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43 不思議な少女に会いました①

はぁー。はぁー。


いや、疲れた。前世で言うところの鬼ごっこを私はなんで毎回しないといけないの!


はい、今日もまだまだシン様に追われる日々を過ごしております。


あれから何度言っても全然やめてくれなくてもはや困ってるんだよね。


しかも、ジンとかメリーとかがちょうどいないタイミング、つまり一人の時に鉢合わせると言う偶然の連続だ。


これ、一体何がどうなってるんだろう。


ふぅー。とりあえず木の上まで登るか。

そう思い、近くにある他の木に比べてやたらと大きく、幹も太い木に素早く登った。


無我夢中で登ったため思ったよりも高いところまで登ってしまったが、まあなんとかなるだろう。


私は、ちょうど良さそうな木の幹から近くの様子を観察した。木々の隙間からシン様らしき人が歩いているのが見えたのでそのまま息を潜めてやり過ごすことにした。

 

だんだんと近づいて来るにつれて私の心臓の音も大きくなる。


ドクン。ドクン。


ああ、早く通り過ぎて欲しいんだけどな。

なんでこう言う時って時間が長く感じるんだろう。


「ねぇ、何してるの?」


「ちょ、えーーー!」


思わず、大きな声が出てしまったため、私は急いで両手で口元を押さえた。まさか、私よりもさらに上まで登った見知らぬ女の子がいるとは‥。

驚きどころの話ではない。


しかもこの子、遠くから見たあの時の闇魔法の子かな。ツインテールしてるし、なんだかカワイイ系だもの。


「クスクス。どうしてそんなに驚いてるの?」


「人がいるとは思わなかったんだよ!」


あ、やばい。初対面なのに敬語も何も使わなかった。この学院にいるってことは貴族だよね。

だったら、この状況かなりまずいのでは?


「大丈夫だよ。私は貴族でもなんでもないから。」


「あれ、私声に出してましたか?」


「出してないよ。ただ、私が闇魔法使ったんだよ。」


そう、にっこりとした可愛らしい笑顔で返された。


「…そうなんですね。」


ん?ちょっと待って闇魔法にそんな便利なものあるの?

私、闇魔法はまだ上級までしかマスター出来てないんだけど、そんなのなかったよ。つまりは私より上だよね。是非とも私に教えてもらいたい。


「え、君。闇魔法使えるの?」


うわぁー、これダメだわ。私の心の声筒抜けになっちゃうやつだ。どうすればいいんだろう。


いや、どうしようもないか。

ならいっそ開き直ろう。


「使えるよ。」


そう言うと何故か大きくて可愛らしい目をさらに開けてキラキラさせている。


「やっと、…」


急に声が小さくなって何言ってるか分からないわ。やっと、の後なんて言ったんだろう。


「やっと会えた。」


「え?何が、そして何の話?」


少女は、ニヤリと笑い、新しいおもちゃを見つけたようなとても可愛らしい笑みを浮かべた。

あれ、この表現だと私、おもちゃ役じゃない?


「いやいや、こっちの話だよ。」


「そうなんですね。」


「「…。」」


んー、なんだか沈黙が重い。一体この子はいついなくなるんだろう。


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