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「全ステータスF・魔力ゼロで転生したが、殴られるたびに限界を超えるので問題ない」  作者: ラーメンが好き


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第百十二話「跳躍」

 その日の訓練は、オークとリーナが同時に相手をするという形だった。

 二人同時は初めての試みだった。一人相手なら対処できるようになってきていたが、二方向からの攻撃は別の対処が必要だった。

 最初の三回は対処できなかった。

 四回目で、補助炉との接続中に感情共鳴発動が起きた。同時に、《知識蓄積》が展開した。二人の動きのパターンが同時に読めた。次の攻撃がどこから来るかが、動く前に感じ取れた。

 左からのリーナの剣を半歩で外して、右からのオークの打撃を受け流した。

「止まってください」と蒼は言った。

────────────────────────

 全員が止まった。

 蒼はステータスを確認した。

────────────────────────

天宮蒼

体力:A 筋力:B− 速度:A−

魔力:0(外部操作:第三段階)

スキル:《限界突破》《知識蓄積》

特殊状態:《両刃の閃覚》発動可

────────────────────────

 体力がAになっていた。速度がA−になっていた。そして《両刃の閃覚》という表示が出ていた。

「新しいスキルが出ました」と蒼は言った。

「何が出ましたか」とエムが近づいて聞いた。

「《両刃の閃覚》。複数の情報を同時に処理しながら、最適な動きを瞬時に選択する状態です。《限界突破》と《知識蓄積》が連動して発動した新しい能力だと思います」

────────────────────────

「使ってみていいですか」とリーナが言った。

「どうぞ」

 リーナが改めて打ちかかってきた。今度は本気に近い速さだった。

 動けた。

 《流星連剣》の軌跡を読んで、剣が来る前に体が動いていた。三撃全部を外した。リーナが目を細めた。

「見えてる?」

「見えています。動く前に、次の動きが感じ取れます」

 リーナがさらに速さを上げた。

 《絶域突破・刻焔零式》に近い速度で連続して打ちかかってきた。それでも、一撃だけを除いて全部外した。

「一撃は受けましたね」とオークが言った。

「そこだけ読めなかったです」と蒼は答えた。「まだ完全ではないですが、方向性は正しいと思います」

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