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第六百六十二話

 ということで、サッカーにバスケットボールの試合の裏で稽古が続く。

 人型戦闘機はシミュレーターにまかせる。

 今は剣術。


「はいぱこーん」


 クロノスの近衛隊の残りから一本取る。

 クロノスでしょ、太極国でしょ、鬼神国でしょ、それにラターニアの王宮警備隊まで。

 それどころかローザリアまでいる。

 剣術自慢たちが俺を倒そうと次々エントリー。

 カトリ先生の合同稽古……なのに俺はまとめて相手させられてる。

 面倒だから全員VS俺一人なのである。


「へ、陛下。なにかご指導を」


「えーっと、四方八方っていいますが、現実問題として一度に正面と背後から二人しか斬りかかれません。槍だと四人くらいまでかな。攻撃のバリエーションも制限されます。背後が本命なのは明らかですからね。なのでポジションを移動しながら相手を操作します。するとお互いが邪魔になって攻撃が詰まるのでチャンスです。二人まとめて斬りましょう。そしたらさらに後ろから……あとは繰り返しです。軽機関銃を剣で倒せるようになれば楽勝です」


「ところどころ解説がバグり散らかしてるように思えるのですが?」


 ローザリア近衛隊がブーブー文句言ってる。

 なお俺のこと知ってる勢は「ですよねー」って顔してる、


「そうじゃないとゾーク戦争で生き残れなかったんだもん! 俺が何回死にかけたと思ってんじゃい!」


「機関銃を剣でってとこです!」


「うちの幹部はみんなできますぅッ! 女の子のリコちなんてそれ専門みたいなとこあるんだからね!」


 リコちの場合、そんなことしなくても盾とガトリング持って掃討すればいいだけどね!


「化け物すぎるだろが!」


「いいからもう一戦! はい起きて! 国に恥かかせるなよ!」


「くっ! 行くぞ! 我らローザリアの意地を見せるのだ!」


 でも一人を全員でボコなんですけどね!

 ぽく痛いの嫌い!

 レイドボス扱いされた俺に隊員どもが群がる。

 やはり二人で斬りかかってきたので後ろのやつに背中から体当たり。どーん!


「ぎゃあああああああああああああッ!」


 道場の壁まで吹っ飛ばしてノックアウト。

 前の隊員の攻撃が当然来るから、前進。

 間合いを潰して柄でぶん殴る。

 突きだと怪我しちゃうからね。


「はーい、間合いを操作してくださいね~」


「陛下! 攻撃が読めません!」


「えーっと音ゲー的に解説するとですね。カトリ先生レベルになると目印が出るとぜったいに叩かれるんですね。なのでいかに目印を発生させないかが重要になってきます」


 そう言ってもう一人の目の前に移動。

 防具の上からワンインチパンチ。

 前に崩れていく。


「あとこれが重要なんですが、技の練度ってのは実は重要じゃないんです。武術家は相手を殺せると思って技を放ってるから相手を倒せるんです。なので皆さんも気合をこめてかかって来てください」


「レベルが高すぎてなにを言ってるかわかりません」


「だからこういうことです」


 もう一人が斬りかかってきたところで振り向き、人差し指を喉に突き刺す。

 はいノックアウト。


「そもそも武術って、なぜか相手より速く動けることを前提とした動きばかりですよね? それは初期から相手より速く動けると脳に錯覚させるためです。思い込みこそパワーです。思い込みと集中力。それがコツです」


「うそだああああああああああああああああああ!」


「嘘じゃないもん!」


 足払いと同時にノドチョップ。

 バランス崩した瞬間にホームラン。

 かっきーん!


「ね、相手より速く動けるでしょ」


「うそだああああああああああああああああああ!」


「思い込むために正確なフォームで血尿出るまで練習する。わかりますね。殺せるという自信のためです、武術家は何十年もかけて思い込むんです。そう……思い込みを実現できてしまうくらいに」


「あんた武術家だろうが!」


「だって剣術は武器の性能依存だもん! 武器の邪魔しなきゃ普通以上に戦えるの!」


「ひどすぎる理論を聞いた……」


「知ってますか……世界の真実は常に残酷なんですよ」


「カトリ先生! これでいいんですか!」


 稽古を見守ってたカトリ先生にバトンタッチ。


「こいつの理論に耳を貸すな。これはこいつだけの理論だ。ジェスターにしかできん」


「だって攻撃喰らわないで一方的に攻撃できれば勝てるでしょ!」


 そう、それこそが世界の真理。


「それができりゃ苦労しねえんだよ! ぶぁーか!」


「あー! バカって言った! 自覚してるバカにバカって言ったら戦争ですからね!」


 カトリ先生が真顔になる。

 そして言った。


「ばーか」


「うわああああああああああん! いいもん! まとめてかかって来いや!」


 たくしゃん稽古した。

 そしたら今度はエディにバトンタッチ。

 指導の続きをしてくれる。

 汗を流すためにシャワーを浴びる。

 いやーやはり肉体労働っていいよね。

 運動着に着替えてっと。


「じゃ俺、軽くランニングしてくるね!」


「嘘だろ……化け物かよ……」


 化け物じゃないもん。

 ということでアデュー。

 メリッサもランニングに参加する。


「ねー、隊長。それでいいの?」


「だってメリッサも古流だからわかるでしょ。古流は理論じゃ説明できない技だらけじゃん」


「そうだけどさー」


「でも実戦じゃ使えるでしょ」


「そうなんだけどさー」


「考えるだけ無駄ってことよ」


「そうなんだけどさー! それもう奥伝の話じゃん!」


「だってスポーツなんだから、結局ヘタな理論よりインプットよりアウトプットの試行回数増やせって話でしかないじゃん」


「本当にそうなんだけどさー……身も蓋もなさすぎる」


「命を賭けないで練習できるんだから到達可能な距離でしょ」


「命を賭けないで練習するから到達できないんじゃないかな!」


「はっはっはっはっは!」


「あーあ、かわいそうに。世界が目標地点を知っちゃったよ……」


「それはカトリ先生がどうにかするでしょ。別に俺は武術家じゃないんだし」


 その後も稽古を繰り返す。

 エディの稽古は大人気。

 俺の稽古は大変不人気である。

 カナシイ。

 でもさー、俺単騎より強い存在が存在するしな~。

 最終形態のゾークマザーとか。

 俺は大海を知ってるタイプの蛙なのよ。

 なんて稽古を繰り返してたら大会当日になったのだ。

 はっはっは!

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― 新着の感想 ―
音ゲーのそれって初見の曲を目隠しイヤーマフしたままでフルコンボするって事じゃね…?
アムロ•レイが「弾幕の中って敵が来ないんですよね。」っていうことと同じ意味だと思う。 そのせいでブライトさんが常々「弾幕が薄い!」って砲撃手を叱責する理由だと思います。 同じくらいの技量で弾幕をかわす…
そもそも集団戦が出来るのに剣に拘るから行かんのよ。そこは槍とかにすれば良い そうすれば文字通り四方八方から攻撃が可能になるし、隙間からの援護も可能になる 攻撃距離が長いってそれだけで有利を取れるんだか…
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