27 はじめての友達
次の日、今日も昨日と同じようにミルと訓練をし、ラーナお得意の朝食を食べ、学院に向かった。
どうやら、掲示板のところに人だかりができている。それもすごい人数だ。
「お、リーン。おはよう。」
そう声をかけてきた奴を見ると、相も変わらず完璧なたたずまいをしていた。なんか、ほんとに生きているだけで国宝級なんだから羨ましいわ。
「おはよう、ジン。これってなんの人だかり?」
「あぁ、どうやら昨日受けたテストを元にしたクラス分けの結果らしい。」
もう、出るのね。先生たち採点大変だろうな。
「見に行こうぜ。」
そう言い、私を引っ張った。ジンが近づくと自然と人が左右にザザザーと移動をするので本当にすごいと思った。
「ジン様。はぁー!今日もとても麗しい!」
「ほんとだわ。なんて神々しいのかしら。私の婚約者だったら良いのに。ところで隣にいるのは、誰かしら。ジン様と親しそうにしているけれど。」
「あら、ご存知ないの。アスガルド公爵家の令嬢ですわ。」
「まあ、あの方が。」
という、話し声と私に対する嫉妬の目線が昨日と同じくビシバシ当たる。隣を見るとそんな視線を軽く無視し続けているジンがいた。
さ、さすが。私も見習おう。
そうこう思っているうちに掲示板の前に着いた。クラスは、SS、S、A、B、C、Dの6クラスに分けられているらしい。おそらく、私はBクラスぐらいだろう。そう思い、探してみると自分の名前がない。
「おい、もう移動しようぜ。」
と、隣では既に確認し終えて暇そうなジンがいた。
「待って。まだ見つけてないのよ。」
そう、言ってるのにズルズル引っ張られていく。これじゃあ、私クラスわかんないじゃない。
「だから、リーン。俺と同じクラスだって。」
え、ジンと同じクラスってことは、まさか、、、
「SSクラス?」
そう、聞くと何を当たり前のことを言っているんだという呆れた顔で見られた。
う、嘘だ。だって、私はわざわざ平均点を狙ってといたのに、こんな結果はおかしい。
何故だ。しかも、ジンと一緒なんて勘弁して欲しい。周りからの視線がとてつもなく痛いのだ。
はぁ。私はジンの後をトボトボとついて行った。
SSクラスの黒板の前には座席が貼って合った。ジンは私の後ろの席だったので、とりあえず隣ではないことに安心した。他のクラスメイトの名前を確認してみると、一昨日知り合ったレオン・ハルトの名前と、ミルまで名前があった。
私本当に大丈夫だろうか。そう、不安に思いながらもとりあえず、私は指定された席に向かった。私の隣には既に女の子が座っていた。
茶髪のミディアムボブに黄色の瞳を持つこれまた可愛らしい子だ。しかも、まつげ長い。ここが、日本だったら間違いなくモデルになっているだろう。
そんな私の視線に気づいたのか、女の子がこちらを向いた。
「リーン・アスガルドと申します。よろしくお願い致します。」
そう、挨拶をするとその子は、笑顔で返事をしてくれた。
「メリー・ラティフォーナでございます。」
ん、ラティフォーナ?あら、もしかして…
「ラティフォーナということは、宰相のご息女ですか?」
「そうですわ。」
ああ、やっぱりか。これは、あまり近づきたくないかな。
「リーン様は公爵家のご令嬢ですわね。お噂はかねがね聞いておりますわ。なんでも、こなす才色兼備なご令嬢、私ずっと憧れていましたの。」
「そんなことないですよ。」
やめてくれー!私そんなにすごくないんだよ。そんな憧れていましたなんて言われるほどの人じゃないのに。
メリー様の目はもう、キラキラしている。
「リーン様は、魔法属性はなんですの?私は、水魔法でしたわ。」
「私は、氷魔法です。」
「まあ、氷魔法!闇魔法と光魔法の次に少ない属性魔法ですわね。さすがですわ。」
へー、そんなこと知らなかったなぁ。
