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29 閑話 メリー・ラティフォーナ

私の名前は、メリー・ラティフォーナ。

ラティフォーナ侯爵家の長女として生まれた。


父は、とても厳格だが頭が切れることで、国王からの信頼もあつい宰相をしている。一方で母を溺愛しており、愛妻家としても有名である。


母は、没落寸前の男爵家出身で、身分的には全く釣り合わなかったが、父が猛烈的に母にアピールをし続けたらしい。最初は反対していた母も恋に落ち結局は、両思いになり結ばれたいわゆる恋愛結婚だ。


そんな両親の間に第一子として、生まれたのが私の1つ上の兄であるシンお兄様だ。お兄様は、母にとても似た容姿をしており、黄色の瞳に、母と同じ黄緑色の髪を持って生まれてきた。


当然父は、母と似た容姿をしていたために息子を溺愛しながら育て、兄は、両親の愛情を一身に受けて育った。

お兄様は、頭が本当にキレるだけでなく、誰からも愛される性格をもちあわせていた。


一方で、第2子として生まれた私の見た目は、瞳の色が同じこと以外は、全くお母様に似ていなかった。性格も、内気な性格をしていたため、人と上手く付き合えなかった。そのせいか、父の当たりは私に対しては、厳格だった。


毎日、ほとんどの時間を勉強、マナーのレッスンに費やさなければならなかった。母は、私のことを庇おうとはするが父に対して強く発言できないでいた。兄は、私のことに興味がないのか、いつも無関心だった。


そんな中、私の心の支えとなったのは、生まれた時からの婚約者であったレオンだけだった。


最初は内気な性格のために上手く話せなかったが、諦めずにいつも話しかけてくれた事で少しずつ心を開いていった。


レオンの前では、上手くいかなかったこと、逆に嬉しかったこと、どんな些細なことでも話すことが出来た。

レオンの家も私と同じように状況が複雑のためお互いに理解し合うことが出来た。


初めは、仲の良い友達としか思っていなかった。ところが、それは気づいたらお互いに恋心に変わっていた。


…………


月日は、流れ私たちは王立魔法学院中等部に入学する日になった。この年になれば、内気な性格もだんだんと克服していけるようになり、それなりに自信もついてきた。

勉強に関しても、兄までとはいかずともそこそこできる方まで成長できた。


入学式初日のパーティは、もちろんレオンのパートナーとして参加した。相も変わらず、レオンはかっこいいこともあり、周りからの視線が痛い。


ところが、第一王子殿下とその婚約者が登場したことで会場の視線は一気にそちらに集まった。


殿下とは、兄を通して何度かお目にかかることがあったが、その婚約者である公爵令嬢のアスガルド嬢とは関わりもなければお茶会であったこともなかった。


今日、初めて見たが本当に女子である私からしても羨ましいくらいに可愛らしい。男性だけでなく女性からの視線も一度に集めている。


「お美しいですわ。」


「ふん。でも、マナーがいいとは限りませんわよ。」


「そうですわ。美しいだけでは王太子妃になんてなれませんもの。」


と、コソコソ陰口を言い合う令嬢があちらこちらにいた。



ところがアスガルド嬢が、殿下からエスコートを受け歩き始めたことでコソコソ陰口を言っていた令嬢までもが口を閉じた。


彼女の歩き方1つとっただけでも並々ならぬ努力がみてとれたのだ。小さい頃からレッスンを受けている私だがあそこまで綺麗な歩き方や、礼を見たことがない。


それに、その後の挨拶から受け答えまで全てが本当に素晴らしかった。私は、今まであんなご令嬢を見た事がなかったので驚くと共にアスガルド嬢が尊敬の存在へ変わった。


さらに驚いたのは、殿下の溺愛ぶりだ。あんなに楽しそうにダンスを踊っている様子は、初めて見た。


2日後私の隣の席は、アスガルド嬢だった。尊敬する人が隣にいる、それだけで私は満足だった。


でも、まさか声をかけられるなんて微塵の欠片も思っていなかった。実際に話してみてわかったが、カッコイイだけでなく、中身も本当に可愛らしいということがよくわかった。


そして、かなりの鈍感だということも。

殿下があんなにも熱視線を後ろから送っているので周りがザワザワしているのだが、送られている張本人は、プリンの話に夢中で全く気がついていないようだ。


そんな、私の想像とは違ったところもまた魅力的だと思った。


また、驚くことは、続くものでミル様が普段見せないような笑顔をリーン様に向けていたことも衝撃的だった。


私は、ミル様をお茶会でよく見かけたがいつもつまらなそうに壁付近に立っているだけで話すとしてもレオンがいた時だけだった。だからこそ、私ははじめ目の前で起きていることが信じられなかったが、どうやらレオンも、同じ光景をみているらしかった。


そして、ミル様がリーン様に向ける視線がいつもと違っていることに気がついた。


その後、リーン様に誘われてスイーツを食べに行った。真剣に選んでいる様子は、全て顔に出ており、見ているだけで面白かった。


殿下が外にいたのはわかっていたので少しからかうつもりでいつもレオンとやることをやってみた。


案の定、面白い反応が見れたのでわたし的には、大満足だった。それと共に、殿下がこれからも苦労する様子が目に浮かび面白かった。


私は、この日本当にリーン様と出会えて、友人になれて心の底から良かったと思った。これから、お互いのことをどんどんしっていって鈍感な彼女を友として支えよう、そう思った。



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