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戦いと出会い

こんにちは、つめです!


第2話「終末の呪いと新たな世界」を読んでいただきありがとうございます!


今回は俊たちが初めて時空崩壊後の敵と戦い、新たな仲間と出会うお話です。


少しずつ物語が動き始めるので、ぜひ最後まで楽しんでください!

ゾンビとの戦い

 学校の近くに現れた時空の裂け目から、ゾンビが次々と這い出てくる。

 通行人が悲鳴を上げて逃げる。車が急停止する。辺り一帯がたちまち混乱に飲み込まれた。

 俊は自分の手を見た。

「……ドラゴンの時でも、倒すのが大変だったのに」

「俺たちならやれる!」

 炎真が隣でニッと笑った。根拠なんてないのに、なぜかその言葉が少しだけ背中を押した。

 逃げるわけにはいかない。それだけは、分かっていた。

 炎真が近くに落ちていた石を拾う。岩斗が道端の木の枝を握る。凰輝は無言で周囲を見渡し、ゾンビの数と動きを確認している。

 俊も覚悟を決め、前に出た。

 ——しかし、現実は厳しかった。

「硬い!全然効いてない!」

 石を叩きつけても、枝で殴っても、ゾンビはびくともしない。じわじわと四人を取り囲み始める。

「ドラゴンの時でさえ苦戦したのに……」

 じりじりと後退する四人。ゾンビの輪が狭まっていく。

力の覚醒

 その瞬間、俊の中で何かが反応した。

 (このままじゃダメだ。こんなところで躓いていたら、世界なんて救えるはずがない)

 胸の奥が、急速に冷えていく。

 気づけば手のひらが白く光っていた。冷気が指先から漏れ出し、空気が白く煙る。

 俊は地面に手をついた。

 ——瞬間、氷が広がった。

 地面を這うように冷気が走り、ゾンビたちの足元から凍りつかせていく。動きが止まる。足が地面に縫い留められる。

「え……!?」

 俊自身が一番驚いていた。

「まだ残ってる……!力が、まだ残ってる……!」

 その姿を見た瞬間、三人の目に火がついた。

 炎真が拳を握る。小さな炎が、指の隙間から漏れ出した。

 岩斗が地面を踏む。足元の岩が、盛り上がった。

 凰輝が腕を広げる。周囲に風が生まれ、ゾンビたちの動きを乱した。

 ドラゴンだった頃より遥かに弱い。石や枝よりはマシ、という程度の力だ。

 それでも——四人の力が合わさったとき、ゾンビたちは確かに崩れ始めた。

 最後の一体が地面に倒れ、骨になって散る。

「よし……討伐成功だ!」

「俊のおかげだな。氷で足止めしてくれなかったら終わってた」

「ほんとに!ありがとう俊!」

(岩斗は褒め上手だな……なんだか嬉しくなる)

 炎真と岩斗が口々に言う。俊は照れくさくて、視線を逸らした。

「でも……なんで倒せたんだ?ドラゴンの時でも苦戦してたのに」

 俊は素直な疑問を口にした。凰輝が静かに分析する。

「たぶん、あいつらの強さに差があったんだ」

「差?」

「ドラゴンの時に出てきたやつらは、アビスカルが直接召喚した精鋭だった。でも今回のは——時空の裂け目から勝手に流れ込んできた雑魚だ。術者の制御が届いてない分、弱い」

 なるほど、と俊は思った。敵にも強さの差がある。全部が全部、あの初戦の相手と同じではないのだ。

「それに」炎真が付け加える。「俊の氷で動きを止めたのが大きかった。ドラゴンの時は正面からぶつかってたからな。今回は足止めしてから集中攻撃できた」

 戦い方の差。力の差だけじゃない。

 俊は少しだけ、前より楽になった気がした。

 裂け目の調査

「……喜ぶのはいいけど」

 凰輝が静かに言った。周囲を見渡しながら、裂け目の方へ目を向ける。

「裂け目、まだ閉じてないよ」

 確かに。ゾンビを倒しても、空間の亀裂はそのままそこにあった。

 (やっぱり凰輝は観察力が鋭いな)俊はそう思いながら、裂け目をよく見た。

 ……大きくなっている。ほんの少しずつだが、確実に広がっている。

「近づいてみよう」凰輝が言った。

「え、怖いんだけど……」俊は正直に呟く。

「怖いなら俺が先に見てくる」

 炎真がためらいなく一歩踏み出した。

 (やっぱり炎真は勇敢だな)俊は思った。少し遅れて、三人もついていく。

 裂け目の前に立つと、向こう側がうっすら見えた。

 暗闇の中に、景色がある。

 見覚えのある世界だった。自分たちが創ったあの世界だ。しかし今は——

 崩れた街。赤く染まった空。瓦礫の山。倒れた塔。

 そしてその奥に、巨大な城があった。

 黒く、骨で組み上げられたような城が、赤い空の下に聳えている。

 (あの骸骨の城か……)

 その時だった。

ノヴァ

「——やっと、見つけられました」

 裂け目の奥から、声が響いた。

 四人は固まった。

 誰の声か分からない。しかし確実に、こちらへ向けられた声だった。

 次の瞬間、裂け目の奥に何かが光った。

 巨大な目——ではなく、小さなロボットのようなものが、勢いよく飛び出してきた。

 反射的に、四人が両手を出した。

 ぽすっ、と軽い音がして、それは俊の手のひらに収まった。

 小さなロボットだった。手のひらに乗るくらいの大きさで、丸い胴体に細い腕と足。目のように光るセンサーがくるくると四人を見回している。

 直後、裂け目がぴしゃりと閉じた。

「……なんだこれ」

「動いてる」

 ロボットは小さく咳払いをするような音を立て、背筋を伸ばした。

「はじめまして。私は超小型サポートロボット、ノヴァといいます。神様からの依頼で、皆さんのサポートをするために参りました」

 四人は顔を見合わせた。

「……神から?」

「はい」ノヴァは静かに答えた。「神様は今、アビスカルに囚われています」

 その言葉が、空気を変えた。

「囚われてる……?」俊が聞き返す。

「あの骸骨が神様を捕まえたということか」炎真が低く言った。

「そうです。だから神様は皆さんに直接指示を出せない。だからこそ、私が来ました」

「サポートって、具体的に何ができるの?」岩斗が続ける。

「敵の特性や技の分析、世界各地の崩壊状況の把握、時空の裂け目の探知——情報面での支援が主になります。戦うことは私にはできませんが、皆さんが正しい判断をするための情報を提供することはできます」

 小さなロボットが、真剣な目で四人を見上げた。

「皆さんが世界を救える唯一の存在です。どうか、よろしくお願いします」

 しばらく沈黙が続いた。

 俊はノヴァを見つめた。手のひらの上の小さなロボット。神が最後に送り込んだ助け。

「……よろしく、ノヴァ」

 俊が言うと、ノヴァの目がぱっと明るく光った。

「よろしくお願いします、俊さん」

「さん、はいらない」

「……よろしくお願いします、俊」

 炎真が小さく笑った。岩斗も、凰輝も。

 赤い空はまだ続いている。世界はまだ、崩れかけている。

 でも四人には今、仲間が一人増えた

神を救うために、

世界を救うために、

──四人は、新たな仲間と共に歩き出した、

第2話を読んでいただきありがとうございました!


今回は俊たちが力を取り戻し始め、さらにサポートロボットのノヴァが仲間になりました。


これから時空崩壊の謎やアビスカルとの戦いが本格的に始まっていきます。


次回もぜひ読んでいただけると嬉しいです!


感想や評価、ブックマークも励みになります!


それではまた次回!

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