第一章『勿忘草』 十九節『試験本番~ミクリアと拳~』
十九節『試験本番~ミクリアと拳~』
ここだね。
予定通りの場所につき、予定通りのことをする。レナグが言ったとおりに。
地面に手刀で割れ目を入れる。みんなが、持たせてくれたナイフを使う機会、もうなさそうだね。そう思っていた最中—— バッ! と後ろを振り向く。
とてつもない、威圧感。
この人、あんなに小さな体して、(僕と同じぐらいだけれど)威圧感が、山並み。すごい。
そこにいたのは、薄雪イカリさん。
「はてさて、ほかの皆様方はどこに行かれたのかな?」
「……」
「そんなに怖がられると吾輩も悲しくなりますの」
「——しかし、しゃべるのはお嫌いですかな? おしゃべりを愛する吾輩としては先ほどの光景についてお話したいですじゃ」
見られてた。途端に、心臓の鼓動が早くなった。今まで、ずっと落ち着いていたのにな。
「白亜からは魔法の才能が豊かだが、風に飛ばされた落ち葉に触れただけで肌が切れるほど体は弱い。と聞き及んでいたのですがの。先ほどの手刀を見るにその可能性は低そうですな」
「……」
僕の心が乱される。それに反応して、木々がざわめく。
「言わないで」
「ほ? そのような素晴らしい技術と才能を持ち合わせていながら、何を恥ずかしがることがあるのですかな?」
「……」
——————から。
「……これはこれは、無粋なことを言ってしまったようですな。失礼仕りましたの」
わかった、のかな。
「おしゃべりは今日の目的ではありませんからな。ワートの方もそろそろ頃合いでしょう」
こくりとうなずく。
左手を前に。右手を胸の前で、軽く握る。地に足をつけて、力を抜いて……。そして、相手を睨んで。
こんにちは、こんばんは。しらすおろしぽんずです。
ご一読ありがとうございます。それぞれの武器紹介パートでしたがいかがだったでしょうか? 個人的にはみんないい感じに武器種が分かれたので、バランスのいいチームになったと思います。あとミクリアについても少し、と言うかかなり気になりますね。
アイデアばっかり優先してなかなかプロット通りに進まないのですが、これからも応援していただけると嬉しいです。
では、また。
PS
これにて四日間の連続投稿終了です。次の投稿はいつも通り水曜日の予定です。




