精霊?幽霊?
「そうこなくっちゃ!見直したぜデロンデロンさんっ!」
ディロンの決断に真っ先に反応したのはアルシーアだった。その頬が紅潮し瞳に生気が蘇る。
だがラズラットは即、抗議の声を上げた。
「そんな!無謀過ぎます!コドモの言う事を真に受けるなんてどうかしてますよ、ディロン様!シルス君の持つ精霊が良精か悪精かもわからないのに!」
ラズラットはディロンに尊敬の念を抱いている。
騎士団の中では『冷徹』と恐れられるほどに、いつ如何なる時も冷静沈着なディロンが『ルーフェルメ救出』と宣うとは夢にも思っていなかった。
思わず『どうかしている』と無礼極まりない文句を口走ってしまう程に驚愕の色を隠せない。
アルシーアはそんなラズラットの態度が気に入らない。端的に『ムカついて』いるのだ。
「ズラさんはさ!シルスは悪い精霊に騙されてて、ルメを探しに行っても無駄だって言うのかよ!?なんでだよっ?リカっ!黙ってないでなんか言ってやれよっ」
ルーフェリカは戸惑いを隠せない。
――シルスちゃんはどうしちゃったんだろう?
――何を言ってるんだろう?
――生きてる?ルメが?なんでそんな……
――そんなコトって……そんなコトって……!
ぽっ。と、ルーフェリカの胸中に熱い『何か』が生まれた。
「……まあまあ、シアシア。落ち着いてぇ」
ルーフェリカはニヤリと口の端をつり上げた。それを見てアルシーアは即、理解する。
――コイツは、また何か思いついたな?
ルーフェリカが後ろに手を組み、ポニーテールを揺らしながらゆっくりとラズラットに近付いていく。その歩き方と口調は何処か芝居じみていた。
「ラズラットさんさあ……街の武器防具屋さんでさあ……シルスちゃんの脇の下じーっと観察してたよねえ?」
「あれは……っ、シルス君の魔法紋様を見ていただけであって、ハーフエルフの女の子の脇の下を観察していた訳ではないのだよ?まさか……僕を脅す気かい?」
「まさかそんなあ!今はまだ小さな街だけど、いずれこの島を統べるであろうアールズ!そのアールズ騎士団の一員に!いたいけな美少女ハーフエルフの脇の下観察してた変態騎士がいるって事を言いふらそうなんて!これっぽっちも思って無いよう、ラズラットさーん!」
まるで演舞をする様に、大袈裟な身振り手振りを加えてルーフェリカがいつもの大きな声で言うと、ラズラットはがくっと肩を落とした。
理由はどうあれ、端から見れば『若い男がハーフエルフの少女の脇の下をじっと見ていた』という事実に変わりはないのだから始末に負えない。
ルーフェリカは歌いながら繰り返す。
「いたいけな~♪美少女ハーフエルフの脇の下を~♪観察してた変態騎士がいるって~♪言いふらそうなんて~♪これっぽっちも思って無いよう♪ラズラットさ~んっ♪」
「歌わなくていいよっ。言いふらす気満々じゃん……」
「あれぇ?ラズラットさんも『じゃん』なんて言うんだー♪意外だなー!あっははー!」
「その笑い方を聞くのは久しぶりな様な気がするよ……もう一度言っておくけど、あれは魔法紋様を見てただけだからね?」
「一緒に来てくれますよねえ?あたし達のコト、守ってくれますよねえ?」
ルーフェリカが胸の前で手を組み、ぱちぱちっと乙女まばたきをして見せた。
「キミはしたたかだね、ルーフェリカ君……」
「あっ、それよく言われるかもっ。まいどありい♪」
ラズラットは折れた。
ルーフェリカはしたり顔である。
何故かしょぼんと肩を落としているシルスの背をアルシーアがパン!と叩いた。
「やったなシルスっ!ズラさんもルメを探しに来てくれるってさ!」
シルスは頬を膨らませ少し拗ねているようだった。
何故ならば。
「ラズラットさんに……」
「あん?ズラさんに?」
「コドモって言われた」
「それかよっ。いーだろコドモなんだからっ」
「シアさんまでっ?ひっどーい!」
ルーフェリカがつついっと二人に近付き、いたずらっ子の顔で言う。
「シルスちゃんはオトナだよう?シアシアと一緒にオトナの階段登ったじゃん♪」
アルシーアとシルスは、はっ、と顔を見合せ、パッ、と視線を反らした。
