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第八百四十七話

 遺跡の足場が完成。

 あと補強工事もね。

 ようやく俺の入場許可が出た。

 はい視察。

 完全に心はピクニック気分。

 お弁当持参したい。

 食中毒怖いからやめろ? 弁当用意する?

 あ、はい。

 ということで視察である。

 日々の書類仕事で疲れたイソノたちも家族で参加。

 危険なんてないだろって感じである。

 だって今のところなにも起きてないし。

 足場なしに奥まで進んだけどなにもなかったって。

 惑星に降り立つ。

 簡易エアポートが設置されてる。

 壊れまくったかつての道があって、その先に集落がある。

 古い商店街を通る。

 かつてはにぎわっていたのだろう。

 倒壊しそうなようだ。

 足場が組まれて補強されてる。


「なにかありました?」


 迎えに来たベルガーさんたち学者チームと合流する。


「商店街になにか?」


「そりゃ奥よりもこっちの方が重要なものがあるでしょ」


 当時の生活の痕跡とか、なんの仕事してたとか。

 世紀の大発見は、棺の中にだけあるわけじゃない。

 寺院や神殿、沈没した船に、こういう商店にもあったりするものだ。

 中入っていいって言われたので探索。

 いやー楽しいわ~。

 廃墟探索っぽくて……って廃墟探索そのものなのか。


「ベルガーさん、この惑星の所有権ってどうなってるの?」


「知事はすでに死去。後継者はおらず、最後の住民も消息不明です。なので発見国のパーシオンに編入。最終的にはクロノスの持ち物になるかと」


 勢いでパーシオンを完全併合してしまったのがあだになったか。

 わけわからん遺跡を管理せねばならない。


「周辺国は?」


「共同調査のみ求められてます。所有の意思はないようです」


 カワゴン知ってる!

 寄ってたかって俺に押しつけたんだ!


「他の国の調査団は?」


「もう来てます。あちらで会議してるのがラターニア、発着場周辺を整備してるのが太極国、レプシトールは簡易宇宙港を拡張してます」


 性格が出てる。

 太極国は調査よりも土地開発で稼ぎたい。

 だから発着場周辺の建築に乗り出してる。

 レプシトール人は体格的に肉体労働はそれほど得意じゃない。

 だから細かい技術が必要な宇宙港の拡張をしてる。

 倉庫とか物流拠点作ってそっちで稼ぐみたい。

 カミシログループと元海賊ギルドのアマダ警備に仕事の依頼があった。

 惑星の空いてる部分はローザリアとの輸出入拠点の一つとして開発することになるだろうしね。

 宇宙港の倉庫作った時点で勝ち確定。

 ただし本格稼働するまでは赤字を垂れ流すけどね。

 レプシトールはそれをどうにかできるのだろう。


「レプシトールがやらかす前に監査を……」


「逐次監視してます」


 ですよねー!


「ローザリアは?」


「戦艦内でのインフルエンザの流行で外出禁止です」


 うーん、ジェスターが多い集団だからな。

 そうもなるか。

 どう考えても母国ヤバそうだもんな。

 ゆっくり休んでほしい。

 俺たちは食堂みたいな建物で食事を……あ、倒壊するかもしれないからやめろ。あ、はい。

 プレハブの小屋で食事する。

 作業員の食堂にもなってる。

 弁当おいしいにゃー。

 嫁ちゃんたちが授乳タイム。

 レンとクレアは別室に。

 嫁ちゃんは母乳が出ないので乳母さん軍団に交代。

 母乳が出る二人も半分は粉ミルクなんだけどね。

 改良された粉の方が栄養価優れてるからね。

 完全栄養食ってやつだ。

 そろそろ離乳食がはじまるらしい。

 ……まだ食べられないのに、なぜうちの子たちはあれほどまでに芋に執着したのだろうか?

 もはやなにもわからない。

 離乳食が楽しみだ。

 ……というか好き嫌いしないような気がする。

 好き嫌いがなければ楽だよね~。

 そもそも乳母さん軍団で子育ては楽なのだ。

 たまに夜中に起こされるくらいだろうか。

 はっはっは!

 夜泣きは永遠ちゃんはだいふくが。

 アークちゃんはポメのモモちゃんが。

 レンの六つ子はきなこが教えてくれる。

 ……正確に言うと嫁ちゃんとクレアの子どもは夜泣き。

 原因はいろいろ。

 レンの子どもたちは脱走がほとんどだ。

 そうなのである。脱走するのだ。

 とうとう、ふた付き保育ゲージにも抵抗がなくなった。

 空調付き。

 最初は抵抗があった。

 大事な子どもなのに。

 こんな扱いするなんて!

 なんてちょっと怒ってた。

 でもお互いのためにも出られない方がいい。

 だって目を離した隙に脱走して夜の大運動会。

 宮殿中を追いかけっこする。

 きなこ先生の早期教育でレプシトール忍法「屋根裏の散歩者」もいつのまにか習得。

 もはや位置特定用の首輪をもってしてもどこにいるかわからない。

 反応はあるんだけど、「そこに通路あるぅ!?」ってところで見つかるのだ。

 温かいサーバールームでみんなで丸くなってたりとか。

 なので夜はゲージ。

 ケガされるよりはいいよね。

 ちょっとこれはドキュメンタリーで流したら軽く炎上した。

 だけどビースト種の専門家が「よくあることです」と断言。

 ビースト種の団体からも「このくらいやらないと安全が確保できない」との声明があった。

 少し大きくなったらお出かけ用のリードが必ず必要なんだって。

 幼児用に使ってる人いるけどいまだに抵抗勢力がいるんだよな……あれ。

 なんか本能的に無理ってなるみたい。

 マルマ様も言葉が通じるようになるまでリード必要だったらしい。

 炎上に備えようっと……。

 人間の幼児もなにするかわからんからな。

 ちょうどいい段差使って柵乗りこえようとするし。

 うーん、不安。

 ちなみになんで子どもたちも連れてくるかって?

 安全確保されてるから。

 外だから空気も悪くないし。

 地下の非破壊検査も完了。

 変な遺物や敵性生物もなし。

 ちょうどいい感じなのだ。

 念のためにイナゴコロリまいて、タチアナに結界も張ってもらった。

 さらに神籬ちゃんの剪定枝を増やしたものも植樹済み。

 完璧である。

 なんかうちの子たちが来るたびにピカピカしてるけど気にしたら負けだ。

 さらに作業員の無事を願って神社も建立。

 くくく……我は完璧なり……。


「これぞダディクール!」


 俺の完璧なピクニックは続くのだ。

 ……急に不安になってきたぞ。

 なにも恐れることないのに。

 続くよね?

 ねえ?

 なぜか俺は最大級の警戒をするのだった。

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― 新着の感想 ―
サーバールームはむしろ寒いんじゃ無いかなぁ(´・ω・`)
パルクールしてあちこち徘徊しかねない赤子とか、さすがに放置するほうが可哀想やw
 蓋つきってカブトムシ飼ってるんじゃないんだから。よじ登れない様にねずみ返しな構造にしといちゃ駄目なんだろうか。
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