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26 クラス分けテスト

馬車に乗り込んだあとも、ジンの機嫌がとてつもなく悪い。何故か眉間に皺までよっているのだ。


お互いに終始無言の状態が10分以上続いている。さすがに、気まずすぎる状況にウンザリしてきたので、ジンに聞いてみることにした。


「なんでそんなに機嫌悪いの?」


それを聞いて少し私の方を見たあと、また顔を横にそらし無言をつき通している。

無視ですね。はい。


「ジン?ねぇ、聞いてる?なんで機嫌悪いの?」


もう、1度聞いてみたが、今度は反応さえかえってこない。ちょっと、腹がたってきたのでほっぺたを引っ張ってみることにした。前に1度やられてるし、何も問題ないだろう。


そう思い、向かいに座るジンの隣に座り、ほっぺたを引っ張った。


さすがに予想外の行動だったのか、かなり驚いた様子だ。


「リーン。いひゃい。はなしぇ。」


わぁ。なんか、そういう言えてない感じで言われると母性くすぐられるわ。しかも、今思えばなんてジンは美白なのだろう。女の私でさえ羨ましく思う肌ツヤをしている。



「じゃあ、機嫌悪い理由言う?」


「…。」


そう聞くと、また、無言に戻った。なんなんだ。やっぱりガキだなと改めて思った。


「ジン。そろそろ答えて。私超能力者じゃないんだから何考えてるかわかんないよ。」


「手、はなひたら、いう。」


と、今度こそ言ってくれたので私は手を離した。少し間が空いたあと、ようやく話してくれた。


「リーンがそこで待ってろって言ったのに、知らない男とダンス踊ってるのを見たら、なんか、ムカムカしてきたんだよ。」


えー!なんか、理由が思ってたのとだいぶ違う。しかも拗ねてるみたいで可愛い。


「ねぇねぇ。それって嫉妬?」


そう、私が聞くと


「ち、違うし。そ、そんなんじゃねぇよ。」


と、言う動揺した言葉が聞こえた。


「ふーん。動揺してるし、図星か。」


「……あぁ。図星だよ。嫌だったんだよ。俺以外の男と踊ってるのを見るのは。だから、もう絶対踊るなよ。」


と、今度は開き直ってきた。しょうがない。どうせ、私は偽りの婚約者だ。そのくらいなら聞いてあげよう。


「いいよ。じゃあ、もう機嫌直してね。」


「絶対だからな。」


そう念を押してもう一度言ってきた。その後、すぐに馬車は寮に到着した。


「じゃあ、またね。」


そう言い、寮の中に入ろうとすると、急に手を引っ張られ何故かジンの腕の中にいた。


「ちょっと、ジン。離して」


「ごめん。もう少しだけ」


そう言って、なかなか解放してくれなかった。しばらく経つと、気が済んだのか、ようやく解放してくれた。

何故か、満面の笑みを浮かべたジンは、完全に元気を取り戻し、自分の寮へ戻って行った。

一体なんだったんだろうか。そう思いながら、私も寮へ戻った。

そして、ようやく長い一日が終わったのだ。


……………………………………………………………


次の日いつも通り、5時に起き、ラーナにすぐ支度をしてもらった。外に出ると、そこには既にミルがいた。


「ごめん。待たせちゃった?」


「…大丈夫。それより、リーン。目立つと困るよね?」


「うん。一応公爵令嬢だからね。」


「…着いてきて。」


そう、ミルに言われ私はついて行った。しばらくすると、馬小屋が見えてきた。どうやら、乗馬をする生徒がいるため自由に馬を貸してくれるらしい。


「…。ここで馬を借りて移動しよう。」


そこで、私たちはそれぞれ馬を選ぶことにした。どの馬にしよう。思ったよりもずっと広い馬小屋なので、中には50頭以上の馬がいた。しばらく探してみると1頭だけ馬が黒色で瞳がくりくりしている馬がいた。なんかカッコイイ。そう思い、私はその子を選んだ。