「そっ!それを今、ぶり返すなよっ!」
「シアシア、顔真っ赤だよ?あっははー!」
「あっ、アレは数に入らないヤツですようっ」
「シルスちゃんも赤くなっちゃったねー!カワイイよっ!」
シルス達に笑顔と覇気が戻ったのを目の当たりにし、ラズラットがディロンに向き直り進言する。
「……ディロン様」
「なんだ」
「良いご決断かと、思います」
「……そうか」
「彼女達には笑顔でいて欲しいですからね」
「騒がしいのは頂けないが、な」
良い決断だとは言うものの、懸念材料が消えた訳ではない。
未知なる場所への探索。
限られた水と食料。皆の体力と時間。
ルーフェルメが無傷であるとは考えにくい。
懸念材料を数え上げればキリが無い。
「行動は早い方がいい。皆、準備をしよう」
ディロンの指揮の元、一行はルーフェルメ救出に向けての準備を始める。
『ルーフェルメは生きている』
シルスの持つ精霊『のてて』と『れてて』の言葉を唯一の希望として。
◇
一行はルーフェルメ救出を最優先とし先を急ぐ。皆、竜退治の事など、とっくに頭の中から抜け落ちてしまっていた。
先頭のラズラットとしんがりのディロンが魔法のランタンを持ち、休憩を挟みつつ更に深部へと進む。
ごつごつとした足場は歩きにくいが滑らない。それだけは一行にとってプラス要素となっていた。
魔物の気配は無いが植物も無く、生命の気配も一切無い不気味な事この上ない空間である。
ランタンの灯りが照らす岩は、灯りの当たる角度によって人の顔や怪物の姿の様にも見える。
一行の真ん中を歩くシルスが時折、ひいっ、と小さな悲鳴を上げると、その後ろを歩くアルシーアもつられてびくっと肩を震わせた。
「にゃんだよっ、ビビってんにょかっ?」
「ビビってないですようっ。コワイだけですようっ」
――どっちも同じ意味なのでは?
しんがりを歩くディロンから見ればアルシーアの方がよっぽどびくびくしているように見えるが、余計な事などもちろん言わない。
幸か不幸か、何事も無く深部へと行軍は続き、先頭を歩くラズラットが何度目かの質問をシルスに投げ掛けた。
「シルス君の精霊は何か反応しているかい?」
「あ、いえ……まだ何も……」
「そうか……何か反応があったら教えて欲しい」
「ハイ……」
シルスは少しずつ不安になってきていた。軽く二時間は深部へと歩みを進めているが、リュックの中からは何の反応も無い。
――のててちゃーん。れててちゃーん。ホントにルーフェルメさんに会えるのかなあ?不安になってきたよう……
「皆、一旦休憩を入れようか。それぞれ何か口にするといい」
大穴の外は夕暮れ時を過ぎ、その縁に僅かに届いていた太陽光がもたらす明かりは失われ、魔法のランタンの灯りが無ければ辺りは真の暗闇である。
暗闇に乗じて先刻の様な魔物の類いが現れるかも知れない。
ディロンとラズラットは神経を尖らせ、ルーフェルメの時の様な失態を二度と繰り返さない為にも周囲への警戒を怠らない。
シルスが見張りをするラズラットに、乾パンとカップに入れた熱いスープを手渡しに行く。
「ラズラットさん、これ、どうぞ」
「ああ、ありがとう」
「あの、ラズラットさんっ。聞いてもいいですか?」
「うん?何だい?」
「ラズラットさんの魔法の眼で精霊って見えますか?」
「残念ながら見えない。精霊は自然の摂理に沿って存在するものだからね。僕の魔水晶の眼で見えるのは魔法が関与しているものだけなんだよ。シルス君の魔法紋様みたいにね」
「そうですか……」
「僕からもいいかな?シルス君の精霊って、元は何の精霊かわかるかい?」
「えっ?元は?って?」
「綿ボコリに宿る前の状態の事なんだけど……例えば風の精霊とか、木霊の精霊とか。綿ボコリだから火の精霊は無理だろうし……もしかして知らなかったりする?」
「あ、ハイ……知らなかったりします……」
「そうか……」
沈黙。長い沈黙。
ルーフェリカはいたたまれない想いで二人を眺める。
二人の間に乙女の大好物的なロマンスでも起きないものかと、少々の期待をしていたのだが。
――お子ちゃまシルスちゃんにはまだまだ縁遠いみたいだなー。こっちはどうかなっ?
