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第八百五十一話

 鎧の敵対生物はスペースレイダースを蹴散らしていく。

 パルスライフルは効果ないようだ。

 ヒューマさんを呼び出す。


「ヒューマさん! どうなった!」


「パルスライフル効果なし! 追尾マインも効果なしです!」


 ひえ、困ったぞ。


「分隊支援火器は!」


 実弾の軽機関銃ってやつ。

 ゾークみたいにエネルギー兵器が効果がないとき用にチームに一つは持ち込むのが規則になってる。


「豆鉄砲ッス」


「弾ばら撒きながら撤退して」


 さて、行きまっしょい。


「お供します」


 ジェイソンくんと近衛騎士がやってくる。


「いやいやいやいや、バグってんなボケ。先に行くの俺だろ」


 全身戦闘服で固めたイソノの野郎が出てきた。

 イソノの野郎は薙刀を持ってる。


「……うん、不安だ。俺も行く」


「お前国王だろが!」


「国王っていってもさー。ただの雇われ店長なんだし」


「お前さあ、少しは自覚……まあいいや。お前なら生きて戻れるか」


 対神用の刀を持っていく。

 鎧の怪物がスペースレイダースと戦闘していた。

 隊員の一人が胸倉をつかまれて持ち上げられていた。

 鎧の怪物は俺を見る。


「来たな」


 おっと、ラターニア語だ。

 ただ言い回しが古いな。

 古語だ。帝国語に正確に翻訳できないやつ。

 あー、さすがに雰囲気でしかわからんぞ。

 ラターニアの古典は少ししか読んでないし。

 一般向けの解説本頼りだ。

 その一般教養らしくて定型の言い回しがあるのよ。


「相手してやる」


 ラターニアの古語で答えた。

 えっと帝国語に翻訳すると「麻呂が相手するでおじゃる」かな。


「麻呂はクロノス王国国王レオ・カミシロ・クロノスにおじゃる。名を名乗れ」


 もういいや。こっちの表現で。


「ゲートキーパー350型。識別番号……」


 うん?


「機械だな」


 イソノがつぶやいた。


「そなた生物じゃないでおじゃるか!」


「強者と戦えば平穏が訪れる」


 刀を抜く。

 あーあ、酒で釣ってカトリ先生連れてくればよかった。

 そしたら押しつけられたのに!


「悪いイソノ、ジェイソンくん。兵士を連れてってくれるか?」


「貸しだからな!」


 イソノは従う。


「イヤです。俺はあなたの護衛です」


 ジェイソンくんには拒否された。

 もー、真面目なんだから!


「俺が死んだら、子どもたち頼む」


「悪趣味な冗談やめろ。ぶん殴るぞ」


 無表情で言うのやめて。


「死にそうだったら閃光手榴弾投げて」


 ということで戦う。

 近衛騎士たちはすでにあきらめてる。

 俺が戦うと言ったからには戦うのだ。

 ここだけはわがままを通させてもらう。

 向こうも銃なんかの飛道具はなさそうだ。


「精神に入ります」


 ジェイソンくんが超能力を発動。

 だけど相手は機械だ。

 効くはずが……。


「無粋なり!」


 鎧の怪物がジェイソンくんに襲いかかった。

 完全に予想外!

 てっきり感知できずにスルーすると思ってた!

 俺はあわててジェイソンくんに振り下ろされた刀を受け止める。


「ジェイソンくん! 邪魔するな!」


「陛下! そいつ、脳は生体パーツです!」


「は?」


 重!

 なんか体全体からギシって音がした!

 脳が生体……!

 中身は人間ってことか!


