを噛み締めながら言う。


「この勝負俺の負け…だ…」


黙って成り行きを見ていたレフリーが手をあげる。


「勝者!」


「トルコ!!」


「あっくん!リングアウト!!」


ですよね。


静かになる。


数秒。


固まっていた観客が我にかえる。


「何やってんだぁぁぁぁ!!」


「試合しろよ!!」


「おもしれえええええ!!」


笑いも巻き起こる。


たにしとたくろーはスンっとした顔で虚空を見つめている。


のんちゃんは息出来ないくらい笑ってる。


よくわからず、つられて笑う幼女二人。


「あらあらまぁまぁ」


ひーちゃも笑う。


「あっくん、いつハンマー使うんだろう」


れんかがつぶやく。


「あ」


あっくん。


今気付いた。


「負けた」


遅い。


トルコはケバブを食べながら頷く。


「いい勝負だった」


「よくねぇよ!!」


会場全体が突っ込んだ。




いつも読んでいただきありがとうございます!

記念すべき100ep目がこれでいいのか?って話になったけどw

どっかしらに怒られたらやめますww


コメントご指摘などあればお気軽に!

引き続き、生暖かい目で楽しんで頂ければと!

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