12話 〜弱点〜
全然!原稿が!進まない!
まだ14話までしか書けてないんです……
「ENγ-31、"毒鵙"。
ネームドです!」
その言葉の意味を理解した瞬間、その機体が動き出した。
私は敵機にライフルを向ける。
標準をつけ、トリガーを引いた。
なのに──
「かわされた!?」
目の前の人型は私の弾をかわす。
多分、弾道を予測とか、そんなものだと思う。
なのに私には、見てから避けたように見えて──
「ゔぅぁ!?」
お腹にパンチを入れられる。
その勢いで思いっきりふっ飛ぶ。
ふっ飛ぶだけ。
ブースターで減速、姿勢制御をしようとしても、身体が言うことを聞かない。
「当たって!」
私がライフルを構えた瞬間。
敵が目の前に迫っていて──
「チェックメイト……だなぁ!!」
顔面に右腕の刃が。
手の甲から生えたそれが、ヘルメットを貫いた。
……動けない。
動かなきゃって、わかってるのに。
まだ、私は死んでいないのに。
「……流石に、無理か。」
「……コヒュ。」
息が上手く吸えない気がする。
目の前に刃が刺さっている。
バイザーのおかげで目元まで届かなかった、ってことだけがわかった。
「……チッ。
こんなヘタレがαかよ──」
「αって、何……ウグッ。」
バイザーに刺さった刃を掴んで、押し返そうとした。
なのに、それはびくともしない。
むしろ、手袋の方が破れそう。
そんな気がした。
「そりゃあ──なんだっけよ。
あれだ、人種みたいなものだろ確か。
……天国で科学者に聞くんだな、死人。」
「あっ、そうっ!」
私は全力で敵を蹴り飛ばす。
そのおかげでバイザーから刃が抜けた。
私は距離を取った。
全力で、ブースターを走らせて。
「こちらN106-6。
オペレーターさん!
何か、使える武器はないですか!?」
艦橋に連絡を繋げる。
多分、ライフルの残弾は殆どない。
なのに、リロードする余裕もない。
「ふっ、ざけるなよなぁ!
逃げるんじゃねぇよぉ!」
頭に強い衝撃が走る。
揺れる。
視界が、揺れる──
──ねぇ、お姉ちゃん。
たった今、戦っていたはず。
なのに、気がつけば知らない部屋にいる。
目の前には、前より少し成長した女の子がいた。
「全然眠れないや。」
少女は言った。
私の手には本が握られていて。
少女はベットに横たわっている。
灯は引き出しの上のライトだけ。
……私はここを知っていた。
ここは、妹の……
ノアの部屋。
「ねぇ、お姉ちゃん。」
「なぁに、ノア。」
妹の言葉に返事をする。
我ながら、こんな感じだったっけ、私。
「結局、戦争になっちゃったね。」
「……そうだね。」
……口が勝手に動く。
まるで、私の意思じゃないように。
そうじゃなかったように。
「じゃあ、お姉ちゃんは──」
少女は、口をつむいでしまう。
まるで、私の顔色を伺うように。
「どうしたの?
なんでも言ってね。
あっ、戦争の解決とかはできないからね!?」
「知ってるよ?
お姉ちゃん、お料理もできない不器用さんだもんね。」
……そうだね、不器用ですよ、私は。
というか、こんなキャラだったっけ。
私、本当に──
「ねぇ、お姉ちゃん。
……私がいなくなっちゃったら、お姉ちゃんはどうするの?」
少女は一呼吸おいて言った。
いなくなったら……
今の私の状況、そのものみたいな。
"探すよ、どこまでも"
今の私ならそう答えるのに。
どうしても口は開かない。
ノアがまた口を開く。
でも、その時───
目の前が真っ暗になった。
いや、違う。
私がこっちに帰ってきたんだ。
夢から、現実に。
「どれくらい気絶してたんだろう?」
私は今、海面で寝ている。
バイザーは砕け散り、暗視装置はもう効果をなくしてしまった。
それだけが、今わかること。
「スーツは……壊れてないか。
壊れてたらとっくに感電してる。」
私は海面で姿勢を直す。
なんとか起き上がって、足でバタ泳ぎする。
そして、スーツを起動し直した。
「……すごい。」
電磁フィールドが展開される。
その瞬間、周囲の水が消えて、電気が走った。
まるで、海の一部が割れたみたいに。
ブースターを起動する。
灼熱の炎が背中、足先から噴き出す。
そして、見えなくなった。
音だけが、そこには残った。
「じゃあ、行くよ。」
私自身に声をかける。
意味もなく、気合を入れるだけに。
震える手を抑えるために。
身体が浮かんでいく。
「オペレーターさん!