「そなたは人間でおじゃったか!?」


「知らぬ。ここで戦えと命令を受けた。侵入者を排除すれば平穏と安寧が享受される」


 おいおい、平穏って何百年も一人でいることかよ。

 うお! このまま潰され……。


「どすこい!」


 ふんっと相手の剣。

 よく見たらぶ厚い斬馬刀……ほぼぶ厚い鉄板みたいなのを受け流した。

 ドンッと剣が床に突き刺さり粉塵が舞う。

 すると粉塵の中から剣の凪払いが飛んできた。

 俺は腕に斬りつける。

 が、刃が滑ったような気がした。


「か、硬い!」


 だが刀は滑ってなんかなかった。

 こっちの刀も高性能すぎる。

 滑ったんじゃない。

 装甲の一部を切り裂いていた。

 だけど勢いは衰えず、ガード!

 後ろに飛んで勢いを殺す!


「も、もっと切れ味が悪くて重い刀プリーズ!」


 鉄骨!

 鉄骨くれ!

 この刀じゃ切れ味が鋭すぎる!


「強者なり」


「無理でおじゃる!」


 同じパワー系。

 相性が悪すぎる!


「へ、陛下!」


 ジェイソンくんと近衛隊が動こうとした。

 やめれ!


「誰も手を出すな! 絶対に! 絶対にだぞ! 『押すなよ押すなよ』じゃねえぞ! 本当に手を出すなよ!」


 でも本気でどうしよう……。

 ……やるしかないか。

 俺は構え直す。

 足を止めず、常に動き回る。

 攻撃しないと相手も攻撃しにくいだろう。

 とんっと後ろ足を蹴って間合いに入る。

 カミシロ流! パクリ戦法!

 喰らえ! 西条くんスペシャル!


「だりゃああああああああああああああッ!」


 額! のど! 胸! 腹!

 一息で四連突き。

 一つ多くしてやった!

 もちろん相手を止めることなんかできない。

 ……だからカウンター攻撃の振り下ろしを払いながら納刀。


「せいッ!」


 そのまま居合斬り!

 できた! コンビネーション実戦でできた!

 胴への斬り上げ。

 装甲が裂かれ、中の機械が見えた。

 足は止めない。

 もう動きを止められないのはわかってる。

 横薙ぎ。

 これを待っていた。


「きえええええええええええええええええええいッ!」


 うるさいのはわかってる。

 でもね、気合入れなきゃ斬れない。

 相手の大剣を上からぶった斬った。

 刃が通った。


「ぬ、ぬおおおおおおおおお!」


 それでも振り下ろし攻撃をしてくるが……。

 グチャッと音がした。

 それは大剣が自壊する音だった。

 よほど硬い素材でも、あの重量ならある程度切り込み入れりゃ自壊する。

 刃が入った時点で中もヒビだらけだろうしね!

 中の柔らかい金属だけじゃ本体重量を維持できない。

 ゆえにぶっ壊れる!

 だが問題は!


「おんぎゃああああああああああああ!」


 俺に向かってとんでもないスピードで破片が飛んでくるなんて思わないじゃん!

 死ぬ気で回避。

 破片の方も斬れ?

 無理。体勢と重心的に無理。

 回避……。

 あらま。

 俺に拳を振り上げる鎧の怪物。


「陛下ああああああああああああ!」


 悲鳴が上がるが俺は殴られながら、刀を手放して腕に手足を巻き付ける。

 そのまま腕十字固め!

 へ、へし折り。

 ぽいッ!

 重量が違いすぎる。

 秋のカナブンの如く……壁めがけてぶん投げられた!

 だがこちらも宇宙怪獣カワゴンと言われた類人猿!

 そう! あたいは夜の蝶! 運命になんて負けないわ!

 壁を蹴って着地。


「ふへええええええええええええええええ! 無理でおじゃる……」


「……お主……本当に人間か?」


 鎧の怪物にまで化物扱い。

 カワゴン……カナシイ……。

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― 新着の感想 ―
なんか武人ぽいから助けられるといいんだけどね~
これは……猿声! そうか!カワゴンは類人猿系UMAと言う事で示現流の猿声と類人猿をかけた高度なギャグと見た!(多分違う
なんかやらされてるっぽいし脳が無事ならルーちゃんみたいに助けてやれないかなあ
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