46 運の悪い一日
よし、嵐が過ぎ去ったのでとりあえず、エマと話がしたい。まずは場所を変えたいな。話さなくても会話はできるが私的に声を出さないのは気持ち悪い。
「えー、めんどくさいよ。ここでも話はできるじゃん。」
(エマそんなこと言わないで、場所移動しようよ。)
「えーー。それじゃあ、移動したらなんかやってくれるの?」
エマは、キラキラした目でこっちをみてくる。んー、何かエマを喜ばせられるもの・・・
(そうだ!!エマ、後で面白いものみせてあげる。)
「面白いもの?ふふふ、それじゃあ楽しみにしとくね。」
ハァ・・
ようやくエマを説得できた。そうして、私たちは教室をでて裏庭に向かった。
ここらへんでいいかな。私たちは裏庭にぽつーんと一本だけ立っている木に登った。
「それで、リーンちゃんなにをやってくれるの?」
そういいながらとても楽しそうにピンク色の瞳を輝かせている。すごく期待されてる。プレッシャーだわ!
「それは、夜までのお楽しみだよ。」
そう言うと、エマはほほを膨らませて怒っている。だってせっかくならより楽しんでもらいたいからね!!
「わかったよ。それで、僕に聞きたいことがあるんでしょ。」
「そうそう!昨日、魔法の訓練をする場所を聞き忘れたんだよね。」
「あ、僕としたことがうっかりしてたよ。場所は僕が連れてくからそのまま自分の部屋にいてくれればいいよ。」
「部屋でいいのね。」
「うん!!夜の八時に迎えに行くね。窓は開けといて。」
「わかったわ。」
そう、うなずくとエマは満足そうな笑みを残して消えてしまった。すごい魔法だわ。
あんな魔法見たことない・・・
ぜひ私も使えるようになりたいものね。あ、もう鐘が鳴った。急がないと遅刻だわ。
こういう時にさっきの魔法が使えたら便利よね。
絶対にマスターするわ!
私は周囲を見渡して誰も見ていないことを確認し、木から飛び降り、全速力で走り校舎に入ってからはひたすら競歩で何とか間に合った。
危なかったわ。普段から鍛えていた成果が出たわね。
「リーンどちらに行ってましたの?」
横から心配そうに、メリーが話しかけてきた。
「保健室に行ってました。」
「そうですのね。具合は大丈夫ですの?」
「大丈夫ですわ。」
ゴホン。ゴホン。
いきなり前からわざとらしい咳払いが聞こえた。
なんとその授業は運の悪いことに前世でいうところの中学校または、高校に一人はいる生徒を理不尽なことで怒って憂さ晴らしをするタイプの先生の授業だった。ちなみに名前はレオナルドというアメリカとかに良くいそうな名前の先生だ。
「アスガルド嬢、授業中ですよ。」
「はい。すみません。」
まだ授業始まってないじゃんと言いたくなる気持ちを抑えなんとか謝った。
「本当に反省してますか?とても反省してるようには見えません!」
「あの、レオナルド先生私が話しかけたんです。だから、リーンは悪くないんです。」
メリーやっぱり優しい!!こんな友達がいて私は幸せだよ。
「ラティフォーナさんのような優秀な生徒がそんなことするわけがないわ。先生ちゃんとわかってますから大丈夫ですよ。」
「あの、、、ちがい・・」
「いいの。いいのわかってるわ。公爵家には逆らえないものね。アスガルド嬢、権力を盾に脅してはいけませんよ。」
はー。だめだ話が通じないわ。こういう場合は相手をしないのが一番ね。
こんなのに話しかけてたらきりがないもの。
「すみませんでした。」
「謝ってすむものでもないでしょう。」
いやいや、私そんなに怒らせるようなことやってないでしょうが!!
ふうー、落ち着け私。相手は話が通じないゴリラだと思えばいいわ。
そんな感じで葛藤をしているとなぜかレオナルド先生が気持ち悪い笑みを浮かべた。
「それでは、リーン嬢この問題が解けたら見逃がして差し上げますわ。」
そういい黒板に問題が書かれた。そういえばこの授業算数なんだ。
いつも本読んでて聞いてなかったから進み具合とかわからないんだよね。
「はい、答えは何ですか?」
えーと、この辺の長さを求めなさいって、なんだただの三平方の定理か。
「6cmです。」
そう答えるとなぜか、周りがざわざわしだした。
え?もしかして計算間違えた?
いや、どう考えてもあってるしどういう事だろう。レオナルド先生もポカーンという顔をしていて見ているがわとしては傑作だわ。
「あのー、先生?」
「・・・・・正解です。」
いやそんなのは知ってる。それよりだれかこの状況を説明して!!
「先生、ちょっと用事があるので自習にしててください。」
そういい、教室を出て行ってしまった。いったい何だったんだろう。




