↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/100

出立前夜 王宮にて

この作品は『ノベルアップ+』にも掲載しています。


 かたんことんと石畳を馬車が行く。


 夕暮れ時から夕闇時へ移り変わる時間帯。

 アールズの街は街全体がオレンジ色に染まり、竜退治への出立の好天を約束してくれているような夕焼けが空を彩る。

 その夕焼け空も徐々に紫色に染まりつつある。


 ナルミ宅から数十分でアールズの王宮に到着すると、執事の男が一人と数名の侍女が騎士二人と女子四人を出迎えてくれた。

 ディロンは用事があるとの事で先に団員屋舎へと姿を消した。


 侍女達が買い出しの品々を馬車から降ろし、それらはバッグに入れる物や身に付ける物の仕分け作業をする為に別室へと運ばれた。


 その数々の品を見て、女の買い物に振り回されるというのは斯くも試練なものなのかとラズラットは思ったが、もちろん口にしたりはしない。


「今夜はアールズ王と会食をして貰う予定だよ。ささやかな壮行会のようなものだ」


 ――会食っ!ゴハン!あっ!意識したらお腹空いてきたっ!ちょっと楽しみっ!


 会食と聞いて目を輝かせたのはシルスだ。あちこち買い物に出回り、気付けば口に入れた物は昼の軽食のみ。


「チャラ王と?他には?」


「ヴェンデルヴァイツ王と僕とディロン様、それから君達だけだよ。あと……一つ忠告してこうかな、アルシーア」


「え、ああ。わかってるって!王様の前でチャラ王なんて言わないよっ」


「イヤ、僕の前でも言ってはいけないんだが」


「あ、そーなの?じゃあ言わないようにするよっ。王様のお金でイロイロと買ってもらったし、二人には荷物持ちにもなってもらったしさ!」


「律儀というか現金というか……まあ、気をつけてくれると助かる」 


「ういっす!」


 アルシーアの中身のない軽い返事に一抹の不安を覚えつつ、忠告はしたからね、と付け加え、ラズラットも自分の用事を済ませに団員屋舎へと向かって行った。


           ◇


「ようこそ、お嬢様方。今宵はごゆるりとお寛ぎ下さいませ。ヴェンデルヴァイツ様からお話は伺っております故、御要望がございましたら何なりとお申し付け下さいませ。私は執事長のミハイルと申します。どうぞ、ご遠慮はなさらずに」


 四人の前に進み出て来たのは、黒服が良く似合う細身で長身の若い男だった。

 髪の色は黒金に染められ、瞳の色は焦げ茶。浅く日焼けした肌、右の耳には金のピアス。

 全体的に見た第一印象は。


「オニイサン、チャラいねー!でも、モテるでしょー!」


 ずばっとアルシーアが総評を言ってのけた。


「シアシアっ。失礼だよ、もう。ありがとうございますね、ミハイルさん!」


 と、元気の良い返事はルーフェリカだ。開口一番、初対面の者に『チャラい』と吐くアルシーアとは大違いである。


 見かけによらない紳士的な対応、アルシーアの無礼な言葉にも全く動じていない様子で、雑談を交えながらミハイルが四人を案内する。


 執事長ミハイルに真っ先に案内されたのは今夜の寝床だった。


 二つのベッドを一つにして、四人が折り重なるようにして眠った昨晩の事が嘘のように思えるほどの大きな天蓋付きのベッドが四つ用意されていた。

 部屋中に良い香りがふわふわと漂い、光源が見当たらないのに部屋の中が全体的に柔らかな光に包まれている。


「スゴい!光の精霊魔法ですね!」


「精霊魔法にお気付きになるとは、さすがはハーフエルフさんですね。精霊魔法は修得されているのですか?」


「あ、いえっ。精霊魔法が使われてるのはわかっても、わたしは精霊魔法は使えないんですよー。これから頑張って使えるようになる予定です!」


「なるほど。これから、ですか。頑張らないと、ですね」


 と、ミハイルが白い歯を見せた。

 チャラい見た目とは裏腹の爽やかな対応に、シルスは好印象を受ける。

 ラズラットは見た目が爽やかだったが中身はヘンタイだった為、人は見かけによらないなとシルスは内心思うのだった。


「ベッドがふっかふかだなー!こんなベッドで寝られるなんてなー。王様のメカケになるのもそう悪いもんじゃなかったりしてな!」

 

