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33 体調悪化

日が経つのは、早いものであれから数ヶ月がたった。

学院内の緑は、生い茂りだんだんと季節的には夏に突入してきた。


その間に私は、放課後暇な時にはシェリー先生に氷魔法を教えて貰っている。シェリー先生は、かなりのスパルタだ。もう、ほんとスパルタ度合いは、お母様といい勝負をするのではないだろうか。


その分シェリー先生は、魔法に関してはかなりの天才らしく、かつて王立魔法団の団長を務め、この国でも5本指に入るほどの実力者らしい。


王立魔法団というのは、魔法を専門的に扱うラパス王国独自の機関らしい。なんでも、入るだけでもかなり苦労するともっぱらの噂だ。

そんな人に教えて貰えるのは、幸いな事だと思う。


私は、中級魔法までしかやった事がなかったのではじめのうちは魔力量が足りなくなることが多々あったが、毎日続けると、だんだんと慣れてくるようになった。


シェリー先生は、先生ということもあり教え方がとても上手なので、本では理解出来なかった所まで深く魔法についてを学ぶことが出来ている。


今では、中級魔法を完全にマスターし、上級魔法を学んでいる。シェリー先生がよく使っている氷の結界魔法も詠唱ありであればできるようになった。


それに、シェリー先生は氷魔法だけでなく、無属性の魔法もかなりできるので、それも教わっている。

ものを運んだりする魔法とか、空中に浮く魔法とかもできるようになった。


それに、平凡の度合いについてもシェリー先生に学んでいる。だから、普通の授業ではそこそこの成績をキープできているのだ。ほんとにシェリー先生には、感謝しかない。




ところが、最近気になることができた。というのは何故かよく視線を感じるからだ。


今日も移動教室の際にどこからか視線を感じた気がしたのだが、その正体がわからなかった。


なんか、むしゃくしゃするなー。


初めのうちは、ジンといる時の女子の嫉妬だと思っていたが、1人になるとより確実に感じるので私のことを見ているのだとわかった。その視線が気持ち悪い。


それに、なんだか最近気にしすぎているせいで、夜もよくねむれずに体調が良くない。


「リーン?大丈夫か。」


私が机に突っ伏していると、後ろから心配そうなジンの声が聞こえた。一瞬顔を上げると、もう私の席の周りにはほとんど人が居なかった。もう、放課後なのか。


「うん。大丈夫。」


そう言い、私はだるい体を起こして寮に向かって帰ろうとしたが、腕を掴まれてしまったので帰れない。


「大丈夫じゃないだろ。ココ最近お前変だぞ。」


「別に。なんでもない。」


いつも困った時には、助けられてばかりいるからジンに迷惑かけたくない。そう思い、素っ気なく返事をした。


「なんでもない………なわけねぇだろ。」


そう言い、私の顔を覗き込み、額に手を当てた。ジンの手が冷たいのでとても気持ちよく感じられた。


「…あっつ。これ、熱があるじゃねえか。」


「熱なんてない……よ。」


私は、何とかそう返すだけで精一杯だった。だんだんと本当に体が言うことを効かなくなってきた。早く家に帰ろう。


そう思いながら、足を踏み出すがふらついてしまったのをジンに咄嗟に支えられた。


「リーン。大人しくしてろよ。」


そう言い、ジンにお姫様抱っこをされた。これは、さすがに恥ずかしい。


「…おろして。」


「ダメだ。さっきもふらついてたやつが何言ってる。ここからだと女子寮は遠いから俺専用の屋敷まで運ぶぞ。」


あー、やばい。恥ずかしいんだけど、けどそれより何より眠い。なんだろう。すごく安心するような香りがする。


「…ごめんね。…いつも迷惑かけて。」


「迷惑?そんなのかけられてねぇよ。俺は自分がやりたいようにやってるだけだ。」


なんだか、すごくジンらしい言葉だ。胸のところが温かくなるような感じだ。

私は、何とか笑顔を作り、お礼を言った。


「ありが…と…う。」


「…おう。それで何を悩んでるんだ。」


「…誰か、私を…見てる。…ひとりに…なると」


「……ふーん。なるほどね。そいつタダじゃおかない。

リーン眠いなら寝ていいぞ。」


そう、ジンが頭を優しく撫でてくれたところで安心してしまい私の記憶は途切れた。


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