と、ディロンに乾パンとスープを持って行ったアルシーアの方を見てみると。
「なんだよあたしの乾パンが食えないっての!?」
「私は訓練で鍛えられているから大丈夫だと言っているだけだよ、アルシーア。君達で分けあって食べてくれればいい」
「ヒトがせっかく気ぃ利かしてやってんのによー!なんだよイシアタマ!」
「私は『気を利かせてくれ』とは頼んでいない筈だが?」
「あー、ハイハイそーですかー、だ!なんっだよもうっ!」
――あ~あ。またケンカしてるし。っていうか、シアシアが勝手に怒ってるよね、いつもね。
アルシーアはプンスカとご立腹だが、ディロンはしれっとしたものである。
幾度と無く目にしてきたやり取りをこの様な場所でもやってのけるとは。
――肝が据わってるというか、おバカさんっていうか……面白いなあ、シアシアは。
シルスがラズラットの元から戻り、魔法の炎の前に座ってカップに入れたスープを一口飲んだ時だった。
「えっ……あれ……何ですかね?」
「え!?なにっ!?また何かいるのっ!?どこ!?」
アルシーアがシルスの言葉に敏感に反応し、ルーフェリカにぎゅっと抱きついた。
「ぐえっ。くっ、くるしっ!シアシアっ!離し、てっ!」
「コワイのヤダっ!」
「コドモかっ!」
突然の羽交い締めの様なアルシーアの抱きつきにルーフェリカは目を白黒させる。
アルシーアの肝が据わっているのはディロンに対してだけであって、怖い物には腰が引けるのだと今更ながらに気付かされるルーフェリカであった。
シルスの視線の先に。
魔物と遭遇した時と同じく。
それは突然、現れた。
ディロンとラズラットが迎撃体勢を取りシルスの視線の先を注視するが、何も見えない。
――白いモヤモヤ……何だろう?
シルスの瞳に映る白い影。それは音も無くゆらゆらと宙を漂う様に近付いてくる。
いや。
それは間違い無く、宙に浮いていた。
始めぼやけていた輪郭が徐々に鮮明になり、白い影の姿が見えてくる。
――……女の子?
白い少女、という形容詞がピタリと当てはまる少女の姿。
足首を超える長さの白い髪。
血の気の無い肌は雪の様に白い。
着ている物は白いノースリーブのワンピースのみで、宙に浮く小さな足は何も履かず裸足である。
ひときわ目を引くのは、その瞳だ。
血よりも赤い深紅の瞳。
顔は小さく深紅の瞳が大きく見える、妖艶な雰囲気すら漂わせる美しい少女である。
その姿はシルスが子供の頃、母に読み聞かせてもらった物語に出てきた吸血鬼を連想させた。
人の姿をしているがどう考えても人間では無い。
だが、凶悪な邪気も負のオーラも無いその少女にシルスは一切の恐怖を感じなかった。
――ゆっ、ユーレイっ?でも、なんか違う?わたしよりちっちゃい女の子……
足が宙に浮いているにもかかわらず、小柄なシルスより背は低く華奢である。
ふわりと音も無く宙を漂うその姿は幽霊そのものだが、見えているのはシルスのみ。
その少女は、前方を注視したままのラズラットとディロンの間をすうっと通り抜け、シルスの目の前でピタリと止まった。
『待っておったよ、ハーフエルフの小娘よ』
「しゃっ!喋ったっ!?」
『喋るわい。悪いか』
「ゆゆっ、ユーレイしゃんなのっ?」
『違うわい。オマエ達の言う所の精霊ってヤツに近いかな?』
「だってっ!身体が透けてるよっ?」
『それはオマエがハーフエルフだからじゃ。純血のエルフならワシの姿はくっきりはっきり見えるハズじゃ』
「なんでそんなヘンな喋り方なのっ?喋り方がヘンだよっ?」
