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第七百九十五話

 二日目の軍事パレード。

 最強の常勝集団、銀河帝国皇帝陛下と宇宙怪獣カワゴンを見物しに大量の人が集まる。

 少子化と言えども、銀河帝国もクロノスも人口がアホほど多い。

 会場は混み合い人だらけになってる。

 それでも国境周辺のへんぴなところまで来られるのは中流層以上だろう。

 ……中流層こんなに多いのか。

 火炎瓶くらいは持ち込んでるヤツいるかなって予想してた。

 ゾーク戦争ですべてを失った銀河帝国民。

 テロですべてを失ったクロノス国民。

 そんな人たちは俺の予想よりも多い。

 特に銀河帝国ではゾークとの和平反対論は根強い。

 ゾーク絶滅を主張する団体は多いのだ。

 蟹や特殊なゾークはワンオーワンの命令によって眠りにつき、女性型ゾークだけが残った。

 その女性型ゾークも潜在的に誰が因子持ってるかすらわからないほど存在してる。

 わざわざ検査して処刑しろって。

 それができると思ってたらアホの極みである。

 美形大好き上級貴族から全滅するわ!

 公爵会なんて親戚一同末端まで女性型の因子持ちだったんだからな!

 嫁ちゃん一同関係者、怖くなって検査をそこでやめたんだからな!


「妾……たぶんゾーク因子持ちぞ……」


 嫁ちゃんなんてそうつぶやいてたくらいだ。

 ちゃんと公爵会というスケープゴートを用意したんだからそれをサンドバッグにしなさい!

 誰も幸せにならんわ!

 なにも知らずにみんなゾークになれば幸せなの!

 というわけで警備は厳重。

 なれど守り切れるはずもなし。

 軍事パレードなので嫁ちゃんと俺は戦車に乗って手を振る。

 普通の戦車ってあんまり乗ったことないな。

 輸送車に重機に装甲車にバイクはよく乗るんだけど。

 対空砲も随行する。

 品良くおすましして手を振る。

 はっはっは。

 なお、ずっと目をそらしてた話をしよう。

 現在、神籬ちゃん&差し木で増やした分体が猛烈に光ってる。

 パーリナイ状態である。

 本体の近くでは連日座敷童ちゃんが踊ってる。

 なにが起きるのか?

 それはわからない。

 考えるだけ無駄だろう。

 神様のやることだし。

 戦闘機が空を飛びスモークを撒く。

 手を振るのにも疲れたなって頃、人型重機に引かれた山車みたいなやつが来て神社の神職が見物客めがけて餅を投げる。


「嫁ちゃん……あれ……」


「婿殿……皇帝でも思い通りにならぬもの。それがあれじゃ」


 同じ立場の俺である。

 ちょっと悲しくなった。

 あるよね……意味のわからないイベントのゴリ押し。

 合法的な書類と稟議を経てるからやめろとは言えないけど、心の中ではやめて欲しいやつ。

 配ってるのは個包装の餅にあられやくるみ餅とかの餅菓子。

 子どもたちが喜んでキャッチしてる。


「まあいいか」


「そうじゃな」


 チベットスナギツネの目になりながら俺たちはスルーするのだった。

 さて神社衆の恐ろしさはそれだけではない。

 お菓子を拾えなかったちびっ子にもちゃんとお菓子を配ってた。

 拾えればラッキー。

 拾えなくてもお菓子はもらえる。

 いいのかそれで?


