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おまけ おっさん、生贄文明を滅ぼす

 今回のお達しは、文明を滅ぼすということ。

 どういう文明なのかというと生贄文明だ。


 この文明は色々な物を得る手段として生贄魔法を利用している。

 それは物質的な物から、エネルギーに至るまでありとあらゆる物を生贄から得ている。


 モンスターだけを生贄するならまだ許せた。

 だが、親兄弟も生贄に平気でする文明だ。

 まあ、俺も生贄は使ったが、それが文明になるとこうも醜悪になるのか。


 だが、生贄魔法は無敵に近い。

 魔法を足元に展開すれば、それでもう終わりだからだ。

 特別な防御魔法でも使ってなければ一瞬で干からびて塵になる。

 術者には魔力が流れ込んできたり、強大な魔法を駆使したりできる。


 特権階級は生贄兵というものを連れている。

 それを外部バッテリーみたいに使う。


「おい、お前ら、生贄にされて怖くないのか?」


 俺は生贄兵に話し掛けてみた。


「生贄にされるのは喜び。天国に行けるんだ。早く生贄にされたい」


 こんな感じの返答しか返って来ない。

 こういう返答は産まれた時から生贄兵の奴ら。

 捕らえられて、生贄兵になった者もいる。


「反乱したくないのか?」

「契約魔法で縛られている。反逆などできない。頼む、俺のことを忘れないでくれ。生贄にされて塵になって、墓も作られないのは嫌だ」

「ああ、忘れないよ」


 助けてやりたいがこういった奴らはごまんといる。

 俺がお尋ね者になったら永遠に事態の改善は見込めない。


 ダンジョンを作る。

 攻略させないためのダンジョンだ。


 湧くモンスターは、インテリゴブリン。

 頭が良いのが特徴のゴブリンだ。


 こいつらは、爆薬を積んだドローンを操作する。

 ドローンは機械なので、生贄には出来ない。


 いくら生贄兵を連れていようが、ドローンの波状攻撃には耐えられない。

 ダンジョンからドローンが出撃。

 都市が攻撃されていく。

 ダンジョンに踏み込んだ者も、ドローンによって殺されていった。


 ダンジョンには魔力が沢山ある。

 ドローンを作るのは容易い。


「世界の終わりだ!」

「何でこんなことに!」


 逃げ惑う市民達、こいつら分かってないな。


「生贄の文明なんか作るから、神の怒りが落ちた」


 俺がそう言うと、やはり分かってないようだった。

 生贄が罪深いと俺は知っている。

 だがこいつらはそうじゃない。


 物を消費するみたいに簡単に生贄を使う。

 契約魔法の主を上手く殺せて、自由になった生贄兵がいる。

 捕まって生贄兵になった者は地下に潜ってレジスタンスになることにしたようだ。

 インテリゴブリンがドローンで見て、教えてくれた。


 レジスタンスは、解放された生粋の生贄兵に色々と教え始めた。

 さて、レジスタンスを支援してやらないとな。

 スキルオーブが良いだろう。


 だがダンジョンで、それを手に入れるのは容易ではない。

 ドローンの弱点を教えるのは駄目だ。

 それは生贄文明側にばれて利用されるからだ。


 なので、計算問題ダンジョンを作った。

 計算問題が出されて正解すると先に進めるダンジョンだ。

 しかも、このダンジョンの入口で、生贄を忌避しているかの問いが投げかけられる。

 嘘をついてもだめだ。

 嘘判別魔法を使っているからな。

 生贄を享受しているとトラップで死んで中には入れない。


「いちいちがいち、いちにがに……」


 レジスタンスのメンバーが計算力を鍛える。

 計算問題ダンジョンでスキルオーブを獲得するためだ。


「ムニさん、魔法スキル持ち続々と生まれてます。ただ、あいつらは生贄兵で魔力を補充できるので、分が悪い」

「なるほどな」


 これを解決するには魔石から魔力を吸い取ることだな。

 そういうスキルもダンジョンのドロップ品に追加しておこう。

 計算問題ダンジョンでも魔石は産出されるからな。


 生贄文明と魔石文明の戦いがいま始まった。

 魔石文明は魔石を根幹とする文明だ。

 魔力補給も魔石からだし、便利な道具も魔石を使った魔道具だ。


 戦いは徐々に魔石文明が押し始めた。

 ダンジョンから無限とも呼べる量の魔石が産出されるからね。

 生贄兵の数とは比べ物にならないほど魔石は多い。

 どうやら、今回の仕事も終わりのようだ。


 俺も反省しないとな。

 生贄するのは良くない。

 肝に銘じてこの世界から去った。


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