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24 怒涛の入学式①

馬車の中で爆睡した私は、馬車を降りてもなお眠気が収まらない。眠い、眠すぎる。今日の訓練頑張りすぎたからかな。早く帰って寝たい。なんなら入学式サボって、寝ていたい。


ふぁー。ついあくびまでしてしまった。


「お嬢様。」


そう小声でラーナに言われて気を少し引き締めた。そうは言っても眠いものは眠いのであんまり意味は無いかもしれない。

そんな私だが校門を通り抜け、校舎を見た瞬間には眠気などどこかに吹っ飛んでしまった。


お、お、大きい。

私の想像以上の大きさに思わず口をポカーンと開けてしまった。傍から見たら、実に変な顔をしているだろう。

だって、いつも無表情のラーナが少し笑ってるんだもん。


でも、いくら貴族が大勢通うからってここまで大きくすることはなかったと思う。他のことにお金を使った方が賢いと思った。


「それでは、お嬢様。私は入学式の手続きをして参ります。入学式には参加を出来ないので近くで待機しております。」


そう言い、ラーナはどこかへ行ってしまった。


私は、時計を見てあまり入学式まで時間が無いことに気づいた。あぁ、私が寝すぎてしまったせいだわ。とにかく、公爵令嬢が遅刻なんてお母様にバレた日にはお仕置がいつもの倍どころじゃなさそうだ。そこで、急いで入学式会場に向かった。


ところが、曲がり角を曲がれば会場という所で勢いよく、誰かにぶつかってしまった。


「いたっ。」


と思わず声を出してしまった。


「お嬢さん大丈夫ですか?」


私は顔を上げて 声をかけた人を見た。そこには、黒髪で紫色の瞳を持ちこちらを心配そうにしているイケメンがいた。


「大丈夫です。ありがとうございます。」


私は、そう返事をして急いで会場に入ろうとした。しかし、腕を掴まれてしまったので、会場に入ることが出来ない。この人なんで腕を掴んだんだろう。しかも、だんだん握る力を強くしてきているのだ。


「痛いので、手を離してください。」


そう、私が言っても聞こえていないのか、全く腕を離してくれる気配はない。はぁ、めんどくさい。そう思いながらも、力が強くて振りはらえない。仕方なくしばらくそのままの状態でいると、今度は後ろから聞いた事のある、声が聞こえた。


「おい!リーン。校門の前で待ってろよ。なんでさきにいくんだよ。」


「だって、時間なかったし、それにジンと約束なんてしてないもん。」


「確かにそうだが、それでも普通待ってるだろう。」


「いやいや、いつ行くかは私の自由だよね。」


そんな感じで言い争いを始めた私たちにやっと気づいたのか男性は、手を離してくれた。


「リーン嬢先程は失礼しました。御無礼をお許しください。」


「大丈夫です。」


そう言った私の返事を聞いたあと、少し微笑み、そのまま会場とは反対の方向へ行ってしまった。一体なんだったんだろう。


「おい、リーン。そろそろ行かないとまずいぞ。」


そう言い、私の手を取り会場に入った。それぞれ指定の席に座り入学式を受けた。指定の席といっても、私は、ジンの婚約者だからなのか隣同士だった。


入学式はつつがなく進行し、終了したらしい。私はと言うと、ジンの隣で爆睡をしていたためほとんど何もおぼえていない。ジンに起こされるまで全く気づかなかったのだ。


まあ、眠かったし、しょうがないよね。

そう、自身を納得させた。

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