『オマエ、いちいちウルサイのう。なんで同じ事を二回言うんじゃ。ちょっと落ち着け』
「はっ!ハイ……」
白い少女に諭されてシルスは深呼吸をする。
シルス以外に白い少女は見えていないし声も聞こえない。
急に一人芝居を始めたシルスを見て、残る四人は呆けた様にして見守るしかなかった。
どうやらシルスは何かと会話をしているのだと推察し、ラズラットが問い質す。
「……シルス君には何が見えてて、誰と喋ってるんだい?」
魔水晶が埋め込まれた『魔法の眼』を持つラズラットにさえ見えない未知の存在。
シルスの一人芝居の言葉を繋ぐと。
『幽霊ではないが身体が透けているヘンな喋り方をする何か』
という事になる。
「えっ?見えないんですかっ!?聞こえないんですかっ!?なんでっ?え!?なんでっ?」
「え!?どこ!?なんも見えないよ!?」
「しっ!シアシアっ!苦しいっ離してっ。落ち着いてっ」
アルシーアは激しくルーフェリカにしがみつき、首を絞められる形のルーフェリカは身動きが取れないままだ。
ディロンは周囲に警戒を払いつつ、シルスの様子を伺う。
――精神錯乱状態には見えないが……幻覚でも見ているのか?
その少女はシルス以外には興味が無いのか、残る四人をちらりとも見ずにシルスの真正面に浮き言葉を続けた。
『オマエ、精霊を連れておるじゃろ?なかなかに珍しい精霊じゃ。ちょっと見せてたもれ』
「えっ?ヤダっ。たもれないよっ」
『たもれないてなんじゃい。初めて聞いたわ。なかなかにハッキリ断るヤツじゃな。では、交換条件を出そう』
「交換条件っ?」
『オマエ達、ニンゲンの女を探しに来たんじゃろ?長い髪を二つに束ねたヤツじゃ』
「えっ!?知ってるのっ?」
『上から落ちてきたから実験材料に取ってあるんじゃ。ワシが助けたんじゃ。苦しゅうない、感謝せい』
「ルーフェルメさんは無事なんだねっ?良かった……って!じっ、実験て!?何のっ?」
『オマエ達、ワシのペットに襲われて成敗したじゃろ?あんな感じにな、使おうかなとな』
――ペット?あの魔物のコトっ!?
シルスの脳裏に甦る不気味な魔物の姿。
牛と馬と豚を合わせたような頭部に人間の男性の胸部、下半身はカモシカの胴体を無理矢理付けた様な異形のバケモノ。
「あの魔物を造ったのっ!?材料って……殺して造ったのっ!?」
『違うわい。勝手に落ちてきて死んだヤツの使える部分をくっつけたりひっつけたりしてあんなカタチになったんじゃい』
「えっ!?そんなひどいコトをっ!?」
『魑魅魍魎をこさえ従わせてナニが悪い?百鬼夜行はワシの生業みたいなモンじゃからな』
「ちみも……こさ?あの、ナニ言ってるかわかんないんだけど」
『知らんわい。それはオマエの勉強不足じゃ』
「とにかくっ。ルーフェルメさんを実験材料に使うなんてダメだよっ!?」
『だから言うたんじゃ。オマエの精霊と交換じゃ、とな』
「ルーフェルメさんと、のててちゃんとれててちゃんを……交換?」
『のて?れて?ナニを言うとるかわからんが、まあ、そういうコトじゃ』
「えっ?でも……」
シルスは精霊達の言葉を思い出す。
微睡みの中で精霊達は『チカラが戻る』と言い、誰かに出会うとは一言も言っていなかった。
チカラが戻るとはどういう意味なのかは気になるが、ルーフェルメの命には代えられない。
シルスは逡巡する事なく決断する。
――わたしは!ルーフェルメさんを助けたい……!ごめんね、のててちゃん、れててちゃんっ!
