第八百七十三話
さーて、そんな感じで初戦は勝ちまくり。
政治問題は大きくなり大問題に。
これが足止め作戦だとしたら高度だ。
ちなみに更迭しようとしたレプシトール人の高官であるが、俺が怒るのわかっててわざと極論を言ったらしい。
「我が王は高潔である!」ってやりたかったんだって!
実際は人でなしおじさんが率先して家族捜ししてるんだそうで……。
君ら……腹芸やる前に信用がないの理解してほしいな。
あのね、クロノスの政治家は知ってる人だから成立したの。
君ら違うでしょ!
やめてよそういうの!
本当にさ!
俺本気でキレそうになったんだからさ!
さーて、連中が来たってことはこの辺に基地あるよねって話になる。
当然ですよね~。
空母まで沈めたからしばらく来られないだろう。
その間に基地探しをする。
はっはっは、俺たちに情報を与えたお前らが間抜けなのだよ!
と言っても、彼らはワーカー。
おそらく誘拐された奴隷だろう。
ただの使い捨ての駒だ。
基地を知られてもいい程度の存在なのかもしれない。
使い捨ての小型探査衛星を大量に発射して待つ。
お互いにリンクして網目状に探索するものだ。
調べる方法は簡単。
探査に引っかかればそこに拠点あり。
破壊されてもそこに拠点あり。
ただ壊れただけならログからわかるのさー。
回避するにはハッキングしてログ書き換えないといけない。
でも網目状の通信システムだからそうそううまくいかない。
他の衛星が見張ってる。
なお試作品。
うまく動けば正式採用される。
たぶんうまく行くんじゃないかな?
仕組みは単純だし。
弱点は邪魔なことくらいだし。
戦艦内で造形プリンターで作るには複雑すぎて、しかもかさばるから邪魔になる。
ミサイルか弾薬減らさないといけない。
もっと部品の点数減らして小さくしたものが出たら……ってそれだとスピード出せないのか。
チップでの処理限界あるし。
うーん悩ましい。
すると二日後に報告があった。
拠点発見。
はーい、パパ。
拠点強襲しちゃうぞー。
その前にリコちの漫画を配信。
家族に再会する系感動話。
子どもでも理解できるようになるべく単純なプロットで作成した。
それと『銀河連合軍に投降すれば家族に会えるかもしれない』というプロパガンダも添えて。
卑怯者を倒すのに武力はいらない。
ただ真実を突きつけて内部崩壊させればいい。
……って言ったけど、ある程度統制効いてればそれも難しい。
家族もクソもなくて食えなきゃ崩壊するし、家族がいて食えるなら崩壊しない。
そこは内政の手腕よね。
カルト的な団体でも統制が効くのは望んで入った一世代だけ。
その後は徐々に萎んでいく。
独裁国家でも内政上手なところは上手に家族を人質に取ってる。
もしくは後継者が軌道修正してる。
でもゼン神族くんにそれができるとは思えない。
あとは不満のはけ口がどこに向かうかって話である。
今回はそれを用意した。
犠牲者は出るだろうがラターニアには我慢してもらった。
兵士の命は大事だ。
人質の命ももちろん大事だ。
だから折衷案で行く。
責任取れないけどね。
これはしかたないと思う。
さてどうなるか。
幸いガチガチに管理してて逆らったら爆発ってのはないみたい。
そこまで金をかけてやる価値もないってことだろう。
たぶんお互いを監視させてるのだろう。
だったらコンテンツがセキュリティーホールだ。
がんばれリコち。負けるなリコち!
場所がわかったら蜘蛛型ドローンを忍び込ませる。
社会を分析する。
やはり相互監視社会だ。
じゃあ蜘蛛型ドローンでありとあらゆる端末に本とチラシをまき散らす。
ハッキングしてシステム止めたりはしない。
犠牲者出たら恨まれるもん。
「思想誘導します」
「へーい」
思想誘導なんて言ってるが、十五禁にもならないお色気作品を送る。
はっはっは。
向こうの文化や制度を完全に学習した。
相互監視だが甘い。
いちいち監視してられないのだ。
反逆罪でも懲罰房に入れられる程度だ。
アホめが。
何もかも甘い。
相互監視なら監視自体を緩めてしまえばいい。
なあに簡単だ。
俺は無表情で報告を聞く。
リコちが読み上げる。
「施設の責任者は海賊ギルド所属『皆殺しのセンゾ』です。古代人で、凶暴すぎて女性に重傷を負わせてイーエンズ大人が追放処分にしたようです」
イーエンズ爺さんは女性を商品にしてたが、女性の生命を守っていた。
女衒ではあるが、商品をちゃんと守っていた。
決して良い行いではないが行動は一貫してる。
俺は未だにイーエンズ爺さんには勝てそうにない。
イーエンズ爺さんの築いたもので楽させてもらってる。
今回も同じだ。
イーエンズ爺さんならどうするか?
それはすぐに答えが出た。
「蜘蛛型ドローンでセンゾと仲間を暗殺せよ」
俺は命じる。
ケビンの力はもういらない。
部下にやらせる。
というか医者に暗殺させるわけにいかない。
ケビンの手は人を救うためにあるのだ。
「いいの? レオくん卑怯嫌いでしょ?」
「たとえ卑怯と言われようとも構わない。センゾを排除して混乱を起こす。人質の命が優先だ」
「……うんわかった……あのさ、レオくん聞いて。今日確信した。私、レオくんのとこに嫁に行ってよかった」
いままで疑ってたんかーい!
とは一瞬思ったが口には出さない。
「大人になったら変わっちゃうのかなって思ってた。ほら王様じゃない。権力持ったら変わっちゃう人多いから。でもレオくんはレオくんなんだなって」
そうそう変わってたまるか!
俺は権力手放して嫁ちゃんたちとだらだらすごしたいの!
「残念ながら俺は雇われ店長だもんね。それにこれが最善手だと思う。みんなも異論があるなら言って! 俺は意見は聞くから!」
俺は全幹部に宣言した。
リーダーは孤独なもの。
だが人の意見を聞くことはできる。
採用するかは別としてね。
でも俺は俺を一番信用してない!
もっといい手があるならそいつに責任を押しつけて……げふんげふん、採用しようと思う。
ドローンオペレーターから連絡がある。
「暗殺しました」
「では混乱して最中に進軍する。投降を呼びかけて。ラターニアや太極国にも連絡して! 共同で乗っ取る!」
こうして敵拠点制圧作戦が開始された。
明日はわかりませぬ
投降できるといいなーって感じです




