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第八百七十話

 ゼン神族……じゃなくて海賊の機体を拿捕した。

 誰が乗ってるかなあ……。

 とりあえずそれは回収班に任せる。

 それよりも……。

 帰って着替えるとデカい人に絡まれる。


「いいなー」


 指をくわえる鬼人国前大王。サリアパパ。

 鬼神国の艦隊の方にいりゃいいのに、わざわざこっちに住んでる。

 というか腹減ると俺のところにメシ食いに来るんだよね!

 とりあえず話を聞いてやる。


「なにがっすか?」


「大きな剣」


 斬馬刀なのか斬艦刀なのか。

 とにかくデカい構造物を最新の科学で強度保持しつつ武器として成立させたバカ装備である。

 やってることは怪獣がビルで殴ってるのと同じだ。

 だがそのビルが戦艦を切断できる構造になっていたら?

 そういうコンセプトの武器である。

 俺と同じく頭の悪い武器を偏愛してるレプシトールの技術がなければ不可能だっただろう。


「いいなー……」


 おっさんが指くわえてる。

 そこに殺気。


「ほわああああああああ!」


 避け……。


「甘い!」


 殺気でフェイント入れて一拍遅いドロップキックをぶち込んできたのはカトリ先生。

 俺は壁まで飛ばされた。

 痛いでゴザル。

 ドロップキックなのは寄するに本気じゃないよってことか。

 本気じゃないじゃれつき攻撃がドロップキック……。

 俺の師匠筋がみんな人でなしばかりな件。


「頭打ってこれ以上バカになったらどうするんですか!」


「うるせえ! アレくれ!」


「斬馬刀ッスか? サリアパパも欲しいって言ってますけど~」


「なんか問題あるのか」


「いえ全然。ただレプシトールの技術で時間かかりますよ」


「えーっと妖精さん」


「もう制作中です。レオくんの一号機で製造方法を確立したのですぐできるそうです」


「配送までお待ちください」


「よっしゃ!」


 おっさんどもが勝利の腕組み。

 そのまま艦内の居酒屋に向かうのだろう。

 さてと解放されて……がしり。


「居酒屋カワゴン開店しろ」


 汚い笑顔で応じる。

 ということで焼き鳥カワゴン本店開店。(居酒屋とは名乗ってやらない)

 酒出して……飲みすぎんなよ!

 焼き鳥作ってるといつもの面々がやって来る。

 もー、あたいの本業が迷子だわ。

 王様? 知らない職業ですね。

 焼き鳥焼いてると兵士たちもやってくる。

 カトリ先生と前大王に酒と焼き鳥盛り合わせ出して……。

 すると兵士たちがこっちを見る。

 このメンツに混じる根性はないけど、焼き鳥は食べたい。

 ふふふ……わかるぜ。

 どうだ! お持ち帰りだ!

 ということで焼き鳥カワゴンは大繁盛。

 焼き鳥セット大量にあるし。

 物資の補給ラインも確立してる。

 まったく問題ない。

 むしろ使わないと邪魔まである。

 ジャカジャカ焼いていく。

 無煙ということはさすがに無理。

 排煙装置で煙を吸い出す。

 油はあとでドローンが清掃してくれる。

 蜘蛛型ドローンって暗殺の危険性もあるけど、日常業務で便利なんだよね~。

 こういう排煙ダクトは火事のもと。

 全交換してリサイクル装置で再利用するんだけど、その必要がなくなった。

 というか冷凍食品しか食べちゃダメって時代があったくらいだ。

 我らもかなり進歩したのである。

 メシのためならどんな犠牲でも許容する。

 それが我々日系なのである。

 というわけでお土産を作りまくる。

 ニーナさんとケビンも来て手伝ってくれる。

 というか全クルー分なので飲食経験者や糧食班も加わって大忙し。

 ケビンは大学病院よりは楽だそうだ。

 暇になると手伝ってくれる。

 なんか戦勝お疲れさん会みたいになってきたな。

 俺たちと一緒に飲みたくない勢も広場なんかで勝手に飲んでる。

 あちこちで飲んでる……あとで全クルーで大掃除だ。

 焼き鳥作り終わってカトリ先生たちがその辺でぐっすり。

 閉店作業が終わって焼き鳥カワゴンのチームで夕食を取る。

 すると連絡が入る。


「あ、はい。焼き鳥カワゴン。テイクアウトッスね。いま持っていきます」


 もう焼いてあるもんね!

 そろそろ終わるだろうから持っていく準備はできてる。


「なんの話ッスか?」


「いやこっちの話。なにかあった?」


「敵兵士を逮捕。戦艦や人形戦闘機内にいました」


「あー、一応聞くけど、脳だけ水槽とかは」


「そっちは大丈夫です」


 なんだろうな。

 嫌な予感しかしない。


「悪いケビン、リコち一緒に来て」


「俺らは?」


「イソノと中島も頼む」


 もちろん焼き鳥は忘れない。

 惑星級移動要塞内をトラックで向かう。

 ほとんど焼き鳥。

 ジェイソンくんたちが運んでくれる。

 なんだかなー。

 到着。


「へい、焼き鳥カワゴンです」


 焼き鳥とお酒の積み出しを……。

 お前ら本部行け。あ、はい。


「温めて食べてね!」


「いいから行ってください!」


 なんだろうね。

 尋問室に向かう。

 すると憲兵隊に案内される。


「焼き鳥持ってきたんで食べてね! お酒もあるよ!」


「自分らのシフト。終わるの6時間後です」


「……ホントごめん」


「いえいえ陛下。いつも気遣っていただきありがとうございます」


 夕食はもう食べたって。

 シフト中に酒渡すのはノンデリカシーだったかもしれない。

 こういう差し入れは大事だ。

 そうクーデターが起きたら一人くらいは助けてくれるかもしれない。

 合法的にクビにできても暴力的に追い出される可能性あるからね。

 尋問室に行くと……嘘だー!

 そこにいたのはラターニア人だった。


「どういうこと?」


「誘拐の被害者です。どうやらゼン神族は各地から子どもをさらって兵士にしてたようです」


「えーっと……ラターニアには?」


「お願いします」


 ひーん!

 ですよねー!

 俺が一番マシですよね……。


「他の種族は?」


「鬼人国、太極国、パーシオン系。この銀河のあらゆる種族がいます」


 あちゃー、これはもめるぞ。

 どうしよう。


「彼らはなんて?」


「ゼン神族軍ワーカーと名乗ってます」


 労働用階級って意味かな?

 嫌な話だ。

 ラターニア王を呼び出す……気合はない。

 まずはポリーナさんを呼ぶ。

 呼び出しに応じる前にイソノに指令を出す。


「イソノ、悪いけど前大王起こしてサリアと会議して」


「うっわ~。冗談だろ」


「お前にしかできん。頼むぜ外務大臣」


「クッソ。了解。あとで酒もらうぞ」


「頼んだわ」


 あーあ、明日から地獄だわー。

めまいで立ち上がれず遅れました

体力の限界のようなので明日休みます

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― 新着の感想 ―
いつでもいいです。 1週間後でも、1ヶ月後でも。 この世界観が読めるなら、どれだけだって待てます。
毎回、楽しく読ませて頂いています。 先生の健康が、1番大事ですので、 ご無理をなさらずご自愛ください。
どうかお大事に。
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