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第八百七十一話

 さーて、ラターニアと鬼神国のぶち切れは予想通り。

 もう面倒なので省略する。(二時間以上愚痴られた)

 ゼン神族皆殺しを本気で言い出すレベルだ。

 さすがに誘拐からの奴隷化はダメだろって話。

 なおラターニア人が戦闘で死亡したが、俺に戦争仕掛けた方が悪いという謎理論で許された。

 ギリギリまで呼びかけてたしね。

 さーて、問題はカラオケ大会になぜ耐えられなかったか。

 それは洗脳である。

 幼い頃から繰り返し「ゼン神族以外の劣等人種は死をもって許される」という一種の宗教を教え込まれていた。

 そこで悪魔の手先が楽しそうにワイワイやってるのをみて「殺さなきゃ」って思ったようだ。

 まあ、とてつもなく有効な手なんだけどさ!

 自分の手駒使わずに兵士をそろえられる。

 実際、リコちの漫画でリンチ事件というか処刑騒ぎが起きてたらしい。

 文化という兵器をもってると考えた方がいいかもしれない。

 で、拿捕した連中の洗脳解除に帝国の人でなし装置を使う。

 なんというか……睡眠学習型の教育ロボットである。

 サクッと銀河帝国式に中等教育まで終わらせる。

 本来は使用禁止だ。

 洗脳の上書きでしかないからね!

 そう、俺のような問題児に限り使用が許されてるって……俺の場合は睡眠学習型じゃねえか。

 普通の教育ロボットか。

 とにかく寝てる間に前期中等教育くらいまでする。

 中学までの国語に社会科に道徳って本気でやればすごいのな。

 洗脳が解けるといかに騙されてたかに気づくわけである。

 ……俺たちのも文化的抑圧という名の洗脳なんだけどね。

 大学で政治経済法律あたりでぶち当たる哲学入門でそれがわかっちゃうだろう。

 でもそこまで到達してれば哲学まで習える現状の方がマシなんじゃねって思う。

 あとは社会からドロップアウトさせないようにすればいい。

 仕事や家庭ができれば社会の型にはまるしかない。

 我々は社会の歯車!

 王様の俺だって社会の歯車でしかない。

 だが歯車なりに自由はある!

 今日の晩飯とか。同人誌書くとか。好きな人と結婚するとか。

 考えるの面倒なら軍にでも入ればいい。

 定年まではタスクこなす生活だ。

 もちろん辞めるのも自由だ。

 ただ自分のケツは自分で拭かねばならない。

 ……ある意味人でなし。

 みんな奴隷で公平か、それとも自由だけど上から下まで社会の歯車か。

 搾取が少ないだけ自由主義側の方がマシか……。

 どちらが幸せかを判断するほど俺は人生の経験値がない。

 そこまでの情操教育が終了する。

 さーて話を聞きに行こう。

 ジェイソンくんでしょ、レオニダスくんでしょ。

 二人いれば大丈夫だよね。

 するとリコちが仲間になりたそうにこちらを見てる。

 リコち……来たいの?


「うん!」


 リコちを連れていく。

 捕虜はラターニア人の少女だ。

 するとブワァッと涙を流した。


「なんでぇ!?」


 彼女の視線はリコちに向かっていた。


「リコ先生!」


 リコちのファンだった。

 ……お前、なに広めてんの?

 目をそらすな。


「レオくん……世の中なにが流行るかわからないよね……ほらファQさんも流行ったし」


「ファQさんに罪を被せるつもりかね」


「だってアレ、作者は宇宙海兵隊の少佐だし……女性」


「知りたくなかった! あの飽くなき人妻好きが女性だなんて」


 人妻に対する異常なこだわり!

 男性作者だと思ったのに!


「だって絵柄変えてレオくんとエディくんのBL描いてるし」


「ちょっと待てコラ、ストップ!」


「あ、やべ!」


 内緒の情報だったらしい。


「いまなんと?」


「ナンデモナイヨ……」


「ファQさんの作者も……神……」


 少女がリコちを拝む。

 なに読ませてんだよ!

