7話 〜萌え燃えキュン(爆発音)〜
なんか、休みの日こそ活動したいのにできないってあるよね。
曲のイメージが2曲ほど固まりつつあるのに全然書けないんだ。
なんで……平日は忙しいことばっかなんだ……
私はまた、空を飛んでいる。
前よりはゆっくりと。
でも、丁寧に。
カタパルトから発射される時、流石に2回目だからスムーズに飛行に移行できたけど、それからが大変だった。
やれ、回転してみろとか、急加速してどれほどのGに耐えられそうかとか。
スーツのテストも兼ねていたみたい。
確か試作型とか言ってたもんね。
「次は……
何をするんですか……!」
そんな飛行訓練が始まって1時間。
正直、疲れが溜まってきた。
なんか背中についてるロケットとか、足の裏につけられたスラスターとか。
そういうのの加速する圧でもう全身が痛かった。
……スラスターって、このちっちゃい噴射口のことであってるよね?
艦長に言われたからノリでそう呼んでるけど。
「そろそろ、休憩に入ってください。」
艦のオペレーターさんがそういうのが聞こえてきた。
ので、私は甲板に着地する。
着地自体は発射されて一番最初に訓練したので、スムーズに出来るようになった。
……これ、"カタパルトから飛ばす必要あった?"って思ってたけど、普段からGとかなにかに耐えれるようにしとかないとなのかも。
「よっ、嬢ちゃん。
これでも飲みな。」
「あっ、ありがとうございます。」
ダグラスさんがボトルを手渡してくれた。
これは水……かな?
てか──
「今って小隊の方で訓練してたんじゃないんですか?」
「んぁ……?
あぁ……それはな……」
ダグラスさんはボトルを口から外す。
逆に、蓋を持ってる方の手を口元にくっつける。
そしてちょっと思案して──
「まぁ、ちょっとした15分休みってとこだ。
あんまり気にしなくていいぞ。」
……すごく、気を使わせちゃった気がする。
他に話題は……
あっ?
「これ、何が入ってるんです?」
持っていたボトルを口につけた瞬間、少し甘い匂いがした。
紅茶とも違う甘さ。
まるで、ジュースのように砂糖のたくさん入ったような匂い。
なのに、何かが違う。
「何って。
普通に甘酒だが……」
「はい、甘酒ですね。
甘酒!?」
ふっつうにアルコール飲料じゃないそれ!?
私まだ15──だし!!
「私未成年ですよ!?」
「ん……?
もしかして、嬢ちゃんの国は子供が酒飲んじゃ行けないとこか?」
……あっ、でも。
確かに遠くの国の人は親の見てるとこならお酒飲んでもいいって国もあるんだっけ?
「なぁに、大丈夫さ。
ちゃんとアルコールは飛ばしてる。
戦闘前に飲みすぎちゃって戦えないとか、笑えないしな!」
"とは言っても、甘酒のアルコール量なんて微々たる量だがな。"
と、そう付け足される。
私は一口、口に含んでみる。
「……甘い。」
……そういや、この艦に乗ってから、まともに甘いものを食べたり飲んだりした覚えがないな。
ジュースとかと比べたら薄い気がするけど、久しぶりに口にした甘味は十分な威力を持っていた。
「ダグラスさん、普段からこういうの飲んでるんですか?」
「あぁ……
量を積めないから、たまにな。」
「そんな貴重なものなんですか、これ!?」
私はボトルの中を除く。
もう、半分ぐらい飲んじゃってる。
「はっはっは!
嬢ちゃんは心配性だな。
量って言っても原材料は酒粕と水、あと砂糖塩ぐらいだから、そんなに心配するな。」
「そう……なんですね?」
酒粕って、どれぐらい使うのかな……
まぁ、水ならそこら辺にあるし?
そこまで困ら──ちゃんと塩とか取り除けばだけど……
「まぁ、俺はそろそろ戻るから。
嬢ちゃんはしっかり休むんだぞ。」
「……はい。」
考えてると、そんなことを言われる。
私としては、もう全回復って感じなんだけど。
「じゃあな。」
そう言って、ダグラスさんは離れていく。
私はその背中をじっと見つめていた。
……後で、ボトル返さないとなぁ。
なんて思いながら。
その後、私は訓練に戻った。
今度は旋回する練習とのことで、私はまた──
「本当にこの速度であってるんですかぁ!?」
「はい、そのままの速度で飛んでください。」
無茶振りを、強いられていた。
とりあえず、Gに耐える訓練からだって言われたけど。
Gがどれくらいのものかの実感なんてない。
正直言うと……
「鳥が─鳥が怖いです!」
「大丈夫です、落ち着いてください。」
目の前の鳥が、騒がしく飛んでいるのが。
私の方角に飛んでくる鳥の方が、Gなんかよりも怖かった。
「でも──」
違和感がある。
なんで、目の前の鳥は……
─慌ててるんだろう──
ぼーっとしてる間に、カモメが"ギャッ"と鳴いた。
同時に、けたたましい音が、アラームが。
耳から──
いや、ヘルメットからした。
私は慌てて速度を落とす。
「敵襲!
各員、持ち場につけ!」
そんな声が、私の周りで流れていった。
私はなんとかしてそれを理解しようとした。
理解する前に。
「いやな、予感がする。」
そう呟いた。
その瞬間、"ダァンッ"という鈍い音がその場に響いた。
鮮明なのに、嫌な音が響いた。
「うあ゛ッ!?」
私は思わず、右腕を押さえる。
それを見ると、装甲が抉れているのがわかる。
私の皮膚も、少し。
"〜レタ〜……──"
粗雑な電子音が、その場に留まる。
前を見ると、鳥たちが四方に散っていく。
その中から、黒い鳥と人が姿を現した。
この前と、同じ──
「危なっ!?」
敵が銃口を構えていたので、ほんの少し横に移動した。
すると、弾丸が私のいた場所を通過していった。
「N106-6。
返答を──」
「オペレーターさん、接敵してます!
銃ないので戦えません!」
私は必死に叫ぶ。
そんな大声を出す必要もないのに。
ただ、そんな中でも敵は撃ってくるので、艦の周りを回るように飛びながら。
「カタパルトから武器を射出します。
それをキャッチしてください。」
「えっ、私がいうのもあれですが無茶苦茶じゃ──ってもう切られてる!?」
"ダンッ、ダンッ"と水面に波が立つ。
弾丸は少しずつ、私を捉えてきてる。
それだけ、わかった。
「あぁ、もう!
やってやる、もう!!」
私は艦の前方に向けてブースターを吹かす。
敵が私をロックオンするより早く。
黒い鳥たちよりも速く。
カタパルトの扉の奥に、赤の差し色の入った黒を視認する。
その瞬間。
「射出します。」
そして、金属が擦れる音と共に、黒は私目掛けて飛んでくる。
目の前にそれが現れた時、私はそれを──
「よしっ!」
捕まえて──
「当たれぇぇ!!」
敵に向けて、ぶっ放した。