ミルはと言うと、馬小屋のおじさんがそいつはやめといた方がいいと言う暴れ馬を選んでいた。さすが、師匠の息子。変わっているなぁと再認識した。


その後、私は、ミルのあとを馬に乗り着いていった。さすが、ミル。暴れ馬だと言われた馬をいとも簡単に乗りこなしている。馬で走ってすぐに森があった。朝ということで、少し霧が出ている。それにしても気持ちのいい朝だ。でも、学院内に、森って普通なら考えられないな。

そう思いながら、しばらく走ると森をぬけた先にはただ、ただ広い野原があった。


私たちは、そこで馬を降り、いつもと同じメニューをこなした。




ようやく、その日の素振りが終わり、体内時計的には7時ぐらいだろうか。私たちは、急いで馬小屋までとばし、寮まで戻ってきた。


その後は、お互いに別れ、それぞれ準備をした。

朝食は、食堂に行くのもめんどくさいのでラーナが作ってくれたものを食べた。さすが、ラーナ。何をやらせても一流で料理まで上手だった。


その日は、クラス分けテストということで指定された席につき試験を受けた。そして、腐れ縁なのだろうか。隣の席はジン。そのまた隣はミルだった。


まずは、算術。前世で言うところの数学にあたるものだ。私は、問題を見て驚いた。簡単すぎる、これって舐められてる?そこに書いてあったのは、軽い計算ばかりだった。平均ってどのくらいだろう。 まあ、このレベルなら八割ぐらいの平均点でも全く不思議ではない。よし、八割ぐらいだから、ここの問題を空白にして、ここも空白。そんな感じで自分の点数を計算しながら受けた。


続いて、歴史、地理、昼食を挟み語学のテストだった。

どれもこれも既に学習済みの範囲だったので、点数の調整をしながら受けられたので、楽勝だった。


こんなに楽なら平均点ももちろん高くなるだろう。

いやー、それにしても楽だった。途中から点数操作の方が面白くなってしまっていたもの。


「リーン。テストどうだった?」


一人で今日のことを考えていると、ジンが声をかけてきた。


「普通かな。ジンはどうだった?」


「完璧だな。間違う要素がない。」


そう自信たっぷり言っていた。まあ、あのレベルなら当然だろうと思っていた。


その後は、いよいよ魔力測定だった。自分がどの属性なのかは、水晶に手をかざすことで決まるらしい。まあ、私は、もう既に知っているからやる必要ないんだけどね。


そうこうしているうちにジンの番が来た。ジンが水晶に触れると水晶から炎が燃え始め、室内の気温が上がった気がした。先生も少し驚いたような様子で


「これ程魔力があるとは、流石です。」


と言った感じで感心していた。


「キャー。殿下は、私と同じ属性よ。」


「やったぜ。俺も殿下と同じだ。」


と、謎に喜んでいる声がちらほら聞こえる。なんでこの人たちこんな喜んでいるんだろう。


その後は、私の番。どれかひとつの属性しか出ないなら、私はどれがが出るんだろう。そう思いながら、水晶に手をかざした。その瞬間、室内の温度が一気に下がり、水晶がカチコチに凍りついた。


「なんか、すごく寒くない?」


「あぁ。まるで真冬に外にいるようだ。」


そんな驚いた声があちこちで聞こえた。

やばい、少し魔力注いだだけなのに、想像以上に効果が出てしまった。


そう、思ってももう、後の祭りだ。先生は、メガネがずり落ち、腰を抜かすほどのリアクションをしていた。


「す、すごい。さすがですね。」


そう、ずり落ちたメガネを直しながら先生が言った。私は、と言うと冷や汗が止まらならない。そして作り笑顔を維持するので精一杯。


席に戻ると、ジンが少し驚いた様子で声をかけた。


「リーン。お前すごいな。」


ジンにまで言われてしまった。私は、引き続き作り笑顔でお礼を言った。


「ありがとう。」


その後は、ミルだ。ミルが水晶に手をかざすと、水晶が緑に光り気がついたら、水晶につたが張っていた。

なるほど、ミルは木属性か。


その後も続き、全員が魔力測定を終えた頃には夕方になっていた。そして、解散となり何故か私を寮まで見送ると聞かないジンとともに帰った。


寮に到着し、その日は夕食もラーナが作ったものを食べた。そして、疲れたので早めに眠ることにした。

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