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第七百三十二話

投稿二周年!

これからもやるでよ~。

 屍食鬼討伐作戦が決行された。

 屍食鬼を見かけたら即ぶち殺すので有名なレオ・カミシロや聖女タチアナは作戦に不参加。

 新型機のテストとのことである。

 もともと覇権国家の国王や宗教的重要人物が前戦に出てくるのがおかしいのである。

 これは当たり前だ。

 銀河帝国精鋭部隊。

 スペース・レイダースと合流する。

 俺は人型戦闘機のパイロットとして参加する。なぜだ?


「いやー、隊長。パイロットだったんですね」


 ウタがニヤニヤしながら言った。


「士官学校出てるからな。適性あれば勝手に生えてくるんだよ」


「そういうのは憶えてるんですねえ」


 そうなのである。

 資格を取ったのや操縦法は憶えてるのに、学校のことはなにも憶えてない。

 医師によると脳の一部が物理的に損傷したとのことである。

 その頭蓋骨が割れてたみたいだ。

 かなり薄くはなったが。いまだに頭に傷がある。

 記憶はない。

 ナノマシンで治療したが手遅れだった。

 思い出の大半が失われた。

 記憶のバックアップも基地壊滅時にロスト。

 親の顔すら思い出せない状態だ。

 そのおかげで一部の兵士が抱えるゾークへの強烈な憎悪はない。

 記憶があるのは手術が終わって数日後に目覚めた後からだ。

 自分が誰かもわからずに病室でボケッとしてたら軍の偉い人がやって来た。

 俺は特例で士官大学校卒業し少尉に昇進。

 新しい部隊の隊長になると知らされた。

 病院を退院後、しばらくは後方で幹部研修をしてた。

 その間にゾーク戦争は終結。

 それなら内勤に配属だろうなと思ってた。

 でもそれは甘かった。

 ゲートの発見と外宇宙での国家の発見を研修所の食堂で流れてるニュースで知った。

 へー、すごいこともあったもんだ。と、ここまでは他人事。

 そしたら外宇宙行きの辞令が出た。

 なんでもゾークや外国勢力に敵対心を持ってない人材を派遣するとのこと。

 なるほど……。

 で、兵士になって数カ月で下士官になったウタとコンビを組まされたわけである。

 ウタは当時短大にいて、柔道の選手だったらしい。

 全国大会出場常連なれど永遠の二回戦選手だそうで。

 なので四年制大学の返済不要の奨学金はゲットできず悩んでたところ、公爵領にあった短大が物理的に崩壊。

 学長の公爵は公爵会メンバーだったため失脚。

 短大は解散。

 ゾーク戦争特別措置法で卒業扱いになったらしい。

 ゾーク戦争下では就職先も限られてて、結局軍に入隊。

 新兵教育キャンプに入った日にトマス遠征軍が崩壊。

 下士官不足により大学・短大卒業者は問答無用で伍長に昇進。

 さらに柔道の全国大会出場者ということで、伍長になった三日後に軍曹に昇進した。


「意味わかんねえッス。あははははは!」


 とのことである。

 さてそんなわけで名ばかり士官&名ばかり下士官&女性ばかりの兵士が放り込まれたのはスペース・レイダースと同じ船。

 ヤクザ顔のおっさんどもが俺たちをにらむ。

 するとスペース・レイダースの指揮官のヒューマさんが隊員に俺たちを紹介してくれる。


「銀河帝国宇宙海兵隊のレオ少尉殿だ。安心しろ。あの宇宙怪獣とは顔は似てるが別人だ」


 するとスペース・レイダースの隊員たちがほっとした表情になった。


「なんの話です?」


「少尉と顔だけそっくりな宇宙怪獣がいてな。前に隊員たちはたいへんプライドを傷つけられてな……」


 ヒューマさんのその目は遠くを見ていた。

 よほど悲しい出来事だったようだ。


「少尉殿には人型戦闘機のパイロットとして随行してもらう。皆はいつもどおりで頼む」


「はッ!」


「では目的地まで休憩せよ」


 ヒューマさんが出て行くと隊員の女性たちが、いかついオッサンの群れに囲まれる。


「君かわいいね。彼氏いる?」


 ナンパかよ。

 しかも獣人の女の子にまで声をかけてる。

 性癖の達人だらけだ。

 ウタも声をかけられた。


「キミ、すごいガタイだね。格闘技やってるの?」


「柔道ッス」


「俺レスリングやっててさ。どう、今度一緒稽古しない?」


 そこで俺は割って入る。


「はーい、お兄さん。はいそこまで~」


「なんだおめえは……って、その顔。……鉄骨持ったままプール往復しそうな顔してやがる……。喧嘩売るのやめとく。お前らもやめとけ~」


 どうやら俺と喧嘩するために挑発してたようだ。

 だけど俺の顔を近くで見てやめたみたいだ。


「あ~、そうっスね。この顔、冬山で特殊部隊を翻弄しそうなツラッスね。はい撤収、あとこれボクの連絡先」


 ひげ面のおっさんがウサギ獣人のジュディに名刺を渡す。

 ……本気で口説いてたのかおっさん。

 上級者だな。

 あとそのツラで『ボク』はやめろ。

 ジュディは「なんだこいつ?」って顔してる。

 スペース・レイダースの連中はトイレ&タバコ休憩。

 自由すぎるなおっさんども。

 俺はウタのところに行く。


「ウタ無事か?」


「あ、うん。平気ッス……って、も~少尉ったら嫉妬しちゃって。『俺の女に手を出すな!』なんて~ヤダ~♪」


 ウタがクネクネしながら軽口を叩く。


「そんなことは言ってねえ」


「も~照れちゃって~」


 だめだこいつ。

 照れてるのをごまかすために話を盛って原因を俺に押しつけやがった。


「あー、うん。ウタ……聞け」


「ナンスカ? いきなり真面目な顔して」


 俺はウタの手を取る。


「結婚してくれ」


「いきなりなんスかー!」


「お前がやってるのはこういうこと」


 そう言うとウタが無表情でベシベシチョップを繰り出してくる。

 痛い。

 派手な音がしないのが余計に痛い。

 力入ってないけど脱力からの遠心力で速いし痛い。

 それKOとれるタイプのチョップだから!

 すると隊員の女子たちが次々に俺を非難する。


「いまのは隊長が悪いですよ。ホラ謝って」


「そうですよ~。かわいそうでしょ!」


「俺が悪いの?」


 全員がうなずいた。

 え?

 俺が悪いの?

 嘘だ……本当に?

 ……俺が悪いらしい。


「あーわかった! 俺が悪かった! 焼肉おごるから!」


「お酒も!」


 ウタがぷんすかしてる。


「はいはい!」


「やったー!」


 ウタが勝ち誇る。

 また一万クレジットが消える……。

 こうして俺の給料はまたもやウタの食費に消えるのだった……。

 これ本当に結婚した方が安くすむんじゃね?

 なんて思ってたところで船が揺れた。


「屍食鬼の伏兵からの攻撃! 総員配置につけ!」


 緊張感の無いやりとりから一変。

 いきなり戦闘が始まった。

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― 新着の感想 ―
クローンレオくん...弟みたいなもんなら、通称アストラくんとか良さげ
某闇医B•Jのように顔に傷がある方が偽物(笑)
脱走した本物と遭遇して、入れ替わるエピソードとか出来そうですねw
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