この旅で使い続けくたびれ果てたリュックの中をごそごそと引っ掻き回すようにして取り出したのは。
きゅうきゅうに圧し固められ、ぺたんこになった綿ボコリ。
白い少女はそれを見てポツリと一言。
『汚いのう』
「元はホコリなんだから仕方ないでしょっ。ゴメンね、のててちゃん、れててちゃん……」
――シルスちゃーん……このお方だよー……
――ボク達の……様、だヨー……
精霊達のすきま風の様な小さな声。
「え……?何か言った?」
――ボク達のあるじ様、だヨー……
「あるじ様……?」
『ほれほれ、はよう、渡してたもれ』
シルスはしぶしぶ精霊の宿る綿ボコリを手渡すと、それを手にした白い少女の目がすうっと細まる。
その目が『悪いオトナ』の目に見えてシルスの胸中に不安の波が押し寄せた。
「絶対!ルーフェルメさんに会わせてねっ!?」
『わかっとるわい』
「絶対だよ!?絶対の絶対だよ!?」
『……わかっとるて言うたじゃろ』
「ホントに絶対だよ!?絶対の絶対の絶対だよ!?」
『わかっとるってば。オマエ、しつこいのう』
言いながら白い少女は両手のひらを合わせ、その手の中で綿ボコリをこねくり回して団子状にし。
『時超えの精霊なんて滅多に見かけんからのう。珍味かと』
「ときごえ?珍味?ってどういう……」
シルスがまだ喋っている間に。
ぱくっ。と。
その白い少女は、団子状になった綿ボコリを一口で食べてしまった。
唖然とするシルスの事など意に介さず、もぐもぐと口を動かし。
ごくん。
『まっずっ。くさっ。10年モノのホコリをそのまま食ったようなマズさじゃっ。あー、マズいっ。ぺっぺっ』
「たっ!食べちゃったっ!?のててちゃん!れててちゃんっ!」
シルスが思わず少女の小さな口に指を突っ込みこじ開けるが。
『ひててててっ!にゃにをしゅりゅっ!?』
口の中はすでに空っぽである。
「わたしのっ!のててちゃんとれててちゃん食べちゃったっ!ひどいっ!」
『ワひの口に指をちゅっ込む方がよっぴょどひどいわいっ。やめれっ』
シルスに口の中に指を突っ込まれたまま喋るものだから、いまいち何を言っているのかよく解らないが。
紛れも無く。
白い少女は、シルスが持っていた二体の精霊の宿る綿ボコリを食べてしまった。
『あ奴らはワシの一部となったのじゃ。消滅したワケでは無いから安心せいっ』
シルスは胸の前で手を組み祈りを捧げる。そして別れの言葉を呟いた。
「のててちゃん……れててちゃんっ……安らかに消化されてね……っ」
『消滅したワケでは無いと言うとろうがっ』
ラズラットはすこぶる訝しげな顔をする。
「……シルス君は何をしてるんだと思う?ルーフェリカ君」
「えっ!?えっとっ、あー……シアシアはどう思うっ!?」
「えっ!?あ?んー、デっ……デロンデロンさんはどう思うよっ?」
「……何も無い空間に向かってわたわたと……綿ボコリが消えたのは手品か?何かに祈りを捧げたのだけは解るが。一言で言うと、ふざけている様にしか……ん?」
ディロンの目に微かにではあるが、シルスの前で何かが揺らめき蠢いた様に見えた。
その揺らめきは徐々に形を成し。
しゅふぁっ!
一瞬の旋風と共に、白い少女が姿を現した。
突然現れた白い少女。
彼女は何者なんでしょうか?
次話『君に名を』
◇ 面白かったよ!
◇ 続きが気になるよ!
と思われた方は、広告下の☆☆☆☆☆からの評価、ブックマーク登録をお願い致します!
続けて読んで頂けたら幸いです!