「ええー?ふかふかベッドが目的でおメカケさんになるのはイヤじゃない?」


「冗談だよ、冗談!あたしはちゃんと惚れた男と恋愛してケッコンすんの!」


「ケッコンねえ。なーんかまだピンと来ないよね。舞台で踊る楽しさを知っちゃったからねー」


 両手両足を広げてベッドに仰向けに寝転がるアルシーアとルーフェリカ。

 この時代では女性が15歳で結婚する事はさほど珍しい事では無いが、今の二人の姿を見る限り結婚の二文字はまだまだ遠いでしょう、とシルスは思う。

 

 ――でも逆算すると、シアさんて若い内に子供産むんじゃないのかなー……?えっと……母さんも若い内にわたしを産んでるよね。確か……


「シルスちゃんも一緒にベッドに転がってみない……?」


 と、ルーフェルメに突然背後から囁かれシルスの思考が吹き飛んだ。


「うえっ!?」

「ルメちゃんには見えるの。ふかふかベッドで、くんずほぐれつもつれて絡み合って抱き合うルメちゃんとシルスちゃんの姿が……っ」


「わたしには何も見えませんよっ」

「シルスちゃんったらっ。うん、もうっ」


 ――なんと自由な娘達なのか。


 ミハイルは内心思うが、そこは王宮勤めの執事長。淡々と職務を遂行せねばと今夜のスケジュールを四人に告げる。


「お嬢様方、就寝時間にはまだ早《はよ》うございますよ。湯浴みをして頂いた後に、ヴェンデルヴァイツ様との会食のお時間となっております。ご案内致しますのでどうぞ、こちらへ」


