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おまけ おっさん、モンスター保護団体を立ち上げる

 あー、モンスターが絶滅危機の世界ね。

 人類が頑張り過ぎたんだな。

 まあ、モンスターが絶滅しても困らないが、世界的にそれはよろしくないんだろうな。

 地球も、人を襲うような肉食獣でかなり数を減らしたものはある。

 だが、種の絶滅は良くない気もする。


 なんの役に立つか分からないからな。

 役に立たなくても種が減ることは悲しい。


助手(アシスタント)、来いアルマ、エリナ、モニカ」


「はいな」

「来たわよ」

「闇の衰退を感じる」


 この世界の現状を話した。


「モンスターは脅威だけど、絶滅まで行くとな」

「ダンジョンで増やすことはできひんの」

「できるが、すぐに狩られてしまうんだよ。そしてダンジョンコアが持ち去られる」


「見た所、武器が地球レベルね」

「そうなんだ。銃火器が基本なんだよ。だから剣なんかより強い」

「ええと、普通のばあい、遠距離武器は魔力が通ってないから、モンスターに通用しないはずだけど」

「ここの武器はそれを克服している。だからもうやりたい放題」


「闇の力を増幅。これに限る」

「魔力は満ち溢れているんだよ。ダンジョンがほとんどないからな。地中から湧き出る魔力の消費も追いついてない」


 問題はふたつか。

 ダンジョンが少なすぎる。

 モンスターが絶滅しそう。


「人類の優位は揺るがないから、弱者救済の心ね」

「そういう情に訴えるしかないよな」


 人類側の武器が強すぎるのが根本原因か。

 俺は冒険者協会という所に行った。


「ええと、話がある」

「アポはありますか」

「いやないが、ここで俺を追い返したらおたくらきっと後悔するぞ」


 ちょっとはったり。


「仕方ありませんね。私が聞いて上に掛け合うか決めます」

「そうか。まず、ダンジョンのレジャー化だ。ダンジョンでのモンスター討伐は遊びにする。コアを取るのは禁止だ」

「ダンジョンコアが有用な資源だと分かって言っているんですか?」


「もちろん。だが、ダンジョンていうのは株分けできるんだぜ。育てて増やしてから収穫した方が利口だろう」

「初耳ですね」


 もちろん嘘だ。


「俺は人工的に株分けする技術を持っている。ただ、せっかく株分けしたのに育つ前に刈られちゃ、やる気をなくす」

「そんな技術があるんですね」


「ダンジョン保護法案を作って、ダンジョンコアを取って良いのは5年に1回ぐらいにしろ」

「なるほど」


 そうすれば自然発生する数で、ダンジョンの数が減らなくなる。


「そして、ダンジョンの入場料で稼いだ金はモンスター保護の活動に充てるんだ」

「モンスターを保護するんですか」

「滅びて良い種類の生き物はいない。そういうのが分からないといずれ人類が滅びるぞ。俺は心からそう思っている」

「この魔道具に手を置いて言ってもらえます」


 魔道具に手を置いた。


「滅びて良い種類の生き物はいない。でないといずれ人類が滅びる」

「あなたは心からそう思っているみたいですね。嘘判別の魔道具は欺けません。いいでしょう上に掛け合ってみます」


 思っているよ。

 地球の自然をテーマした番組とかみると、動物の種類が減ると、いずれそれが跳ね返ってくるんじゃないかと本気で思う。

 嘘じゃない。


 まずは、ひとつダンジョンを株分けしてみろと言われた。

 言われた通りにダンジョンを作る。


「信じられんな」

「協会長、ダンジョンを株分けできるなんて、画期的というしかないですね」


 俺は何百ものダンジョンを作った。

 ダンジョンでのモンスターの狩りはスポーツになって、金持ちの娯楽になったようだ。


 ダンジョンの入場料で協会はウハウハに。

 そして、その金で地上にいるモンスターの保護区などができた。


 保護区には電気柵が設置してあるので大抵のモンスターは人里に来ない。

 モンスターと人類が上手く共存する世界が出来始めた。


 密猟はあるみたいだが、協会の資金は潤沢なので、上手く取り締まれている。

 モンスター保護の団体も出来て、そういう番組も作られた。

 滅びて良い生き物はいない。

 そのスローガンのもとにやっている。


 増えすぎたら、今度は問題を起こすのだろうな。

 協会には個体数の把握はしっかりやって間引きはしろよときつく言っておいた。

 これで大丈夫だろう。


 概ね満足のいく結果。

 だが、地球でも動物保護は難しい問題だ。

 増えすぎると摩擦を起こす。

 行政が柔軟に対応できないと、大問題に発展する。

 どうも行政というのはそういうのが苦手なようだ。

 この世界の冒険者協会はどうなんだろうな。


 また見に来て問題があるようなら、その時に考えるか。


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