 ……あ、そうか。

 人間扱いされてなきゃ未成年の禁止事項もないわけで……。

 ひでえ話だな。

 ということで罰としてリコちに尋問させる。


「……お、おう……リコち頼んだ」


「大丈夫なのかな? 私自信ないよ」


「おだまり! 俺を総ウケにした罰だ!」


「読んだのぉッ!?」


 普段はスルーするんだけど事故で読んじゃったの!

 妖精さんが面白半分でライブラリに追加しやがったの!

 ということでリコち対戦お願いします。


「えっと、あなたの名前は?」


「ワーカーです」


 ……どうしよう。

 個人を識別する名前がないようだ。


「えっと……個人にはお名前あるのはわかるよね」


 リコちは小さな子どもに接するように語りかける。

 さすがリコち……元は憲兵隊所属だけある。

 尋問が上手だ。


「えっと、では識別名をヒトミにします」


 1(ヒ)10(ト)3(ミ)番ね。

 収容所の番号だろう。

 最悪だ。

 なおヒトミちゃんは銀河帝国の共通語で話してる。

 学習装置の効果である。


「銀河帝国やクロノスには人権っていうのがあるのはわかる?」


 俺を筆頭によく無視されるけど、存在はする概念だ。


「睡眠学習の範囲で理解してます」


 優秀。


「ではなんの作戦だったか言えるかな? もちろん拒否してもいいよ」


 これは一定の譲歩をしながら尋問官に依存させる作戦かな。

 ……いや違うな。

 リコちは創作に関しては悪魔だけど、基本的には善人だ。

 本当に優しくしてるのだろう。


「悪魔の殲滅です」


「悪魔って誰?」


 するとヒトミちゃんは俺を指さす。


「ゼン神族に反逆するクロノス王です」


「うぇーい!」


 ダブルピース。


「うぇーい!」


 ヒトミちゃんもマネしてダブルピース。

 うん、精神年齢は出会ったときのワンオーワンと同じくらいだ。

 扱いやすい。


「えっとパパとママはどこかな?」


「??????」


 首を傾げる。

 困った。完全に誘拐されてきた子だ。


「えっといくつかな?」


「記録上14歳とされてます」


 ラターニア人に換算するとほんの子どもである。

 たぶん親も生きてるだろう。

 勘弁してくれ……。

 俺、人の親になったし、こういうのが一番嫌いなんだよね!


「妖精さん、指紋とDNA、その他をラターニアに照会して!」


「がってんです!」


 するとラターニア王から鬼のように通信要請があった。

 速すぎるよラターニア!


「レオくん」


 あ、義理の息子として連絡してきやがったな。

 使い分けるのズルだろ!


「すぐに引き渡してほしい。家族が見つかった」


「事情聴取が終わり次第……。ですが家族にいきなり引き渡されても困っちゃうかと。ラターニアには引き渡しますんで」


「う、うむ……そのな。引き渡さないならクロノスに攻撃も辞さないとタカ派が言い出してな」


 ラターニア人なら言いそう。

 まあ予想の範疇だ。


「少しは信頼してください、お義父さん。他の子も事情聴取後に渡します。報告書作るくらいはいいでしょ。こっちも法律通りにやらなきゃいけないんですから」


「すまない……恩に着る」


 義理の父親の頼みである。

 そもそも奴隷階級だとわかった。

 作戦に対してなにも知らないだろう。

 引き渡しまでにラターニア国営放送のラターニア王の会見があった。

 その日、ラターニア人の高血圧での入院者は数万人に及んだという。

 業務連絡、俺のBL描いたやつは出頭するように。ファQさんのサインくださ……じゃなくてお説教します。

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― 新着の感想 ―
子供を拉致って洗脳して兵士として使うってのはイスラム過激派とかのテロ集団の手口だな。
時々出てきた「ファQさん」読んでみたいかもww
カワゴンは総受けだと思ってました。
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