「おー。風呂かー!行こうぜ、リカっ!アタマもカラダもピッカピカだぜっ」


「アタマがピカピカはイヤだなあ」


「シルスちゃんっ。お肌とお肌を滑らせ合おうねっ?ねっ?ねっ?」


「エンリョします。結構です。却下です」


 ――なんと自由な娘達なのか。


 と、再び思うミハイルであった。


           ◇


 続いて案内されたのは広い浴室。


 そこでシルス達が目にしたのは。

 手をかざしただけで最適な温度のお湯が出るシャワー。良い香りの漂う湯船には赤い花びらが浮かび、着色料は使わず天然だというお湯の色はエメラルドグリーンである。

 取っ手がぐらぐらする水しか出ないシャワーと一人しか入れない小さな湯船のナルミ宅浴室とは雲泥の差、いや天と地ほどの差がある。

 浴室全体に水の魔法が施され、湿度は一定で湯船のお湯は常に清潔なのだとミハイルが説明した。


「それではお嬢様方。ごゆっくりどうぞ。侍女達がお世話を致しますので、リラックスしてお寛ぎ下さいませ」


 ミハイルは四人を残して執務に戻り、残されたシルス達はこの後の会食前の入浴タイム。

 侍女二人に突然服を脱がされそうになり慌てて拒否する四人だったが、王宮仕えの侍女達は一枚上手。

 侍女達の手慣れた所作で四人とも一瞬で全裸に剥かれてしまったのだった。


 足を伸ばして尚余裕のある良い香りの広い湯船。アルシーアが泳ぎたくなる衝動を押さえられたのは侍女達の目があったからに他ならない。


 アルシーアが湯船から上がると、するると音も無く侍女達が近づき、島に伝わる武術『流転空《るてんくう》』で対抗する間も無く抵抗虚しくされるがままに身体を洗われる。

 それは残る三人も同様だった。

 逃げられないと悟ったシルスは力を抜いて身を任せ、ルーフェリカはくすぐったがって笑いが止まらなかった。

 ルーフェルメは侍女のテクニックを修得しようと質問しながら身体を洗われていた。


 ――いくら広くてキレイでも、のびのび入れないのは肌に合わねーなっ。こんな風呂は一回体験すればもういーやっ。


 と、アルシーアはボロ家のボロいシャワーをちょっとだけ恋しく思うのだった。


           ◇


 会食の席となる広い部屋に案内されると、アールズ王ヴェンデルヴァイツが大袈裟に両手を広げて四人を迎えてくれた。


「やあやあ、ようこそようこそ。カワイイ娘さんがカワイイ格好すると相乗効果でさらにカワイイねえ!そしておめかしするとさらにカワイイ!アルシーア君は髪をアップにすると大人っぽく見えるねえ!」


「ナニ言ってっかわかんねーな、チャラ王はな。とりあえず腹は減ったな」


 まるで着せ替え人形のように数着のイブニングドレスを侍女のされるがままに着せられ脱がされ、空腹も相まってアルシーアはすこぶる機嫌が悪かった。

 言ってはいけないと言われていた『チャラ王』という単語もあっさりと言ってしまうほどに。


 アルシーアが着ているのは大きく肩が露出した若草色のベアトップワンピース。上半身は爽やかな淡い色に、裾の部分は色濃くグラデーションがかっている。アップに纏められた金色の髪との色合いの相性が良く、とても良く似合っている。

 

 ――小さい頃はカレンナビショウジョって、ナルミさんが言ってたけど……なんとなくわかるかも。


 シルスは年齢相応の可愛らしい空色のワンピース。誰かに服を着せられるなどという経験は初めてのシルスは、ただ黙って身を任せる事しか出来なかった。

 手際よく服を着せる侍女達の仕事ぶりに感心しつつ、黙って立っているだけで身支度が整っていく様を見ているのは面白いと感じるシルスであった。

 

「ナニ見てんだよ、シルスっ」


「あ、いやっ。シアさん、スゴく似合ってますよっ!馬にも衣装って言いますもんねっ」


「あたしはウマじゃねえっ。それを言うなら馬子《まご》っていうんだよっ。どっちにしろ褒めてねーからな、それ」


「まーた、シアシアったら、もう!『この度はこのような会食の席を設けて頂き、誠にありがとうございます』くらい言っとかないと」


「まる聞こえだよ、ポニテリカちゃん!今日も冴えてるねえ、ポニテリカちゃん!!そしておめかししたポニテリカちゃんはさらにカワイイねえ!双子のルメちゃんもステキだよっ」


 ルーフェリカは右肩、ルーフェルメは左肩が露出したワンショルダーの色違いのワンピース。ルーフェリカは白、ルーフェルメが黒。

 二人のトレードマークであるポニーテールとツインテールはそのままに、白と黒の対象は見る者にインパクトを与えるに十分だ。

 

「立ち話はこの辺にしてさ!みんなお腹空いてるでしょー?さあさあ、固い挨拶は抜きにして!食べようじゃないの!ディロンとラズラットも突っ立ってないでさ!」


 ディロンとラズラットも騎士の隊服を脱ぎ軽装で並び立っていた。

 軽装と言ってもヴェンデルヴァイツのように襟無しシャツに短パン、サンダルといったふざけた格好ではもちろん、無い。

 白い襟付きシャツに白いズボンは、屈強な男二人を爽やかな好青年へと変貌させていた。


「では、今日一日の生に感謝を込めて、美味しく頂こうか!」


 ヴェンデルヴァイツの一言でようやく食事の時間が始まった。


 空腹のシルスは、目の前の料理全てが美味しそうに見えて仕方がない。

 だが一つ気になる点があった。

 量が少ないのだ。一口で食べ終えてしまえるようなステーキ肉。口の中で肉の繊維がほどけ、甘い肉汁が舌いっぱいにとろける高級肉など滅多に食べられるものでは無いが、如何せん量が少ない。


