おまけ おっさん、飢饉を解決する
今回のお題は飢饉の解決。
日照りと蝗害が続いたのが悪い。
ダンジョンで食べ物をドロップするのも手だが、とてもじゃないが民の全てには行き渡らない。
なぜなら、最初の階層ならモンスターを100匹倒して一食分ぐらいだからだ。
ドロップ率も低いからそうなる。
ダンジョンは試練だから甘くはできない。
食材なら総菜より価値が低いので、もう少しましにはなるが、どうにもな。
導入として食材のドロップは構わない。
だが飢饉の根本的な解決をしないとな。
水不足は水路を引けば良い。
蝗害がな。
異世界のイナゴは地球のより凶悪だ。
生命力が強いからなかなか死なない。
まあ、モンスターなのでそうなるのは仕方ない。
「助手、来いアルマ、エリナ、モニカ」
「はいな。みんなガリガリやな」
「来たわよ。飢饉の真っ最中ね」
「闇のある所、我も現れる。ふむ、ここは闇というより餓鬼の世界」
状況を説明。
「水路を引く力なんかないんとちゃう」
「もう、食料をばら撒いてあげなよ」
「モンスターに襲われない。要塞畑を作るのだ」
ふーむ、水路を引く力はないか。
たしかにその通りだな。
食料をばら撒きたいが、試練との兼ね合いがな。
イナゴモンスターに襲われない要塞の畑か。
作る気力がないだろう。
それに大人数を養う畑を要塞化するのは容易ではない。
なので、ダンジョン畑化計画。
ダンジョンならイナゴモンスターに入られても、モンスターに退治させられる。
水もダンジョンの中なら供給できる。
ただダンジョンの中はモンスターの楽園だ。
畑を守るのは大変だな。
柵を作って守るしかないが。
さてどうする。
頑丈な柵の材料はドロップ品でなんとかなるが、人々の気力を取り戻さないとな。
仕方ないのでモデルケースを俺が作る。
ダンジョンの中に畑が出来上がった。
当然ザコ敵であるゴブリンが野菜を食いにくる。
まあ、俺達には余裕だが。
そして、地上の人々を畑に案内した。
これからはお前達が管理して、畑を広げていくんだと演説した。
畑の作物を平らげた人々は、種を蒔いてモンスターから作物を守った。
モンスターを倒すとたまに食べ物がドロップするので、畑の作物ができるまではそれで食い繋いでもらう。
ボスのドロップ品は、大量の食糧を用意した。
目の色を変えて、人々がボス討伐をする。
犠牲も出たが、なんとかやっている。
モンスターからドロップした柵や肥料で畑は広がる。
雨は定期的に降るようにした。
天気は良い。
極端な日照りなどない理想的環境だ。
イナゴモンスターがダンジョンに入ると、ゴブリンなどがそれを食った。
ダンジョンのモンスターは魔力で出来ているので、倒しても肉は食えないが、魔石は残す。
魔石で食料が買える自販機を設置した。
外のイナゴモンスターは血肉はあるので倒すと、一応は食える。
魔石は自販機で使えるので二度美味しい。
ただイナゴモンスターの群れの中に入ると、齧られて一瞬で骸骨だ。
なので、イナゴモンスターを捕まえる罠をボスのドロップ品に付け加えた。
安全にイナゴモンスターを食えるようになった。
ダンジョンの中には家も出来た。
この分なら、蝗害が収まるまで生き延びられるに違いない。
蝗害が収まったら、水路を引いて、日照りには負けない畑を地上にも作るように言おう。
ダンジョンの中に街ができた。
畑の拡張は相変わらず続いている。
好循環が生まれつつある。
ガリガリの人も減ってきたのは良い事だが、イナゴモンスターは不味いみたいで食う人が減ってきた。
佃煮にする方法を教える。
ただ20センチもあるイナゴモンスターは堅い。
かなり煮込まないと。
今まで食っていたのは蟹を食うみたいに身だけを食っていた。
何か美味い食い方はないかな。
粉にすると良いらしい。
20センチはあるイナゴモンスターの腹を裂いて、魔石と内臓を取り出す。
天日干ししてカラカラに乾燥させたら粉にする。
小麦粉とかに混ぜて焼く。
けっこう香ばしい匂いのする食べ物が出来上がった。
栄養的には昆虫食は体に良いんだろうな。
粉にしてしまえば佃煮みたいに棘が痛くない。
イナゴパウダーが特産品になるのも遠い未来じゃないかもな。
ただ、蝗害の範囲は世界規模だから、交易品にはならない可能性大だけど。
イナゴパウダーとそば粉を混ぜて焼いたガレットみたいな食べ物が流行った。
自販機の品物に甘い生クリームを加えた。
なんちゃってクレープは流行った。
イナゴパウダーが主食と呼ばれる日も近いのかもな。




