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11-スキンシップって、なんだ……?

「いやあ、でもそんな副作用があったとはねえ。でも実際、その細い腕から男の筋力が出るのはおかしいし、自然なのかしら?」

 お袋と普段着の買い物を済ませ、家へ向かいながら話していた。

「常識はずれなのが親父の薬だからなあ……なんとも」

 そもそも薬で女体化するだけでおかしい。

「まあねえ」

 お袋は頬に手を当て考える。

「しっかし親父の野郎、次会ったらボコボコにしてやる」

 薬の研究にしろ女遊びにしろ自由人過ぎるんだよな、アイツは。

 だからこそ学会を追放されたわけだが。

「まあ、正座させて説教一時間コースよね」

 お袋も思うところはあるらしい。

「一時間じゃ短いけどな」

 最早二十四時間でもいい。

「ま、とりあえず撫子に事情を説明するところからかしらね。もう帰ってると思うし、自分の口で説明しなさい」

「おう」

 お袋が家の鍵を開け、俺たちは家に入った。

「二人ともお帰りなさい……って誰⁉ すごい美人! お兄ちゃんはどこ⁉」

 家のドアを開けてすぐ撫子が出迎えてくれた。そして驚いた顔でこっちを見た。

「親父の薬で女体化したお前の兄貴だよ」

「ええと……お兄ちゃんが……お姉ちゃんになった、ってこと?」

「まあ……そうだな、ははっ」

 撫子のお姉ちゃんと言う言葉に悲しみで思わず乾いた笑いが出てしまった。

「やったー! お姉ちゃんのおっぱいムニムニでフカフカー! これ、パッドとか入れてないんだよね⁉」

 驚いたことに撫子は喜んだ声で俺に抱き着き黒髪ロングの頭を胸に顔をうずめた。

「あ、ああ、素の胸だが……やったー、ってのは……?」

 まさか喜ばれるとは思ってもいなかった。

「これでいくらでもスキンシップできるじゃん! 今までは男女の差でできなかったこともできるんだから、私としては超嬉しいイベント!」

 胸から顔を上げて元気に撫子は言った。

「……そうか」

 撫子が喜ぶこと自体は嬉しいのだが、話題が話題だ。素直に喜べない。

「チキンステーキ、作っておいたから。温めて食べて! お姉ちゃん好きでしょ!」

 俺の胸から離れないまま撫子は言った。

 撫子の小さくはない胸が当たり、俺は若干の気まずさを覚えた。

「ありがとう、撫子。お前はやっぱり最高の妹だ……! だけどその、当たってるから少し離れてくれないか……?」

「当たってる? ああ、胸ね。スキンシップスキンシップ! 女同士なんだからこれくらい問題ないでしょ?」

「そういう問題じゃ……はぁ。ところで、修学旅行はどうだった?」

「楽しかったけど、後半はお姉ちゃん欠乏症でちょっと辛かったかなー」

「そ、そうか……」

 撫子は喧嘩ばかりしていた俺なんかをとても好きでいてくれている。のはいいのだが、少々度が過ぎる所がある。

「まあ、ご飯食べて! 二人ともお仕事だったんでしょ? お疲れ様!」

 俺の頬に軽いキスをして撫子は離れて行った。

「撫子ってあんなに積極的だったか……?」

 お袋に問うと、

「元々は我慢してたのが葵が女になった事でタガが外れたのかもねー」

 とお袋は言った。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「ご馳走様でした」

 しっかりと手を合わせて食事を終えた。撫子の作ってくれたチキンステーキはいつも通り甘辛いソースと丁寧な焼き方でとても美味しかった。

「さて、風呂入ってくるわ」

 洗面所へ行き、服を脱いで風呂場へ入る。流石にもうこのデカ乳も見慣れてきた。……下はあまり見ないようにした。

「ふう……」

 湯船に浸かって一息つく。この二日は目まぐるしかった。一人の時間は貴重だ。

 なんて思っているとドアがバッと開き、

「お姉ちゃん、一緒に入ろ!」

 と撫子が乱入してきた。

「ちょっ、おまっ! 俺は男だぞ⁉」

「今は女の子でしょ! スキンシップ!」

「お前、それ言えばなんでも許されると思ってないか⁉」

 俺は撫子の方をあまり見ないようにしつつ言った。

「へぇー。話に聞いたことはあったけど、お風呂に浸かるとおっぱいって本当に浮かぶんだね!」

 撫子は俺の胸をツンツン突っつく。

「やめろくすぐったい! もうお互いある程度の歳なんだから一緒に風呂はダメだ!」

「ヤだー! 一緒に入るー!」

 そう言って撫子は無理矢理浴槽に体を滑りこませた。

「あー狭い! 撫子、お前男相手にこんなことしちゃダメだ!」

 女とはいえ大人と高校生だ。家庭用の浴槽内はミチミチになっていた。

「今は女の子だからセーフ! それに、私はお姉ちゃんといっぱいくっつけて幸せだよ?」

 プニプニプニプニと俺の乳を突っつきながら撫子は言う。

 妹とはいえ、母親譲りの美貌とプロポーション。そこに来て胸をいじられると変な気分になってくる。

「あーっ、分かったよ! 洗いっこでもすれば気もすむか?」

 こうでも言わないと収まらなさそうだったので、仕方なく言った。

「え、いいの⁉ やったー! まずは私がお姉ちゃんを洗うね!」

 撫子は嬉しそうにあかすりにボディソープを染み込ませ、泡を立てた。

 背中を擦り、肩を擦り……次は胸を擦り始めた。

「んっ……」

 丁寧な手つきで胸を擦られて変な声が出た。

「あれあれー? お姉ちゃん、胸弱いのー?」

 撫子が嗜虐的な笑みで言った。コイツ、こんな性格だったか……?

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