敵
噴水を眺めながら俺は、今回の騒動について考えていた。
「冷たッ」頬に冷えたものがあたりついそう呟いてしまう。
「何してんの?要?」
背後を振り掛けると飲み物を持った照がいた。
「よっ!照。頭冷やし中......ってのと今回のことについてかな。」
「動画を拡散したのは誰かって話。」
「いや、その先の話だ。今回の主犯をとっ捕まえてもあまり効果は無いだろう。」
「その理由は?」
「おそらく学園の外からのテコ入れ。」
「どゆこと?テコ入れ?学園内に裏切り者がいるかもしれないって話?」
「裏切り者がいたとして、よく入れたな。しかもここまで生き残っていた.......。
っていうか多分は、裏切り者じゃなくて内通者だ。」
「???......話がよく見えてこないんだけど。」
「じゃあ、簡単な話。裏切り者と内通者の違いって何だ?」
「う〜ん?なんだろ。」
「裏切り者は、単独犯。
たとえ、複数犯だとしても小さな差はあっても完全な上下関係は無い。
内通者は、複数犯......といっても組織的な奴らがやる行為だ。
単独犯の場合は、内通をしたとしても、その情報を流すところは無い。」
「その理論なら、この動画を流してのは、まだ水面下に現れていない裏切り者って可能性もあるけど。
内通者って断言した根拠は?」
「外で待っている『組織』がいなきゃ、内通なんて成立しない。
ってのが一番だが.......
この学園に入るには、計画段階での年齢が大
切になってくる。」
「あ........それは都合が良すぎるよね。それに、その人がいる前提での作戦は危険だよね。
この学園で脱落してはいけないし、強すぎても疑われる。」
「たまたま、裏切り者同士の中でその存在がいたといっても筋は通るが、
組織的な活動の中で、人質を取り、誰かに無理やりやらされた。
.......っとかの色々な考え方ができる。
内通者特有の組織が動いてるって考えた方がわかりやすい。」
「.......なるほどね。それじゃ敵は」
「あぁ、外側からも内側からもいる。サンドイッチだな。」
「ただ、その組織ってのは目処がついてるの?」
「あんまりわからないのが現状だ。だが、構成員なら少しわかる。」
「なるほど。一人目は、内通者。これは、もう確定だね。」
「二人目は、恐らくユウラギだな。」
「あの時、要を仕留められなかったから?」
「それもあるが、一番はユウラギが学年末試験の場所がわかった.......」
「たまたまと言ってもいいけど、
他にも根拠があるから黒色寄りのグレーって感じかな。」
「そして、修学旅行に襲撃してきた女の方の異能力。......異能力を無効化する異能力。
正確には違うんだろうが、そこは今どうでもいい。
ユウラギが同じ能力を持っていた時点で、組織にはソイツもいるだろう。」
「あとは、それと同じ襲撃に参加していた。死と生の異能力を持つ男もだね。」
「そして、ハロウィンの時。.......Mr.ユウネスとかいうやつがいたが、
あれは十中八九ユウラギだろうな。」
「あとは、文化祭のときの男もだろう。元々、内通者の存在はアイツがもらしたようなものだからな。」
ーーー「これで計、1+1+2+1=5だから.......5人!」
「だが、あくまで今までに表面化に出てきている奴らだけだがな。」
「でもさ、これって勝てなくない。」
「.......『即死と高速回復』
『異能力を無効化』
『神出鬼没』
『最凶の頭脳』
『得体の知れない異能力』
少なくとも、この五人を倒さないといけないのに。」
「できなきゃ死ぬだけだ。」
「そういうストイックなところ割と好きだよ。」
「あいにく心に決めた伴侶がいるので。」
「likeだよ。L I K E!」
「ちょっとからかっただけじゃねぇかよ。」




