目覚めと再会
こんにちは、つめです!
『時空崩壊ドラゴンズ』第2話を読んでいただきありがとうございます!
前回、俊たちは骸骨の呪いによって力を失い、世界は終わりを迎えました。
しかし、それで全てが終わったわけではありません。
今回は、ドラゴンたちの転生と再会、そして新たな世界で始まる「時空崩壊」の序章となるお話です。
ぜひ最後まで楽しんでください!
呪いの後
闇だった。
果てのない、冷たい闇。
体がどこにあるのかもわからない。重力もない。音もない。
ただ、意識だけがぽつりと残っていた。
(力が……消えていく)
俊は感じた。自分の中を満たしていた氷の力が、砂のように崩れていく。指先から、翼から、体の芯から——全部、抜けていく。
遠くで炎真の声がした気がした。岩斗の声も。凰輝の気配も。
でも、手が届かない。
(みんなを……守れなかった)
後悔が、胸の奥を刺した。あの骸骨の呪いを止められなかった。村は壊れた。力も失った。そして——
意識が、消えかけた。その瞬間。
声が聞こえた。
「まだ終わりではない」
低く、静かで、でも確かな声だった。
神の声だ、と俊はすぐに分かった。
次の瞬間——四つの魂は、闇の中を高速で流れ始めた。
別の時代へ。別の場所へ。
目覚め
白い天井だった。
俊はゆっくりと体を起こした。ベッドの上。布団の感触。朝の光が薄いカーテン越しに差し込んでいる。
「……ここは」
立ち上がると、部屋の隅に鏡があった。
映っていたのは——小学6年生くらいの少年だった。
鱗も翼も尻尾もない。体は小さく、腕は細く、どこをどう見ても人間だ。
「なんで人間になってるんだ……?」
しかしおかしなことに、パニックにはならなかった。
この部屋を知っている。この家を知っている。学校の名前も、友達の顔も、お母さんの声も——全部、頭の中にある。
同時に、ドラゴンだった頃の記憶も、ちゃんとある。
二つの記憶が、どちらも本物として並んでいた。
壁のカレンダーを見ると、2026年と書いてあった。
「……転生、したのかな」
俊は呟いた。鏡の中の少年が、静かに自分を見返していた。
その目だけが——氷のような、淡い水色をしていた。
再会
学校へ向かうと、見慣れた教室があった。
クラスメイトたちが普通に喋って、笑って、席についている。
俊は何気なく周りを見渡した——そして、止まった。
窓際の席に、腕を組んで外を見ている男子がいた。赤い目をしていた。
「……炎真」
相手もこちらを見た。一瞬だけ、目が大きくなる。
廊下側の席には、地面でも見るように足元を眺めている男子がいた。茶黒い目。
「岩斗」
そして教室の後ろ、ドア近くに立っていた男子と目が合った。薄い緑の目。
「凰輝」
四人は何も言わなかった。
ただ、頷いた。
放課後、誰もいない校舎裏に集まった。
「みんなも覚えてたの!?」
俊が言うと、三人は同時に頷いた。
「全部」炎真が答えた。
「ドラゴンだったこと、世界を創ったこと、あの骸骨の呪いも」岩斗が続ける。
「ここが2026年の地球だということも」凰輝が静かに言った。
四人は顔を見合わせた。
「とりあえず……転生したのと、みんなおなじクラスになったのは神のおかげだね」
「うん」「ああ」「そうだね」
変な沈黙のあと、俊は思わず笑った。炎真も、少しだけ笑った。
不穏な空
その夜。
俊は自分の部屋の窓から、空を見上げていた。
星が出ている。静かな夜だ。
——と思った瞬間。
空が、赤くなった。
一瞬だけ。ほんの一瞬、空の端が赤黒く染まる。
そして、亀裂が見えた。
黒い、まるで空そのものが割れたような細い裂け目。すぐに消えた。まばたきするほどの時間で、何もなかったように戻った。
外は静かなままだった。誰も気づいていない。
でも俊には、確かに見えた。
「まさか……あの呪いは、終わっていないの?」
その夜、俊はなかなか眠れなかった。
崩壊の始まり
翌日の朝。
ニュースが騒がしかった。
世界中で「説明のつかない現象」が相次いでいる、と。砂漠の真ん中に中世の城が出現した。海の上に古代の戦車が浮いていた。都市の路上に、見たことのない生物が徘徊している——
俊は画面を見ながら、胸の奥で何かが確信に変わるのを感じた。
学校へ向かうと、空が変だった。
朝のはずなのに、空の色が赤い。夕焼けとも違う、内側から焦げていくような赤黒さ。
そして——学校のすぐ近くに、それはあった。
空間が歪んでいた。ぐにゃりと、景色が曲がっている。まるで空気に亀裂が入ったような、黒い裂け目。
時空の裂け目だ、と俊はすぐに分かった。
裂け目からゆっくりと、腐った手が伸びてきた。続いて、ゾンビが這い出てくる。一体、二体、三体——
近くにいた人たちが悲鳴を上げて逃げる。
四人は、その場に残った。
「始まったんだ……時空崩壊が」
俊は静かに確信した。あの骸骨の呪いが、世界そのものを壊し始めている。
炎真が前に出た。
「人間の姿でも、やれるだけやる」
「うん」俊も頷く。「力は少ししかない。でも——やるしかない」
「逃げる気はない」岩斗が言った。
「当然だ」凰輝が静かに答えた。
四人は、ゆっくりと前へ進んだ。
赤い空の下で。
崩れていく世界の中で。
まだ力の戻らない体で——それでも。
こうして四人の戦いが、始まった。
第2話を読んでいただきありがとうございました!
ついに俊たちは2026年の地球へ転生し、炎真・岩斗・凰輝との再会を果たしました。
ですが、平和な日常は長く続かず、骸骨の呪いによる「時空崩壊」が始まってしまいます。
これから様々な時代や世界の存在が現れ、四人は人間の姿のまま戦うことになります。
そして失われたドラゴンの力は戻るのか――。
次回もぜひ読んでいただけると嬉しいです!
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