第八百四十九話
近衛騎士は最大級の警戒。
俺は用意ができるまで商店街より奥には行けない。
安全なのにね~。
外の本部で発掘現場をドローンで撮影した画像と資料で説明を受ける。
ピクニック気分だけどお仕事優先。
ベルガーさんが説明してくれる。
「この奥で発見された寺院ですが、銀河帝国で表現すると星辰とか妙見と言われる神を奉っていたそうです」
いきなりぶっ込んできた。
星辰や妙見は星の神だ。
そうか冷静に考えたら日本神話とは限らないんだよな。
星の神は星の神なのだ。
座敷童ちゃんこと「世界」ちゃんは太陽神。
かつて世界そのものだった存在であって、神道の天照大神とは限らない。
大日如来かもしれないし、ヘリオスかもしれない。
あ、そうか。大日如来だとそのまま世界を現すのか。
概念であってそのものの存在じゃないと思うけどね。
我々に一番近い状態なのは北欧神話か。
北欧神話ではラグナロク、つまり出太陽系により太陽の女神ソールはフェンリルに飲み込まれる。
だがソールは娘を産んでおり娘は新世界の太陽神になる。
いまの俺たちの状態に重なる。
偶然だろうけどね。
でも……それより重要なのは……。
「待って……薄々そうかなって思ってたけど……銀河帝国人と古代人……というかこの銀河一帯の人たちって」
「祖を同じくする生物です」
「ですよねー!」
ホモサピエンスからの派生だった!
いやわかってはいたんだけどさ!
子ども作れるし。
「違うのは屍食鬼とプローンだけのようですね」
ようやくレプシトールが胡散臭いインチキジャパンな理由がわかったような気がした。
「現状わかっているのはそこまでです」
「ゆっくり安全にお願いしますね~」
別に急ぐ必要はない。
そう、新たな人でなし兵器やら敵の発生やらがしなければいい。
……すんなよ。
こんちらは遺跡発掘するたびに死にかかってるんだからな!
発掘されるのがワンオーワンみたいな素直な子ならいいんだけどね!
「お呼びでありますか?」
ワンオーワンが来た。
タチアナとシーユンもいる。
シーユンは禁軍に加え、野球応援団も一緒に連れてきてる。
最強構成だ。
星間リーグで太極国がリーグ優勝したんだって。
それで旅行に招待したらしい。
今度銀河帝国のリーグ優勝チームとギャラクシーチャンピオン決定戦やるんだって。
信じられないくらいの経済効果みたい。
なお人形の呪いで鬼神国はリーグ初期は最下位。
星の神との戦いで呪いの人形アタックで盛り返したが最後の最後で太極国に敗退。
太極国の飲食店のマスコットを例の川に投げ込んだらしい。
新たな呪物生産の予感。
というわけで仲良し三人組に六つ子を渡す。
子ネコたちはすっかり懐いてる。
特にワンオーワンの胸に夢中だ。女の子が……。
なぜだ?
むしろ男の子の宙はタチアナやシーユンに懐いてる。
雑に扱ってもらえるからか?
運動神経いいもんな。
多少乱暴な遊び方してくれる方が楽しいようだ。
よじ登ったタオルを軽く振り回してもらったりとか……。
本当に大丈夫なん?
子育て初心者の俺はレンを見る。
「あれくらいなら大丈夫ですよ。ビースト種、特に猫はああやって大きくなります」
「……お、おう」
話を変えよう。
だってわからないもの。
「相撲部屋ぶっ込んだ熊の人どうなったの?」
「獅子のビースト種と仲良く基礎を叩き込まれてるそうです」
熊の人……全裸マンとして有名になっちゃったしね。
動画流出して全裸山関とか言われてるし。
ジェスターとして嫉妬。
ヨゴレ芸人枠を取られたみたいな気がする。
報道ではレプシトールで相撲を普及させようとする人みたいな位置づけなんだけどね。
兄貴にボコられるわ俺に殺されかけるわで、カミシロの名を思い出して夜中うなされてるらしい。
ちょっとやりすぎたと反省。
まだ動けない赤ん坊はイソノん家の朱華ちゃんとかと一緒に乳母軍団が見てくれる。
俺たちは広場に置いたベンチでゆっくり。
俺がプールサイドに置いてあるような椅子で溶けてると、ベルガーさんとこのスタッフがやって来る。
「陛下。この扉の模様に見覚えはございますか?」
「うん?」
北斗七星だ。
伝説の暗殺拳の継承者でも封印されてるのだろうか?
さすがにそれはないか。
たぶんベルガーさんも妖精さんに問い合わせしたうえで
「北斗七星かな? 出太陽系前にあった道教だと北斗星君って死の神として……。それと星辰として宇宙の中心を現す……」
自分で言って気がついた。
やばいぞこの遺跡!
「妖精さん!」
「レオくんたちはいったん退避。人形戦闘機に乗り込んでください!」
「ですよねー! ベルガーさんにいったん避難するように言ってください。軍でその先を調査します」
「は!」
「妖精さん! スペース・レイダースは?」
「近くで待機してます。軍の土木チームも呼べる位置にいます」
「おっしゃ!」
今回はなんとかなりそう。
「みんなー、退避して~!」
いやーよかったよかった。
気がついてよかった。
バカンス気分は一転、嫁たちに子どもたちが先に避難。
猫たちも点呼して……。
嫌がってたけどリードつけて撤収。
レンも今回は作戦参加させない。
子どもたちが一番大事。
安全だったんだけどなー。
まさかの北斗七星でこの騒ぎ。
何回か死にかけてるし、みんな神の恐ろしさはわかってるしね。
やる気を出したのは太極国応援団。
お前らも避難だから。
神が出てきたらお願いね。
というわけで一気に緊張感が出てきたわけである。
ハッハー!
そういやこの惑星って屍食鬼の本拠地だもんね!
倒した気になってたわ!
ということで輸送機で戦艦へ。
作戦会議は数時間後に開催。
作戦会議やるだけの余裕があるっていいよね。
それまで俺は調整に奔走する。
まずはラターニアに連絡。
ラターニアに作業員の避難完了を伝えると、追加で軍を送ってくれることになった。
ラターニアは契約を守る相手、少なくとも守ろうと努力してる相手には優しいのだ。
太極国も追加派兵を決定。
鬼神国はカミシロ流の道場ウロウロしてた連中が義勇兵として参加。
今回は余裕あるぞ!
余裕あるぞ!
先手取ってるぞ!
よっしゃー!
スペ-ス・レイダースと工兵部隊が調査に向かう。
行くぞ北斗七星の先に!
ライトノベルミーティング、ブースはドリコム編集部とモーニングスターブックス編集部さんしかまわれませんでしたが、コミュニケーションエリアでハイエナ作戦決行。
編集さんに声かけまくって名刺とブース訪問シート渡しまくってきました! ヒャッハー!
飲み会も行ったぜ!
ちなみに現在、絶不調でございます