武器と予備のヘルメット、もらえませんか?」
私は連絡を試みる。
真夜中の闇の中、何もなしに敵を見つけるのは困難だか──
「またお前かよ。
死に損ないがぁ!」
「危なっ!?」
頭部への一撃を、間一髪で避ける。
月明かりで敵の輪郭だけがそこに見える。
攻撃されるまで、見えなかったけど。
「へぇ、今の避けるのか。
さっきの今で何があった?」
「そんなことより今の、銃なら殺せてたと思うけど。
もしかしてあなた、銃使えないの?」
「うるせぇ!!」
私は挑発した。
敵はまんまとそれに乗った。
……んで。
──ここから、どうしよ──
うん、ね。
武器は──
ギリギリ、スーツのカラビナのおかげで落ちなかった。
けど、敵に当たらないんじゃ、さっきの二の舞になるだけ。
「──こちら──
武器と──を送ります。」
通信がかかってきた。
けど、その大半は聞き取れなかった。
多分、スピーカーか何かがやられたんだと思う。
「了解。」
私はカタパルト前まで向かう。
敵を、引き連れて。
「射出します。」
その掛け声と共に、レールが擦れる音が響いた。
何かが、飛び出した音も。
私はそれに手を伸ばす。
ただ、なんとなくで受け取る。
そう、なんとなく。
「──れたっ!」
暗闇の中だけど、取れたことに安堵する。
と言っても敵が真後ろなんだけど。
えっと──
「なにこれ?」
片方はわかったよ。
暗視ゴーグル。
多分、ヘルメットを用意できなかったか飛ばせなかったんだと思う。
もう一つのものとぐるぐる巻きにされて飛ばされてきた。
問題はもう一つなんだよ。
えっと……まぁ、普通に見るなら。
バールのようなもの──だよね。
えっ、これでどうやって戦うの!?
とりあえず、ゴーグルをつける。
ヘルメットのカラフルな視界は消えて緑一辺倒になる。
でも、まだマシ。
「喰らえよ!」
刃が飛んでくる。
暗視ゴーグルのおかげでそれがはっきりと見える。
私はバールのようなもので受け止めた。
……バールでいいよね、うん。
「じゃあ、こっちのターンだっ、ね!」
相手を蹴り飛ばす。
のけぞって、一瞬動きが止まる。
私はブースターを吹かす。
そして、右手を振り上げて──
「ようやっとまともに動─がっ!?」
相手の右腕にバールを振り下げた。
どちらかというと、装甲のない関節部。
バールでも唯一戦える場所。
「手前、卑怯じゃねぇかぁ!?」
「どの口がっ!」
再び、敵に強打を与える。
毒鵙は、うめきをあげた。
まるで、痛みというものがあるかのように。
……本当にあったら、ごめんだけど。
「離れろっ!」
「う゛っ……」
腹部に蹴りを叩き込まれる。
私はそれをまともに喰らった。
敵は、その隙に離れていく。
「……日の出か。」
敵が呟いた。
私はその方向を横目に見つつ、敵を視線から離さない。
「はっ、まぁいい。
任務は遂行したからなぁ。
撃鳥隊、撤退だ!」
目の前の機体はブースターを吹かす。
急加速して、私から遠ざかろうとする。
私は慌てて狐火を構えたけど、もう姿を消していた。
「任務……」
私は下を見た。
そういえば、私の任務は敵の殲滅じゃなくて、艦の護衛──
「なんで……」
そこには、艦船がある。
穴が空いて、ボロボロになってしまった。
元の姿をとどめていないそれが、朝日に照らされてあった。
一応、これからネームドにはその名前に合った特性を持たせようかなって思ってます。
今回の毒鵙なら、はやにえのようなに敵を刺す攻撃。
流石に、海上で戦闘機を構造物に刺すなんて描写、できないですけど。
……えっ?
理科でなら?
……ね?




