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第六百八十七話

 おっかしいな。

 二等兵だから新兵研修じゃないの?

 なんで宇宙海兵隊の精鋭部隊であるスペース・レイダースの訓練受けさせられてるのかな?

 周り一等兵や下士官ばかりなんだけど。

 ナノマシンで急速治療後、頭を丸刈りにされてパンツ一丁で訓練に放り込まれた。

 で、いきなりプール訓練。

 軍服に着替えてプールにGO!

 プール訓練はすごく簡単。

 ダンベル持って無呼吸で深いプールの底を歩くだけ。

 息継ぎしようとしたら懲罰。

 選抜試験だったらそこで不合格。

 俺たちも無酸素で人型戦闘機の修理の訓練やるから余裕余裕。

 生命維持装置切れた状態から生存するってやつ。

 これくらいできないと死ぬし。

 いつもの訓練レベルだね!

 でもおかしいんだよね……。

 教官役でヒューマさんがいた。

 俺がサイドチョークしたとき怪我して首にコルセット巻いてる。


「なんだ二等兵! なにを見てる!」


「は! プールの底に『レオ・カミシロ・クロノス二等兵専用』と書いてあるH鋼が沈んでるようであります!」


 どう見てもビルの鉄骨だよね。

 なんか取っ手ついてるけど。


「お前専用だ」


「いくら何でも『死ね』と言ってるのと同じではないでしょうか!」


「銀河帝国皇帝ヴェロニカ様の下知である! レオ・カミシロ・クロノスは殺すつもりで追い込めと!」


 うっわー……嫁ちゃん本気で怒ってるよ。


「おら、さっさと行け!」


 蹴飛ばされる。


「他の連中も二等兵に負けたらぶち殺すぞ!」


「はい!」


 ふひーん。

 プールに潜って鉄骨の取っ手つかんで……。


「ふんがあああああああああああああああああ!」


 ぐぼぼって空気が漏れてしまった。

 うーん、修練が足りんな。

 なまってんな……。

 鉄骨を肩に担いで……ほいさ。

 そのままプールの底を歩く。

 これは低酸素に耐える訓練。

 距離は関係ない。

 ただ何も考えずにプールの底を往復するだけ。

 なんか後続が次々脱落していく。

 おいおい、そんなんじゃバイクで大気圏突入できねえぞ。


「てめえら! 鉄骨持ってるアホに負けるってどういう了見だ! ぶち殺すぞ!」


 なんでプールの底まで聞こえてるのよ。

 やだー。

 そうこうしてるうちに全員脱落した。

 文句つけられないようにもう一往復してから鉄骨置いて浮上。


「ぷはー! あははははは! いい運動した!」


 あー、楽しかった。

 するとヒューマさんは俺以外の兵を並べて怒鳴る。


「このカスども! 全員腕立て伏せ百回!」


 なんかよくわからかったので、俺も横に並んで腕立て伏せしようとしたら、ヒューマさんにプールに蹴り落とされた。


「おめえは休んでろ!」


「はい!」


 なぜかヒューマさんキレ散らかしてる。


「てめえら情けないと思え。あのバカ、本業王様だからな!」


「ヒューマ教官! 自分の本業はパイロットであります!」


「黙れ二等兵!」


 体拭いて着替えてすぐにランニング、障害物を添えて。

 はいはーい。


「……ヒューマ教官……なぜ自分だけ十字架を背負ってるでありますか? しかも鉄骨」


「……黙れ二等兵」


 あ、いまの『黙れ』は同情入ってた!

 なんかイソノの筆跡で『バカの墓』って書かれてるんだよね。

 十字架背負ったままみんなと走る。

 物理的に同じ装備にできないので銃とリュックは免除。

 はっはっはっは!

 どうせ空砲だからいいけどさ。

 ということで訓練。

 走る~。

 つうかいつもやってる訓練なので鼻歌交り~。

 鉄骨重いけど。

 垂直壁登りは物理的に不可能だけど……。

 あ、十字架をベルトで固定して登れ?

 あ、はい。

 ふんが!

 ジャンプして登って、飛び降りてっと。

 なんかガシャコンガシャコンと人型戦闘機が移動するような音してる。

 重量が重すぎるんだろうけど。

 はっはっは!

 網が見える。

 ここをほふく前進しろと。

 十字架がつっかえて入れない。

 物理的に不可能である。

 ……ほう。なるほど。

 ベルト外して。


「そーれ」


「レオ二等兵! や、やめ!」


 ヒューマさんが拡声器で怒鳴ったがもう遅い、

 俺は十字架をぶん投げ……おっと手元が狂った。

 十字架は回転しながら飛んでいく。

 ちゅどーん!

 そのまま先のロープ渡りの施設を破壊した。

 ふう……。

 ほふく前進。


「二等兵、ごまかすんじゃねえ! てめえふざけんなよ!」


 なぜか怒られた。

 そもそも網をクリアできないようにしたのが悪いと思うのよ。

 そもそもロープだって鉄骨背負ったままじゃ無理でしょ。

 ロープ切れちゃう!


「もういい! 無理なものはスキップしろ!」


 ということでロープ渡りはスルー。

 言われたとおりその場でスキップしながらスルー。

 るーんたったー。るんたった♪


「そのスキップじゃねえ! てめえあとで憶えてろ!」


 いえーいひゃっほー!

 後続も「あれ本当に人間か?」とか言ってる。

 人間ですよー!

 軽いランニングの最後に火炎放射器がグルグルしてるところを通る。

 これは得意なヤツ。

 避けようと思うから怖いのよね。

 パーソナルシールドのリチャージまでに抜ければいいだけ。

 こんなの怖くないよ~。

 バイクで大気圏突入するときは必須の技術だし。

 あ、ほいほい。

 サクサク進んでゴール。

 十字架置いて一休み。

 休んでると精鋭部隊の連中にヒューマさんが囲まれて抗議されてる。


「あのバケモノと同じことしろって言うんですか!」


「いやな……絶対に脱落するはずだったんだよ。壁で」


 あー、やっぱり嫌がらせだったか。


「あれが王様って嘘でしょ!? 『最近運動不足でさ』とかどの口でほざいてるんですか!」


「陛下の宇宙怪獣伝説って全部本当だったんですか!」


「そもそもゾーク戦争なけりゃ士官学校卒業段階で特殊部隊内定してたって本当なんですか!」


 ヒューマさんが嫌そうな顔する。


「本当だ。銀河帝国最強の特殊部隊に入る予定だった」


「あんなバケモノじゃないとなれないのか!」


 なんかざわついてる。


「違う。バケモノじみた体力もそうだが! 工兵でパイロット。重機も含めてあらゆる車両の免許持ってて、電気工事まででき、剣術は全国大会出場者と互角! あんなの特殊部隊以外どこに入れるんだよ! 特殊部隊は、バケモノじゃないと入れないんじゃない! 特殊部隊しか受け入れられるところがなかっただけだ!」


「でも本人は弁護士志望だったのにどうしてこうなった……ってぼやいてましたよ」


「即戦力手放すわけねえだろ! 本人だけがそう思ってるだけだ! 言わせてやれ!」


 もうさ、なんでもいいから早くしなよ~。

 オレ……ハラヘッタ……。

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― 新着の感想 ―
そりゃまあ、カワゴンですし。一般人と並べるのがそもそもの間違いなわけで。混ぜるな危険、と。
カワゴンとゴジラはどっちが強いの、っと
酷ぇ……!もはや笑うしかない。。。 ( ´ ▽ ` )
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