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第一章 二千年の「無意味」
〇(回想)沈陽の家・書棚(夜・10年前) 埃をかぶった木箱から、10歳の沈陽が古びた巻物を取り出す。
沈陽「父さん、これ……なぁに?」
父・沈海(30代)「……隕石破壊拳だ」
沈陽「強いの?」
父「さあな。二千年間、一度も実戦で使われたことがない。……俺も途中で諦めた。『そんな無駄なものに人生を賭けるな』とな」
父は沈陽の華奢な肩に手を置く。切なげな目。
父「お前には武術の才能がない。何をやっても筋が悪い。……お前まで、こんな無駄なもので人生を棒に振るな」
沈陽「……誰も必要としてないのに、なんで二千年も残ってるの?」
父「……誰も捨てられなかったからだ。バカみたいにな」
沈陽は小さく不器用な手で、愛おしそうに巻物を抱きしめる。
(ナレーション:何をやっても無駄だと言われた僕。誰にも必要とされないと言われた拳。僕は、この拳が好きになった。)