 ――マティルさんの小麦粉麺、美味しかったなー。お腹もいっぱいになったのになあ……


 と、夕べのナルミ宅での晩餐を思い出してしまう始末。

 この程度の量ではわたしのお腹は満たせませんよ、と思うシルスだったが、それは杞憂だったとすぐに知る事となる。

 一口で食べきれるサイズの物は食べ終える度に後から後から追加され、もうイイですと言わない限り終わらない様だった。

 パンとパンに塗るジャムも数種類出され、それだけでも十分に胃袋を膨らませそうだ。


 色とりどりの様々な料理には舌も胃袋も大満足なシルスだったが、何かが足りない。

 それは何かと考えるまでも無く、アルシーアがその答えをヴェンデルヴァイツに投げ掛けた。


「王様ってさ、いつもこんな広い部屋でこんな静かに食べてんの?」


「ん?イヤ、今日は特別だよ。この席は君達の為に用意させてもらったんだよ。いつもは自室で一人で食べてるよ?」


「一人で?ふーん。あたしらの家って狭くってさ、食事するテーブルなんてコレの半分の半分の半分の半分くらいしかないんだよ。肘と肘がぶつかるなんてアタリマエだし、料理だって一人に付き肉三枚とかイモ三個とかだしさ」


「ほうほう。肉が三枚にイモ三個。なかなかに質素だね」


「食べる量はどうだってよくって。誤解しないで欲しいんだけど、あたしらがビンボーなのは王様のせいとかって言ってるワケじゃ無くてだな。えーと。リカっ!パス!」


「えっ?丸投げ!?シアシアは何を聞きたかったのさ?」


「ルメちゃんが思うにシアシアはぁ、みんなでワイワイしながら食事した方が楽しいんじゃないの、って言いたかったんじゃないのかなあ?」


「おうっ、それだよっルメっ!」


 美味しい料理、豊富な食材、大きなテーブル。一見、豊かに見えるが何かが足りない。

 それは、会話である。

 他愛もない会話、どうでもよい会話。

 ナルミ宅での夕食は会話を交えて心も身体も温かくなるような食事だったのに対し、この会食はさほど会話も無く静かに食べるだけ。


 シルスが感じていた物足りなさを、三人も同様に感じていたのだった。


「ペチャクチャ喋りながらってのはマナー違反なのかもしれないけどさ、あたしらの性分には合わないかなー」


「一人で食事する事に慣れてしまっているからねえ。他の街の役人達と会食する事もあるけど、食事の時は静かなものだよ?」 


「それはメシ食うのも仕事の内になってるからじゃないの?王様には一般庶民の良さなんてわかんないかなっ」


「さっさと結婚して家族でも持てば食事の楽しみも増えると思いますよー?」


 ルーフェリカが臆する事無く皮肉を込めてヴェンデルヴァイツに進言すると。


「さっさとって言うけどねえ、ポニテリカちゃーん」


 大の大人が情けない声をあげたのだった。


           ◇


「それじゃあ、と言ってはなんだけど。少し会話しながら食事しようか。今回の竜退治について、皆は何か意見は無いかな?」


「意見というか、疑問かな?街の宣伝の為の竜調(・)査(・)なんですよね?もっとメディアに広めたりとかしないんですか?」


「竜退(・)治(・)だよ、ポニテリカちゃん。では一つ質問をさせてもらおうかな」


「んっ?なになに?スリーサイズなら教えませんよっ?」


「それは残念。機会があれば是非とも聞きたいところだけど。イヤ、そうではなくてだね、ポニテリカちゃん。アールズの騎士と踊り娘四人の竜退治!と称して、大勢の人を集めて派手に壮行式を執り行ったとしようか」


「派手でいいんじゃないですか?」


「ふむ。出立式としては派手な方が良いかも知れない。では、その後は?」


「その後?って?」


「率直に言おう。手ぶらで竜退治から帰ってきた後の事だよ」


「手ぶらで?それはカッコ悪いなあ」


「そういう事だよ、ポニテリカちゃん。現在の情報では竜の存在は確認されていないんだ。前にも聞いたと思うが、これは竜退治という名の調査なんだよ。詰まる所、派手に宣伝を打って出て『何もありませんでした』じゃ格好がつかないと思わないかい?」


