42 短剣を手に入れました。
次の日、私はミルに昨日考えたことを訓練の時に相談することにした。
「ミル、ちょっと相談してもいい?」
「…どうしたの?」
「制服とかドレスとか着てる時に護衛用になにかいい感じの物を持ってたいんだよね。」
「…いい感じのもの?」
「そうそう、短剣みたいなものよ。いざって時に武器があった方が何かといいでしょ。」
そう、私が言うと何故かミルは、私と反対方向を向き肩をふるわせている。
「あれ?どうしたの?なにか私しちゃった?」
「ははっ。いや、ただ面白かっただけだよ。」
あら、今いつもより返事が早かったよ。
それに私が面白い?何も面白いこと言ってないと思うんだけどな。極めて真面目に考えたことを言っただけなのにどういうことだろう。
「…いや、なんでもないよ。」
あ、また戻っちゃったね。まだ距離のとり方分からないな。ん?いやいや、それでいいのよ。
あんまり、仲が良くなりすぎてものちのちどうせ突き放されるんだから、今のうちにわりきらないとね。
「そっか。」
「…わかった。じゃあ、リーンに合いそうなものを知り合いに頼んでおくよ。」
「ありがとう。助かるわ。」
よし、これで武器は確保できたね。これなら、いついかなる時に来ても対応ができるよね。
「…じゃあ、短剣が届いたらそっちの練習も混ぜよう。」
「ありがとう!!それは、私の望みでもあるわ。」
そう笑顔で言うと、何故か頭をポンポンされた。
おおー、これが世にいうあれか。
まあ、私は年齢イコール彼氏いない歴だったから体験したこと無かったけどね。
なんだか、イケメンにこんなことやられるとこそばゆい気持ちになるな。
その後は、普段通りの訓練に入った。最近の訓練では、自分でも以前より反射速度や剣で攻めてきた時の対応ができるようになった。
これも日頃の努力のおかげかしら。
そうね、そうに違いない。
……
後日、私専用の短剣をミルから貰った!
しかも、ルーレの実が使われてる超超高い値段のものだった。
ルーレの実とは聖樹にしかならない実のことで、年によっては全く取れなかったりするレアな実のことだ。貴族でさえも手に入れることが難しいと言われルーレの花を見たものは一生幸せになれるなんて言うロマンチックなストーリつきだ。
「ミル、何でルーレの実がついてるの?」
「…、リーンは魔法も使えるから、…ルーレの実があると、魔力を増幅できるし、より向いてると思った。」
「確かに、そうかもね。それでも、高かったでしょ。私の父に支払いは任せていいと思うよ。」
「…それはダメ。」
「え?どうして。」
「…誕生日プレゼント、結局渡しそびれたから。」
「いや別にいいのに。」
そう言うと、いつもは無表情の顔が若干だが、悲しそうに見えた。
これはまずい、なにかフォローを入れとかないと。
「いやでも、本当にありがとうね。大切に使うよ。」
「…うん。」
そう言い、ミルは朗らかに笑った。
つっ。いや、やっぱイケメンはずるいな。顔が赤くなってきた。
そんなこんなで、その日から数週間は短剣の訓練をした。ついでに夜に魔力を込める練習も行ったので、最近ではスムーズに魔法と剣術を組み合わせることが出来た。
よし、これでまた平凡への道は縮まったぞ。
この調子でまだまだ頑張るぞー!




