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第七百五十九話

 レンが無事出産できて安心してたら、今度は嫁ちゃん。

 こっちは予定通り。

 レンよりも短時間で終了。

 普通種ヒトの産婦人科医療はとてつもなく発展してる。

 100グラムしかない小さな命、しかも六つ子。

 さらに言えばビースト種は病院で出産することの少ない種。

 ビースト種に比べたら症例が多くスムーズに進むのは当たり前か。

 外では連日お祭騒ぎ。

 クロノスだけじゃない。

 銀河帝国ではカミシログループと商社の皆さんによるフェスティバルが帝国各地で開催されてる。

 その経済効果は統計に表れて、グラフはここだけ跳ね上がってる状態。

 国庫をぶん回し、税務に関わる文官は「地獄のはじまりだ」と残業の到来を覚悟した。ごめんね。

 自動車や家が飛ぶように売れ、地方惑星の中古物件すら争奪戦に。

 畑を潰して高層マンションを建てるような愚だけには気をつける。

 いや高齢化で大きな介護施設が必要になったとかは除外ね。

 アホな開発すんなって話。

 そもそもゾーク戦争で焼け野原状態の惑星が大量にある。

 帝都惑星だって元通りになったのは帝都周辺だけだ。

 惑星レベルの都市崩壊だ。地方じゃ瓦礫の片付けすらまだ終わってない。

 数百年は食いっぱぐれない計算だ。あくまで計算上はね。

 帝都周辺の惑星は農業惑星と工業惑星に分けられ、ミストラル公爵家とカミシロ大公家で開発してる。

 カミシロ大公家には嫁たちの実家も含まれ……。

 要するにカオスかつ好き勝手に開発してた公爵会とその残党は排除。

 俺たちが合理的かつ計画的に開発した。

 経済成長率が怖い数値になりそうだ。

 クロノスやパーシオンも同じだけどね。

 レプシトール人は賢いので放置しても問題なし。

 経済犯罪だけ厳しく取り締まればいい。


「陛下、ご面会できます」


 というわけで妄想終わり。

 嫁ちゃんは酸素マスクをつけてた。

 当たり前だがレンの子より大きく、会っても大丈夫らしい。

 うーん生命の神秘。

 中に入ると嫁ちゃんが眠そうにしてた。


「嫁ちゃん……平気?」


「うむ……眠い」


「無理しないでね」


「我が子は……?」


「皇子様はこちらに」


 看護師さんが赤ん坊を連れて来てくれた。

 うーん、かわいい。

 レンの子ネコたちもかわいいし、こちらの普通の赤ん坊も格別だ。

 嫁ちゃんが抱っこする。

 軍用ナノマシンのおかげで帝王切開でもすぐに我が子を抱けるそうだ。


「……皇子。男子じゃな。妾が母ぞ」


 嫁ちゃんはちょっとボケッとしてる。

 あわてて体を支えると看護師さんが子どもを抱っこする。

 俺は嫁ちゃんを寝かせる。

 もう寝息を立ててた。

 子どもを看護師さんにお願いして退出。

 父親はここでも面会時間が短いのだ。

 カナシイ……。

 外に出ると儀式後の片付けをしてる末松さんがいた。


「陛下。おめでとうございます」


「どもども」


 そう言うと女官さんが「どうぞお納めください」とご祝儀袋を渡す。

 あらま、横に置いても立ちそうな厚さ!

 中はおそらく電子通貨に交換可能なギフト券かなと思う。

 こういうときしか使わないやつ。

 わざと厚く見せるものである。

 クロノス教の神官にも同じものを渡す。

 こちらはクロノス教の儀式に従った様式のご祝儀袋。

 なんだかな……とは思うものの、これは非常に重要なお金なのである。

 要するにスタッフの皆さんで打ち上げとして飲み食いする分とボーナスとして分けろっていう金である。

 末松さんのことだからうまくやってくれるだろう。

 クロノス教もだんだん俺のやり方を理解してくれてきたので問題は起きないだろう。

 レンのときも分けたし、クレアのときも配る予定だ。

 でも高位神官なら自分の子分に配らないといけないわけで。

 末松さんも神社の高位神官でもあるからスタッフに配るわけで……。

 ちゃんと配ると賄賂でもなんでもなくなる不思議。

 誰かが使わずに意味もなく貯めるからダメなのよ。

 ということで金は天下の回りものっと。

 お祭りは嫁ちゃん寝てるから大音量出さないでねってお願いする。

 そしたら警官隊とアマダ警備が客を誘導。第二会場へ移ってくれた。

 第二会場をすでに設置済みとな……。

 キッチンカーも大移動。

 クロノスの連中……どんどん巧妙になっていく……。

 そのとき顔出さないとまずいなと直感ちゃんがささやいた。

 挨拶だけと言って壇上に上げられる。


「クロノス王国、銀河帝国両国の市民の皆様のおかげで無事父になりました! ありがとう!」


 挨拶なんて一言でいいのよ。

 だれも聞いちゃいない。

 手を振って退場。

 護衛の騎士たちが食べものを買ってきてくれた。

 ついでにハーさんの店に焼き鳥を注文しよう。

 別にクレアの出産が終わってからでいいやと予約のつもりで連絡。

 え? すでに用意してる?

 第一弾はすでに宮殿に向かってるって。

 行動パターンが読まれてる……。

 ということで退院してきたレンと子ネコたちのお披露目会&嫁ちゃんおめでとう会である。


「ぎゃあああああああああああああッ!」


 汚い悲鳴が女子たちから上がった。

 モコモコの子ネコである。


「ぎゃわいいいいいいいいいいいいッ!」


 男が一人、他はみんな女の子だって。

 まだ目は開いてない。

 でも声帯はできたみたいでピキュピキュ鳴いてる。

 それが女官さんのタオルを敷いたベビーカーに乗せられてる。


「お腹空いてるの?」


 女子が聞くとレンが笑う。


「さきほどあげました」


「全員母乳なの?」


「さすがに六つ子なのでかわりばんこですね。市販ミルクも進化してますので」


「名前は?」


 あ、まずい質問来た。


「私はおそ●兄弟で行こうと思ったんですが、大反対されたうえにまだ決まってないんです!」


 女子が一斉に目をそらした。

 男子も俺を見る。

 安心しろ。絶対阻止する。

 だってかわいそうだもん。

 女の子なのに野郎の名前つけたくないもん。

 でもさ、その結果……神社に寺にクロノス教の仁義なきバトルに発展するとは思わなかった。

 もうさ、もめにもめまくってるの!

 そこに皇室の関係者も乱入して、さらに嫁ちゃんやクレアの子どもの名前まで含めた大バトルになった。

 もうわからないよぉ!

 名前一つでそこまでの騒ぎになるのぉ!

 死人が出そうなので話し合いで解決してもらおうと思う。

 あまり白熱したら後宮のおばちゃん軍団にまかせようと思う。

 このとき俺はお祭騒ぎで気づいてなかった。

 次代皇帝の保育チームがこちらに向かってることを。

 その中におかんがいることを!

 来んなババア!

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― 新着の感想 ―
さすがカワゴン種 あざといw
ゼン神族おとなしいな?嫁か子供に変な遺伝子の時限爆弾とか仕込まれてないよね?
>畑を潰して高層マンションを建てるような愚だけには気をつける。 あの伝説の山形の田んぼの中に生えているマンション、スカイ〇ワー41のようになっちゃうからね。
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