「ってコトは、竜退治って言葉自体が偽物って事じゃん!あたしらそんなのに巻き込まれたっての!?うわ!カッコ悪ー!ナルミさんとマティルさんにどんな顔すればいーんだよ!?だっせーなあ!あーもう帰ろっかなー!」


 大きな声で文句を言うアルシーアだが、本気で言っている訳ではない。

 が、冗談とも思えない言い方でヴェンデルヴァイツの出方を見る事にする。


「それじゃあ今日のお買い物、全額返金してもらおうかなー?いくら武器や防具が未使用品とは言え、人の手に渡った以上、値打ちの下がる中古品だからねー。君達、お金ある?」


 人生経験豊富なヴェンデルヴァイツ王が15歳の小娘の挑発的な態度にに動じる筈もなく、きゃんきゃんと騒ぐアルシーアの弱みを軽くつついてみせた。


「うわ!きったねー!出たよキタナイオトナのやり方ですよー!あたしらがそんなお金持ってるワケないじゃん!」


「だよねえ。最も簡単な借金返済の方法があるんだけど、聞く?」


「王様のメカケにはならないよっ」


「おっ。察しがいいねアルシーア君は。妾がダメなら嫁になるかい?」


「たかだか武器防具の値段で嫁になんかなってたまるかっ。てゆーか何処のウマの骨かわかんねーようなのを嫁になんか出来ないだろっ」


「あっ、シアシア『あたしはウマじゃねえ』って言ってたのに、自分でウマって言っちゃったねっ!あっははー!」


「食いつくのはそこじゃねえっ。ウマの話をはいーんだよっ」


「まあ、そういうコトだよ。アルシーア」

「どういうコトだよっ」


「もう一度説明しようか?この竜退治というのはだね、街の宣伝の為にだね」

「いーよ!わかったよ、もう!」


 ヴェンデルヴァイツ王が本気で最初から説明を始めると、アルシーアは堪らず根をあげた。


「せっかくの美味しい料理なんだ。シルス君をみたまえ、アルシーア君。さっきから一言も喋らずに食べっぱなしだよ?小柄な身体なのに、一体何処に入ってるんだろうねえ」


 ふとアルシーアがシルスを見ると頬はリスのように膨らみ、口の周りには様々な色のソースが付着していた。


「シルスちゃんっ、カワイイっ」


 シルスの隣が定位置と化したルーフェルメが世話係のように口の周りのソースをナプキンで拭きとる。


「なんか静かだと思ったらずっと食ってたのかよっ」

「シアふぁんは食べらいんれすかっ?」


「食べながら喋るなよっ。こぼれるだろっ」

「おいひーれふよー?」


 ニコニコ笑顔で料理を頬張るシルスを見ていると、アルシーアは一体何に腹を立てていたのか解らなくなってきた。

 シルスの食べっぷりを見て気が緩んだ途端に、アルシーアの腹がぐう、と鳴く。


「イライラしててもツマンネーだけだしなっ。ここは遠慮無くご馳走になるとすっか!」

 

 ディロンとラズラットは一言も喋らず、音も立てずに静かに料理を口に運んでいた。二人を見ていると、食事でさえも訓練のように見えてしまう。


 ――食事のマナー的には最高なのかな?楽しくお喋りしながらの方が料理も美味しいと思うけどなー……


 と、口をもぐもぐと動かしながら思うシルスであった。


 明日からの竜退治に備えての腹ごしらえ。シルスは小柄な割には大食いです。


 次話『出立前夜 王宮にて ディロンとアルシーア』


 面白かったよ!続きが気になるよ!と思われた方は評価ポイント、ブックマーク登録を頂けたら嬉しいです!


 作者の励みになります!

 続けて読んで頂けたら幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。