54 闇魔法の訓練は大変でした⑥
しばらくの間、爆笑していた2人だったがようやく落ち着きを取り戻した様子だ。全く、何がそこまで面白いのか私には理解できないが2人とも楽しそうだったのでまあ、気にしないでおこう。
コホンというわざとらしい咳払いをした後、エマの執事は話し出した。
「先程は、大変失礼致しました。ご挨拶が遅れましたが、私エマ様の専属執事を務めております、アルセンと申します。」
「リーン・アスガルドでございます。どうぞ、よろしくお願い致します。」
「今日は、わざわざ主のために来ていただきありがとうございました。本来でしたら、私が迎えに行く予定でしたが、場を離れられない所用がございまして、急遽エマ様にお願いしたのです。」
「そういう事情があったのですね。私こそ、エマに質問をしていて遅れてしまいました。申し訳ありません。」
そう言った後、一礼しようと思ったら、急いで止められた。
「気にしないでくださいアスガルド様。それに貴族のお嬢様が一介の執事である私に謝る必要はございません。悪いのは、予め指定した時間に連れて来れなかったエマ様ですので。」
そう黒い笑みを浮かべながらアルセンさんは、エマに対してだけ容赦がないことをサラッというから恐ろしい。エマはというと、眉間に皺を寄せ、今にも反撃しそうな雰囲気だ。後ろに幻想だろうが、虎がいるように見える。
このままだと、またさっきの喧嘩が勃発されそうだったので、私は急いで話題を変えた。
「話は変わるのですが、今日の闇魔法の訓練はどういったことをするのでしょうか?まだ、何もエマから話を聞けてないのですが、、、」
エマは、ハッとした表情をした。まだ説明してなかったことを思い出したのだ。
「ごめんね。すっかり忘れてたよ。」
そんな主人をアルセンは、呆れたような目でみた。
「主人。そんなんだから、私にあんぽんたんと罵られても反論できないのですよ。」
「ほんと、痛いところつくよね。でも今回は僕が説明してなかったのが、悪いから怒るの我慢するよ。」
「そんなことより早く、アスガルド嬢に説明してあげたほうがよろしいのでは?」
「はいはい。いつも思うけど、一言多いよね。では、気を取り直して今日の闇魔法の訓練内容を発表します!」
エマのことだから、昨日今日の浅い付き合いでもなんとなくわかる。おそらく、かなり大変そうな訓練になりそうな予感がする。
私は、ゴクリと唾を飲み込み、エマの言葉を待った。
「今日はとりあえず、この死者の森林の中でよくみられる魔物を倒してきてね!」
「ま、魔物?私、魔物なんて見たこともないんだよ!いきなりは、まだきついと思うんだけど、、もっとこう初歩的なやつから教えてもらえない?」
「え?初歩だよ!私も、最初闇魔法の訓練した時は、アルに魔物討伐させられたよ!まあ、場所は違ったけどね!」
ま、マジか。最初の訓練で魔物討伐なんて嘘だよね?普通もっと初歩的なやつとかあるでしょ!そう思い、俄には信じられない話が真実か確かめるため、アルセンさんの方を見ると、ニコッと笑った後コクリとうなづいた。
あ、ダメだ。ここには、まともな人が私しかいないという残念な現実を認識する羽目になった。
「そうなのね。ああもうわかったわ。種類はどんなやつでもいいから一匹だけでいいのよね?」
「いやー、それだと面白くないから…アルに用意させといたんだよね。」
エマがアルセンさんに目配りをした後に、パチンとアルセンさんが指を鳴らすと捕縛されている多数の魔物が空中に現れた。
「‥‥で、デカくね?」
と思わず、すでつっこんでしまった。4メートルくらいありそうな大きさのものや無駄に横にでかいもの、カエルのような見た目のものなど、さまざまな魔物が浮いていた。
「どうどう?楽しくなってきたでしょ!」
「なわけないでしょ!」
「大丈夫!絶対楽しいから♪それじゃあ、そろそろ魔物を解放しまーす!用意はいいかな?」
「いいわけあるかーー!!!!!!!」
と全力でツッコミを入れ叫びながら、現在魔物からの逃走が始まった。いや、ほんと勘弁してください!わたしは、餌じゃないんだよ!誰か、わたしを助けてください。
おそらく次回でこの訓練も終わると思います。最近は花粉が猛威をふるいまくってますが、負けずに更新頑張ろうと思います。