「お菓子はすべてカミシログループじゃしのう……」


 それならいいか。

 どうせ国全体の会計で考えたら諸経費の小さな項目でしかない。

 というかカミシログループを通すと考えると実質無料だ。

 なんかしらの事業で国に還ってくる。

 誰かしらがコストを担ってはいるんだけど……考えたら負けか。

 ゾーク戦争も屍食鬼討伐も経済的メリットがない戦争だ。

 あとで北条時宗状態になりそうな気も……。

 あ、そうか公爵会から財産没収して配ったから問題ないのか。

 屍食鬼戦争でもマゼラン、パーシオン、オーゼンの不正役人の財産没収したし、太極国も同じことをした。

 海賊も俺の配下になったし。

 都市も壊れたから会計右から左にして経済を循環させまくって修理したら収支がプラス。

 事実上侵略したプローンとの戦いが一番儲かってないまである。

 うーん経済学って不思議。

 経済の実態がないのに金だけ動いていく。

 これで満ち足りるとラーメン食べすぎた患者の血管みたいに詰まって経済が悪くなると。

 少し物足りないくらいが一番であると。

 経済……意味がわからないわ。

 あたいの能力じゃ一生かかっても理解できそうにないわ……。


「嫁ちゃん……やっぱりラーメンは塩味がいいのね……」


「婿殿はなにを言っておる?」


 個人的には家系醤油豚骨が好きだけど。

 ということで出店の収益だけでとんでもないことになって二日目終了。

 二日目は数時間で終了。

 会場では夜までフェスが開催される。

 出店が出て大賑わいだ。

 俺たちは宇宙港のホテルで食事。

 トウモロコシ焼きたいって言ったら怒られた。

 量は多めに設定。

 俺たちの食欲をだんだん理解してきたようだ。

 なぜか塩ラーメンというかタンメンも出してくれた。

 この間、餓死しかけた件で侍従がメシに敏感になってるようだ。

 これでもかと野菜が乗ってる。

 俺、別に野菜嫌いじゃないんだけど。

 なんで野菜嫌いの子どもに無理に野菜食べさせるみたいな話になってるのだろうか?

 あ、そういや間引いたトウモロコシ。

 ベビーコーンどうなったっけ?

 調理した記憶がないぞ!


「間引いたトウモロコシ……」


「だいふく様のお食事として提供いたしました」


「あ、そうなんだ……ごめん忘れてた……」


 忙しくて忘れてた。

 さて我らは貴族としては偉くても軍人。

 バイキング形式で量を確保してもらえば文句など出ない。

 美食家なんていねえもん!

 一番味にうるさいのはニーナさんだろう。

 自分で作るからだけど。

 次点で俺。

 ただしお安い料理限定。

 そんな俺はまぐろの刺身が大変美味しいのだけはわかる。

 逆に言えばそれくらいしかわからん。

 あとイカが美味しいな。

 ふむ……。

 そう勝手に納得しながら今度はウナギの蒲焼き。

 うみゃい……。

 満たされるわ……。

 白飯も食べる。

 うみゃい……。

 タンメンはすでに攻略済み。


「婿殿……どれだけ食べるのじゃ……」


 嫁ちゃんに向かって俺は冷静に言う。


「子どもがもうちょっと大きくなったら自由に食べられなくなるの。それまでは自由に食べたい!」


「我らロイヤルファミリーぞ。それはないと思うがの……」


「だってゼン神族に負けて落ち延びたら贅沢もできないもん!」


「勝て! というか婿殿……逃げられる計算なのじゃな……」


「本気で逃げればね! レプシトールに隠れ家買ってあるし!」


「待て、いま聞き捨てならないセリフが出たが?」


「偽名で惑星買った! レプシトール人なら犯罪者でも受け入れるし!」


「なんという惑星じゃ」


「命名権買ったから惑星カワゴン!」


「バレバレではないか!」


 完全に失念してた。

 たしかにバレバレである。

 さーて口を滑らせたせいか雲行きがあやしくなってきた。

 その夜、銀河帝国警察が過激派のアジトを捜索。

 二十人以上が逮捕されたという。

気がついたら二百万文字超えてました

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― 新着の感想 ―
すでに先行で忍者とか定住してそう。
検査して処分しろとか言う奴を検査して結果がどうであれ処分すればよい(どうせ陽性)……なお担当者は絶望君。 そもそもゾーク因子って遺伝子操作技術の事なのかな?
惑星名的に隠す気ないだろ…この宇宙怪獣…
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