「好きな食べ物は何ですか?」
「えーと、私は、プリンが好きです。」
「プリン。はい、はい!私もです。あの滑らかな舌触りがたまりませんわよね。」
「そうなのー!口に入った瞬間に幸せが広がる感じがとても好きなんです。」
「分かりますわ。あの感覚を一度知ったら、抜け出せませんわよね。」
そんな、感じでプリンの話に花を咲かせ、すっかり仲良くなってしまった。気づけば、先生が来ており話が始まった。ちなみに先生は、すごくグラマーなお姉さん系先生だ。
「えーと。皆さんはじめまして。
SSクラス担任のシェリー・ワイズです。魔法属性は、氷ですので、氷魔法が使える生徒とはこれから頻繁に関わると思います。えー、そうそう。授業の説明をしてないですね。基本的には、知ってると思いますが属性魔法の訓練だけでなく、教養科目、マナーや、乗馬、男性には剣術、女性には淑女レッスンがあります。それぞれ最終的には実技試験、筆記試験を受けてもらい、その合計により、ランクが決まります。ここまで何か質問ありますか?」
「はい。最低ランクをとった場合はどうなりますか?」
「あー、説明し忘れてました。最低ランクをとると、お家へ通達がいき、成績にも影響が出ますので気を付けてください。下手すると、卒業時の称号にも影響でますよ。」
「他に質問はありますか?…ないようですね。
ではまず昨日のテストの結果を返します。午後には学年順位が張り出されるので確認してください。」
そう言われ、順々にみんなテストを取りに行った。私の番になったので、テストを受け取りに行った。
「リーンさん。これからよろしくお願いします。」
そう小声で言われた。あー、なるほどこれから属性的にも関わるから言ったのか。
「こちらこそ。よろしくお願いします。」
私も一応そう返した。席に帰って改めて成績を見ても、大方点数調整をしていたので、平均点であろう80点をキープしていた。これでは、なぜ私が上のクラスかが分からない。
「ふーん。80点か。まあまあだな。」
気づけば、後ろのやつが私の点を大々的に声に出していた。コノヤロウ。いちいち声にださなくてもいいじゃないか。
「声に出さないでよ。そういうジンは、何点よ。」
「満点。」
そう、ドヤ顔で返された。いや、私も本当は、とれるから別に悔しくないし。
教室が少しガヤガヤしてきた。
「みなさーん。しすかにしてください。」
いや、先生の声全く聞こえてないわ。めちゃめちゃ盛り上がってる。
「みなさーん。しずかに……。
静かにしねぇと全員氷漬けにするぞオラ。」
おっと!なんか、出ちゃいけない声が先生から出た。めっちゃ低くて男性みたいな声だ。もしかして、この人男性?
そうは、見えないのにな。
何やら、空気が凍てついたためクラスが静かになった。
「ゴホン。あくまで入学時の点数なのでそんなに盛り上がらないでください。これから、点数落ちたりすると、クラスも落ちます。また、その際には親御さんにも連絡が行きます。」
え?それってクラス落ちたら、私お母様に知られて地獄を見るってことよね。うわぁー!どーしよ。
「ちなみに今回のテスト。全体の平均点が40点でした。皆さんのクラスの平均は72点です。参考にしてください。それでは授業を始めます。」
いやいや、平均40って、低すぎません?あんな簡単なテストで、そんなこと起こるの?
思ったより点数低くしないとダメかもしれない。でも、まあ、このクラスで見れば、ちょっと平均より高いくらいよね。
これからも、テストの度合いを見ながら70~80点ぐらいをキープすれば大丈夫ですかな。
私は、授業中今後のことを考えていてほとんど聞いていなかったが、黒板を見る限り既に学習済みの内容だった。その日は、座学しかやらなかったので私的には退屈だった。




