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39 ラティフォーナ侯爵家に来ました①

誕生日から数日がたっているが、あれからずっと気になることがある。メリー様のあの日、シンが来てからの態度の急変ぶりがずっと頭から離れない。

いったい、何があんなに彼女を変えてしまったのだろう。


それを、学院でもいちばん仲良いはずの私が知らない、その事実が私の心を苦しめていた。

メリー様にとって、私はそんなに信用ないのかな。


なんて、落ち込んだりして過ごしていた。けれど訓練中に、ミルが話を聞いてくれたことで少し落ち着いた。


その結果、私の結論としては手紙を書いて事実を聞いてみることである。ジン以外の友達との手紙なんて、全くやった事がなかったが、勇気を出して書いた。


「ラーナ、これをラティフォーナ侯爵家まで届けて。」


「メリー様宛でよろしいですか?」


「いいわ。出来るだけ早くお願い。」


「承知しました。」


……


翌日には、メリー様からの手紙が届いた。にしても、ほんとにラーナの仕事の速さには驚かされる。さすが、私の専属メイドだわ。


手紙には、こう書かれていた。


リーン様に心配かけてしまい申し訳ありません。明日、ラティフォーナ侯爵家に招待します。

詳しい話については、そこでお話しようと思います。


というわけで私は、明日急遽だが、ラティフォーナ侯爵家に訪れることになった。


そこで、私はちょっとでも喜んでもらえるようにある準備をした。


……


翌日、いつも以上に気合を入れてラティフォーナ侯爵家に乗り込んだ。


公爵家程ではないが、それなりに整った広い敷地で、外からも見える薔薇園が本当に美しい。

なんでも、侯爵様の趣味らしい。国内でも有数の薔薇の愛好家としても有名だ。


そうこう考えてるうちに到着し、侯爵家に入った。執事さんに案内された部屋でしばらく待っていると、そこに突然メリー様ではなく、シンが現れた。


ん?なぜいきなりこの人がここに来るんだろう。

まあ、いいや。挨拶しないと。


「こんにちは。シン・ラティフォーナ様、メリー様より招待をいただきお邪魔させてもらってます。よろしければ、こちらをご家族の皆さんで召し上がってください。今、流行りの焼き菓子です。」


「ご丁寧にありがとうございます。メリーはまだレッスンの最中ですので、もう少しお待ちください。」


「わかりましたわ。」


「……。」


「……。」


なんだか、すっごくこっちを見てくるんだけど、しかもこの沈黙がなんだかいたたまれない。


「あのぅ。なにか私の顔についてますか?」


「いいえ。ただ、本当に美しくも可愛らしいお顔だなと思っただけです。」


「それは、ありがとうございます。」


いやいや、私よりあなたの方が可愛いでしょ。なんだか、負けた感が否めないんだけども。


「少し、座ってお話してもよろしいでしょうか。」


「あ、はい。私で良ければ話し相手になりますよ。」


…。なんで私の隣に座るのよ!前が空いてるでしょ。前が、この子見えてないのかしら。

いや、そんなことないよね。


「リーン嬢は、ご兄弟がいらっしゃいますか?」


「いませんわ。一人っ子です。」


「そうですか。僕には、ご存知の通り妹がいるんですが、幼少期からあまり仲が良くないんです。本当はもう少し仲良くしたいんですけどね。」


そう言い、本当に悲しそうに目を伏せている。

私は、なんて言ったらいいかわからず、沈黙しかできない。


「…。」


「先日のリーン嬢の誕生日パーティに参加したのは妹が仲がいいというご令嬢を見てみたかったからなんですよ。」


「そうなんですね。」


「はい。あの日本当に楽しそうに会話を楽しんでいる様子のメリーを僕は久しぶりに見ました。僕との会話は空気が重くなってしまうので。」


「…。あの差し出がましいようですけど、そのことをメリー様にお話されてはいかがでしょうか。」


「いや、妹は僕のことなんかほんとに恐怖の対象でしかないと思うんだ。だから、無理かな。

リーン嬢には感謝してるんだ。これからも、メリーと仲良くしてあげてね。」


「はい。もちろんです。」


そう言うと、ニコッと笑いどこかへ行ってしまった。私にも、前世では兄がいたため兄弟関係の大変さは痛いほどわかるのだ。


シンにはシンの悩みがあり、メリー様にはメリー様のなやみがある。


どうにか私が解決できないかな。そんなことを考えながら、お茶を飲んで待っていた。

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